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ミステリの祭典

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蜘蛛男
明智小五郎シリーズ

作家 江戸川乱歩
出版日1987年11月
平均点5.80点
書評数5人

No.5 6点 みりん
(2024/10/09 11:03登録)
犯人やトリックは見え見えで前半で真相のほとんどが看破できてしまう。犯人の行動には必然性を感じないし、プロットの瑕疵にも突っ込みたくなる………のにどうしてこんなに夢中になって読んでしまうのか分からない。乱歩の卓越したストーリーテリングの力というものを見せつけられた。戦前にこんな特大のエンターテイメントがあれば少年たちが夢中になるのも当然だよねぇ。

No.4 5点 ボナンザ
(2014/04/07 22:10登録)
この頃から乱歩の変態趣味にグロが混じるようになる。
犯人は乱歩としてはそれなりに意外性を出したつもりかもしれないがはっきり言ってバレバレである。

No.3 5点 haruka
(2013/11/17 17:16登録)
冒頭の事件発生から蜘蛛男の正体が明かされるまでの展開はスリリングで読ませる。後半ちょっとだれるかも。

No.2 7点 バード
(2013/05/16 13:06登録)
犯人がいい感じに狂っていて読んでて楽しかった。丁寧な伏線のおかげで犯人の正体はかなり早い段階でわかるので、明智探偵が指摘するまで誰も犯人に気づけないのはなんとなくよんでいて笑えた。ただ若干情報を出しすぎている気もし、もう少し正体を隠す書き方だった方が盛り上がったかもしれない。
表題作じゃないもう一本は特にコメントなし。

No.1 6点
(2011/04/27 22:36登録)
乱歩の通俗長編第1作。
何が通俗なのかというと、まずは悪役の設定です。開幕早々死体をばらばらにして石膏で覆い、学校へ美術模型としてばらまくといった具合で、その目立ちたがり屋ぶりは二十面相並みです。もっとも二十面相は殺人嫌いですけど。そんなことをする理由がないなどと目くじら立てても始まりません。もしそんなとんでもない妄想に憑かれたような犯罪者がいたらという話なわけです。
で、その前提を容認しさえすれば、前半の話は意外にまともです。リアルな設定の中で奇抜なトリックが使われるのより自然とさえ思えるほど。ただ、犯人が弄するトリックのために読者にも蜘蛛男の正体が早い段階でわかってしまう(直感的にだけでなく論理的に)ところはありますが。全体の7割ぐらいでその正体が明かされてからは、話はサスペンス調になってきます。
まあ、縛られて絶体絶命のピンチになった蜘蛛男が最初の殺人計画を実行できることになるところは、その登場人物の感情も全然納得できないというわけではないのですが、やはりいくらなんでもご都合主義かな。

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