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ミステリの祭典

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彼女はひとり闇の中

作家 天祢涼
出版日2023年02月
平均点6.60点
書評数5人

No.5 7点 蟷螂の斧
(2023/08/24 17:16登録)
倒叙形式でも、まだこんな手があったとは!!恐れ入りました(笑)

No.4 6点 みりん
(2023/07/31 22:47登録)
倒叙形式は久しぶりなのでたまにはこういうのも良いね。
表紙もオシャレです。

No.3 4点 mozart
(2023/07/25 06:15登録)
登場人物(主人公・家族・学友・犯行者等)が自分には魅力的とは言いがたく特に主人公には余り共感できなくて彼女が犯人に迫っていく過程を読み進めるのがちょっと苦痛でした。最後の「反転」にはちょっと感服しましたが。


(ネタバレあり)
序盤で犯人のモノローグっぽいパートがあって倒叙モノかと思わせるのですがミスリードがあざと過ぎると思いました。葛葉が相模を追い詰めるくだりとか。

No.2 8点 HORNET
(2023/06/25 19:59登録)
 10月のある朝、女子大生の守矢千弦は昨夜近くの小道で女性が刺殺されたことを知る。被害者はなんと、昨夜「相談したいことがある」とのみLINEを送ってきた幼なじみの朝倉玲奈だった。小学校時代、永遠の友情を誓いながら、同じ大学で再会してからは微妙な距離感があった玲奈。千弦は自身で真相をさぐろうと決意する。調査を始めると、親友の玲奈の知らなかった一面が次々と見えてきて―

 犯行者の独白が序盤に入ってきて、読者は「倒叙ミステリ」だと理解して読み進めることになる。ところが…
 これはなかなかやられるなぁ。ミステリとしての真相(仕掛け)だけでなく、物語中の「善人」「悪者」の見方もひっくり返されて、気持ちよい騙され具合だった。
 なんにせよ、この作者のストーリーテーリングは絶妙。どれを読んでも引き込まれる。チェック必須の作家です。 

No.1 8点 人並由真
(2023/06/08 06:28登録)
(ネタバレなし)
「わたし」こと、慶秀大学商学部経営学科の女子大生・守矢千弦(ちづる)は、かつて幼馴染で親友だったが、歳月を経て再会したのちは距離を感じている同じ大学の女子・朝倉玲奈から、話があるとのLINEをもらう。だが千弦がその直後に知ったのは、何者かによって玲奈が殺害されたという現実だった。千弦は玲奈の周囲に怪しい影を認め、自分で事件を調べようとするが。

 結論から言うと、非常に面白かった。
 作者の持てるもの、全乗せ、の感もあった(あ、シリーズ探偵ものの要素はないか)。

 ただし、読む人を選びそうな作品なのも確かで、ミステリにおけるそれぞれの読み手側の尺度が際立った人には、キビシイ評価を受けそうな気配も見やる。
 一冊読み終えて、自分はミステリのある種の作法において、どういうのが許せて、どういうのがダメなのか、改めてちょっと考えたりした。最終的には、ストライクゾーンの広い自分を再確認するだけ、というところもあったが(汗・笑)。

 あれやこれや十何冊読んできた天祢作品だけど、個人的にはかなり上位に来る一冊。
 書き下ろしとは思えない、小刻みな推理ロジックの開陳の連続と、そして……のコンボもよろしい。
 それでもまあ、繰り返すが、評が割れそうな作品でもある。
 
 ほぼオールオッケー。私にとっては(笑)。

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