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ミステリの祭典

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孤島の鬼

作家 江戸川乱歩
出版日1969年01月
平均点7.15点
書評数26人

No.6 6点 haruka
(2011/07/30 21:56登録)
前半の本格的要素と後半の怪奇幻想のムードがうまく融合した作品で、続きが気になって一気に読めた。

No.5 3点 E-BANKER
(2011/06/21 23:11登録)
乱歩の長編代表作との声もある作品。
いつもの"乱歩節”が堪能できることは間違いなし。
~箕浦金之助は会社の同僚木崎初代と熱烈な恋に陥った。彼女は捨てられた子で、先祖の系図帳を持っていたが、先祖がどこの誰とも分からない。ある夜、初代は完全に戸締りをした自宅で、何者かに心臓を刺されて殺された。恋人を奪われた箕浦は、友人である深山木幸吉に事件解明を依頼するが・・・~

春陽堂版で読了。
これは、だた一言、「好みに合わなかった!」
「これはなんなんだ?」って感じでしたねぇー。
不可能状況で連続殺人が起こる序盤はまぁ問題なしですが、殺人事件の解決が「○○○の殺人」ということでほぼ解決した中盤以降は、正直ちょっと萎えた。
まぁ、これが「乱歩の世界だ」と言われればそのとおりなのでしょうし、本作こそ乱歩らしさが"いい匙加減”で出された作品という世間的評価にも頷けるものはある。
ただねぇ・・・シャム双生児やら○○○男(今では放送禁止用語では?)やら登場させ、結局これが「動機」にもつながっていくんですが、これには相当食傷させられた。
終盤の洞窟シーンは有名ですし、緊張感ある展開はいいんですけどねぇ、ラストは何かあっけないですねぇ・・・
というわけで、嗜好性の問題かもしれませんが、個人的にはお勧めしません。
(ちょっと評価辛すぎかな?)

No.4 6点 kanamori
(2010/07/31 15:42登録)
大衆ミステリ作家としての乱歩の面白さのエキスがいっぱい詰まった極上の長編ミステリ。
前半の海水浴場での衆人環視状況での殺人という本格趣向、後半の怪奇・冒険スリラー風のスリリングな物語と、息も吐かせぬ読者サービス満点の作品でした。
この後の作品は通俗趣向に偏り過ぎて、読まなくなりましたが。

No.3 8点 シュウ
(2008/09/24 17:12登録)
前半の本格の部分、中盤の怪奇小説的な部分は雰囲気たっぷりで面白いんですが、後半の冒険部分がちょっと迫力不足だったかな。
洞窟の中で迷ったり溺れそうになった以外にもあの佝僂の親父とかに襲われたりするのかと期待してたんで。
まあでもその辺の不満は最期の諸戸の手紙に全部持っていかれちゃいました。
それと、横溝正史の悪霊島を読んで蟹が嫌いになり、この作品を読んで美味しそうなので蟹が好きになったんですが、どっちもシャム双生児を扱った作品なんですよね。
悪霊島の蟹は当然シャム双生児を象徴するものですが、孤島の鬼のあの洞窟の蟹もそういうものだったりしたのかなと妄想してます。

No.2 8点 おしょわ
(2008/09/21 09:35登録)
乱歩の長編は変格モノばっかりで、それはそれで良いんですが、この作品は前半の本格っぽさから中盤以降の変格へうまくつながっていて飽きずに一気に読める長編になってます。
長編では一番のできではないかと。

No.1 10点 Tetchy
(2008/03/20 23:27登録)
乱歩の長編の中では一番好き!
謎めいた導入部、海水浴場での衆人環視の中での殺人、終盤の洞窟の中で繰り広げられる一進一退の攻防などなど、乱歩の通俗趣味がいい方向に出た作品だ。
特にあの姉妹が可哀想で、可哀想で・・・。

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