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ミステリの祭典

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女囮捜査官 4 嗅姦
女囮捜査官シリーズ/改題『女囮捜査官4 嗅覚』『おとり捜査官 4 嗅覚』

作家 山田正紀
出版日1996年09月
平均点6.40点
書評数5人

No.5 6点 レッドキング
(2025/11/03 22:05登録)
オトリ役の女捜査官、五感シリーズ「嗅覚*」の巻。ミカ(リカ)ちゃん人形見立て殺人と外車放火事件、二つの連続事件の連立方程式解答や如何に。本格ミステリとしてはイマいち(に・さん)だが、さりげない「白夜行」「火車」清張風物語が拾い物だった。戦後昭和・・誰もが貧しく、勤勉に働き、健気に生き、あるいはコスカラく立ち回り、「リカちゃんハウス」の様な生活を夢見て、結局、誰も夢の世界には至れなかった・・昭和後期と言う、胸塞ぐ様な時代の哀歌。嗚呼!

*昔、もし、やむを得ずして、五感のうちどれか一つ失わずを得ないとしたら、どれを?といった話になり、「んー、嗅覚かなぁ・」とか思ったが、嗅覚って、哺乳類(爬虫類以上?)の最も根源的な感覚らしい。だからこそ、遥か昔、四つ足から二足歩行に「進化」した我ら人類にとって、嗅覚に頼って地面を嗅ぎまわる豚は、軽蔑対象の生き物であり宗教的禁忌であり、そして、「ブタ!」は、人類普遍の罵倒語なのだとか(̂•͈Ꙫ•͈)̂

No.4 5点 ボナンザ
(2023/05/08 20:18登録)
人形の見立ての面白さとあくまで平凡な犯人像にはしない意地を感じる4作目。

No.3 5点 蟷螂の斧
(2012/07/21 10:38登録)
見立て殺人のほか、てんこ盛り(詰め込み過ぎ?)でややピントがずれてしまったように感じました。見立て殺人一本の方がインパクトがあったような気がします。そうすれば犯人の心境や異常性、並びに意外な真相が際立ったような気がします。

No.2 8点 teddhiri
(2009/09/27 23:58登録)
このシリーズにおける私的なベスト。忘れ去られた昭和史といったテーマで作ったモジュラー形式プラスホワットダニット型のミステリ。連続放火、見立て殺人、薬物汚染、これらの事件を風が吹けば桶屋が儲かる方式でつながらせ見事な構図を描いている。また主人公の相棒の袴田刑事の過去と活躍が見られる。正直、この袴田刑事の活躍が見られるだけでも私的ポイントは高い。また最近自分の好みがハウダニットやフーダニットから外れて、どんでん返しやホワットダニットなどに移っているのもあるかもしれない。

No.1 8点 ギザじゅう
(2005/02/22 11:12登録)
これまた変な作品。ミッシングリンクあり、麻薬あり、とネタの盛り込み方は他と変わらず満足。とりわけ、犯人のホワイダニットのねじれ方は、連作中でもぶっ飛んでいる。意外と人気キャラ(?)の袴田刑事の内面を描いているのも意外や意外で楽しめた。これまた怪作。

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