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ミステリの祭典

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世界の望む静謐
乙姫警部シリーズ

作家 倉知淳
出版日2022年10月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 7点 HORNET
(2023/09/03 18:28登録)
 「あなたのことは、最初から疑っていました」──漫画家を殺してしまった編集者、悪徳芸能プロモーターを殺めた往年の歌謡スター、裏切った腹心の部下に鉄槌を下した人気タレント文化人、勤務先の事務員の口を封じた美大予備校の講師……罪を犯した者たちの前に現れる、死神めいた風貌の「乙姫警部」。あの名作「刑事コロンボ」を彷彿とさせる名物警部の人気シリーズ。

 冒頭で犯行シーンが描かれたのち、刑事が表れて犯人を追い詰めるという、教科書のような倒叙もの。推理の手がかりとなる事象も、うまく描写に紛れ込ませられている。
 「一等星かく輝けり」が個人的ベスト。悪徳プロモーターの性質に踊らされてしまった犯人、そこを突き詰めた乙姫警部の捜査と推理は、小気味よかった。

No.2 5点 虫暮部
(2022/12/22 16:24登録)
 犯人のキャラクター小説として面白い。“最初から疑われていたポイント” も上手い点を突いている。しかし、どこでミスをしたのか、と言う興趣は今一つ。犯行そのものではなく、その後の不用意な行動で露見するパターンもあまり好きではない。
 「一等星かく輝けり」の作中歌の♪スターダスト~ は “スターの屑” と言う洒落?

No.1 5点 フェノーメノ
(2022/10/12 23:55登録)
皇帝と拳銃とに続くシリーズ二作目。
前作の印象はかなり薄い。正直話自体はほとんど覚えていない。それは今作も同じで、しばらく経ったらすぐに忘れてしまいそう。前作が面白くなかったのなら特段読む必要はないと思う。

そんな中で一番面白かったのは二番目の一等星かく輝けりか。警部の最初の気づき含めて、これが一番好き。

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