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ミステリの祭典

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倒産続きの彼女
剣持麗子シリーズ

作家 新川帆立
出版日2021年10月
平均点5.00点
書評数3人

No.3 5点 zuso
(2023/09/01 22:31登録)
前作ヒロインが脇役に回り、美馬玉子という「ぶりっ子弁護士」を新たなヒロインに据えたミステリ。
玉子が挑むのは、連続殺人ならぬ連続「法人」事件だ。ある女性が認識する会社が次々と倒産していく。彼女は経理担当の「小者」で会社を潰す権力などない。一体何が起きているのか。
謎の設定と人物造形が魅力的であり、心地良くページをめくり続けられる。現代日本が抱える問題提起が極めて自然体で楽しめる。

No.2 5点 makomako
(2022/12/06 20:24登録)
 お話として読んでいく分にはもちょっと高い評価でもよいと思いますが、主人公が全く好みでない。
 作者は東大出の弁護士さんだったようだが、そういったエリートにありがちな嫌味な感じが漂っている。女主人公は苦労して、親は自殺してでも頑張って弁護士になり(すごいよね)おばあちゃんとくらしている。
 外見的にはとても素敵なで、全然エリート意識がないようにふるまっているが、心の中はこの人嫌い、こんなやつの弱点はないかと考えてしまう。めちゃくちゃにいやらしい。
 作者がこんなメンタリティーなんでしょうかね。
 

No.1 5点 文生
(2021/10/29 12:01登録)
ベストセラーを記録した『元彼の遺言状』の続編ですが、主人公は剣持麗子の後輩弁護士である美馬玉子にチェンジし、麗子自身は脇に回っています。とはいえ、玉子は麗子と比べると地味ではあるものの、ぶりっ子気質など十分個性的でキャラ立ちという点では申し分ありません。また、ある女が転職するたびに転職先の会社が倒産するという謎も魅力的ですし、作者が弁護士だけあって真相を究明していくプロセスにも説得力があります。
ただ、終盤に謎の組織の存在が明らかになり、しかも、その組織が今後宿敵となっていくような雰囲気になっていったのが個人的には残念でした。途中までは面白かったのですが、ジャンルが本格からスリラーへとシフトした点が好みではないので評価は低めです。

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