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ミステリの祭典

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向日葵を手折る

作家 彩坂美月
出版日2020年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ぷちレコード
(2021/05/11 23:26登録)
山形の山間の集落を舞台にした青春ミステリ。
父親が突然亡くなり、母親の実家に引っ越してきた小学六年生の高橋みのりの四年間の物語。不穏な事件が相次ぎ、村に伝わる都市伝説的な「向日葵男」の仕業と目される中、みのりは予想もしない真相にたどり着く。
みのりと男の子二人をめぐる複雑な関係が主で、ひとりひとりの成長物語がメインなので、ミステリとしては薄味かもしれないし、テンポものんびりしている。しかし、切々たる情感があらゆる場面にあり、それだけで読まされる。悲しくて痛ましい真相が明らかになり、人間関係が見えなくなる。最後には体が熱くなるほどの情景が用意されている。

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