月下美人を待つ庭で 猫丸先輩の妄言 猫丸先輩シリーズ |
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作家 | 倉知淳 |
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出版日 | 2020年12月 |
平均点 | 4.80点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 5点 | zuso | |
(2023/11/09 23:08登録) 小柄で童顔な猫丸先輩が知人との会話の中などで興味深そうな謎を見つけると、無遠慮に首を突っ込んでいって真相を見抜いていくという短編が5つ収録されている。 ともすれば余計なものと思える饒舌な会話が終盤において伏線に化ける様は、この作品の醍醐味である。 |
No.4 | 4点 | 名探偵ジャパン | |
(2022/02/18 11:21登録) さすがにブランク長すぎ? 不可解な謎と鮮やかな解決、そこに猫丸先輩のキャラクターが加わることで魅力を出してきたシリーズですが、今回は過去作品と比べると数段落ちます。もはや猫丸先輩のキャラだけで保っているような話ばかりになりました。 その猫丸先輩も、もうこれ以上キャラを広げようがないというか、完成されたキャラクターなので、シリーズを引っぱっていくには、謎と解決の魅力は絶対に必要なのですが……次(あれば)に期待ということで。 |
No.3 | 4点 | 虫暮部 | |
(2021/03/25 12:50登録) 猫丸先輩もう限界? まるで、如何に下らないことを長々と述べて原稿用紙の升目を埋められるか、と言う実験。勿論それで面白ければ良いんだけど……。 ネタバレするが「恐怖の一枚」。戦闘時には高い場所の方が有利だしスコップもあるのだ、そんな位置関係を許すのは不自然。寧ろ撮影者=被害者、その時点で足くらいは縛られていたかも。それならまさに殺人の最中の顔である。カメラと“最期の一枚”は加害者に託され、加害者はそれを諾々と受け取り所持している。それも怖くない? 「ついているきみへ」に至っては、問題編が全て出任せであった可能性も否めない。二人は暇つぶしのクイズとして即興の作り話をした。相手に降参させるのではなく想定通りの真相を見抜かせる心算だったので、適度な手掛かりを混ぜて話した。が、お互いに真意を摑めず、そこを猫丸がかっさらったのである。 |
No.2 | 5点 | sophia | |
(2021/03/11 00:25登録) ●ねこちゃんパズル 4点・・・話の中身のなさに驚き。八木沢(&みゆき)を登場させたかっただけでしょうか。 ●恐怖の一枚 5点・・・猫丸先輩の推理通りだと状況設定に無理があるような。人物関係をひねらない方がホラーに振り切れたのではと考えたりもします。 ●ついているきみへ 7点・・・この短編集の中では一番面白いですが、ラジオの公開収録の設定にもっと意味があってほしかったです。 ●海の勇者 4点・・・何も推理していないです。 ●月下美人を待つ庭で 6点・・・真相は取るに足りないものですが、しみじみとした読後感の作品です。 このシリーズは大好きなんですが、甘めに評価してもこんなものですね。猫丸先輩ってここまでおしゃべりでしたっけ。それでミステリーとしての中身の薄さを補おうとしている感じを受けました。前作から間隔が15年も空いたせいで時代設定に齟齬が生じてしまっていますが、そこは気にしない方がいいのでしょうね。 |
No.1 | 6点 | まさむね | |
(2021/03/06 18:26登録) 猫丸先輩シリーズの短編集。このシリーズらしく、軽妙な語り口で楽しめたのですが、ちょっと小粒な印象も残ったかな。謎自体は魅力的なのですがねぇ。ベストは「ついているきみへ」かな。 |