きみのために青く光る 『青藍病治療マニュアル』を改題 |
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作家 | 似鳥鶏 |
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出版日 | 2015年02月 |
平均点 | 5.83点 |
書評数 | 6人 |
No.6 | 6点 | mediocrity | |
(2021/02/08 01:18登録) 特殊能力でミステリを解決する「よくあるパターン」かと思いましたがちょっと違いましたね。この人の本は、雰囲気が軽い割に、話は妙に重くて違和感があることが多いのですが、今回は登場人物も何かしらトラウマを背負っている設定なので、ストーリーとうまくかみ合っていると思いました。 |
No.5 | 7点 | ミステリーオタク | |
(2020/12/30 22:29登録) 異様な超常能力を有する中高生3人とオーエル1人がそれぞれ主人公の、4つのインディゴな物語。 《犬が光る》 △・・前半はやや退屈でこんなんがずっと続くならムリかなーと諦念の予兆がよぎったが、後半に「事件」が始まってからはまあまあ。 《この世界に二人だけ》 ◎・・これは面白かった。 恐怖、ほのかな甘酸っぱさ、再び恐怖、そして〇〇たち・・・ テーマは「なぜ人を殺してはいけないのか」 《年収の魔法使い》 ◎・・前2作で中高生の発展途上の心理を繊細に描いた作者が、いきなりこういう「現金な」発想を噛ましてくることにまず驚いた。 それでも一応ミステリになっているし、前作に劣らず面白い。 《嘘をつく、そして決して離さない》 〇・・これは感想なしで。 テーマは「人間の運命とは」 今年は本当に大変な一年でした。 来年はどんな運命が私たちを待ち受けているのでしょうか。 それでは皆さん、よいお年を。 |
No.4 | 6点 | まさむね | |
(2020/08/31 22:30登録) 心の不安に根ざして発症する「青藍病」。能力が発動すると身体が青く光る(ただし他人には見えない)から名付けられたのでしょうが、その具体の能力は人によって様々。生物を殺せる能力とか、死期が近い方を判別する能力、これらは一定想定しやすいのだけども、個人的には、動物から攻撃されてしまう能力がツボでしたね。それは能力と言えるのだろうか、というか、迷惑で嫌すぎる。一方で、年収が分かる能力は何気に欲しかったりして。 全体としては嫌いではない内容でした。ラブストーリーとしての色が濃く、結果として「いかにも」といった展開ではあるのだけれども、伏線も含めて、そこに至る過程は楽しく読ませていただきました。文庫化に際して「青藍病治療マニュアル」から改題。確かに、改題後の方がしっくりきますね。 ちなみに、青藍病を研究している「静先生」が各短編に共通して登場するものの、各短編の繋がりが強い訳ではありません。先生の詳細も謎のままだし、続編があってもよい流れのような気がするのですが・・・。続編はないのかな? |
No.3 | 2点 | バード | |
(2019/09/03 07:37登録) 初の似鳥さん作品だが、本作の文章とかキャラクターの感じはどーーにも好きじゃない。 悪い意味で現代作品の雰囲気(二番煎じというか上辺な感じというか・・・)を感じてしまった。青藍に光るってだけで病気のコンセプトも無いし、ストーリーは簡素な感動もので大していいと思えず。好きな方もいると思いますが、すみません。 |
No.2 | 7点 | makomako | |
(2019/05/22 20:52登録) 今まで読んだ似鳥氏の中では一番良かった。 氏の作品はおふざけが過ぎたというか内容がないというか。暇つぶしには良いのですが、まじめに読んでくださいといった感じはほとんどなかったのですが、本作品は読んで心に響くところがあるきちんとした?作品となっていると思います。 氏は物語を書く才能はあるが、軽いのりの作品を多発していく人と思っていたのですが、本作品で考えを改めました。 ぜひぜひこんな作品をまた書いてくださいね。期待しています。 |
No.1 | 7点 | メルカトル | |
(2019/04/24 22:16登録) 青藍病。それは心の不安に根ざして発症するとされる異能力だ。力が発動すると身体が青く光る共通点以外、能力はバラバラ。たとえば動物から攻撃される能力や、念じるだけで生き物を殺せる能力、はたまた人の死期を悟る能力など―。思わぬ力を手に入れた男女が選ぶ運命とは。もしも不思議な力を手に入れたなら、あなたは何のために使いますか?愛おしく切ない青春ファンタジック・ミステリ! 『BOOK』データベースより。 これはなかなかの良作連作短編集です。とは言え、それぞれが独立完結した物語であり、共通点は青藍病患者が主人公であることと、静という性別不明の人物が登場することですかね。設定はファンタジーでありながら、より現実に即しており切実です。それは特に最終話によく顕れており、これだけでも読む価値は十分にある佳作揃いだと思います。最終話と似たような話を何作か読みましたが、これが一番現実的で異能を持ってしまったが故の深刻な心の葛藤がよく伝わってきます。 所謂いい話系が多く、また青春物としても優れていると思います。心に静かに語りかけてくるような、或いは思わずほろりと来るような、そしてスリリングな短編集です。性別年代を問わずお勧めできる隠れた名作と言っても過言ではないでしょう。 |