放課後の名探偵 名探偵の証明 |
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作家 | 市川哲也 |
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出版日 | 2018年09月 |
平均点 | 5.20点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 5点 | nukkam | |
(2025/07/22 15:13登録) (ネタバレなしです) 蜜柑花子シリーズを4作集めた2018年発表の第2短編集で、作中時代的には「屋上の名探偵」(2017年)の後、「名探偵の証明」(2013年)の前に当たります。「ルサンチマンの行方」は倒叙本格派推理小説で、追いつめられる主人公(犯人)の焦りが上手く描写されてまずまずの出来栄え。「オレのダイイング・メッセージ」は推理ゲームでメッセージを書ける状況を作り出すために怪我をしたいと(でも痛いのは嫌だ)奮闘する主人公の描写が謎解きよりも楽しめました。「誰がGを入れたのか」はシリーズ番外編で、蜜柑はほとんど登場しません。いたずらの仕掛けを自分自身に仕掛けられてしまった主人公が犯人を探すための推理が暴走します。「屋上の奇跡」は自殺しようとする主人公とそれを止めようとする蜜柑が描かれており、蜜柑が自殺願望に気づいたのは推理力ではないところが本格派としては拍子抜けですが青春小説としては読ませます。「屋上の名探偵」と比べて気軽に読めない雰囲気の作品が増えたのは好き嫌いが分かれるかもしれません。 |
No.4 | 6点 | 虫暮部 | |
(2022/10/18 13:00登録) 共感しづらい記述者を立てて読者を嫌な気分にさせるのは、狙いなんだろうな多分。効果が物凄く高いとまでは言えないが、認識論に踏み込むにはそのくらいの仕掛けは必要。内容が乏しくても如何にもっともらしく読ませるか、を頑張っているし、そういう戦略もアリだと思う。 |
No.3 | 5点 | ボナンザ | |
(2022/05/01 22:09登録) 長編に比べてしっくりくる感じ。 |
No.2 | 5点 | mediocrity | |
(2019/09/19 01:59登録) 前作『屋上の名探偵』の翌年という設定。今回はメインキャラの2人以外の視点で書かれた話が多い。前作も軽いタッチのストーリーだったが、今回は更に軽くなった感じ、と思ってたら最後の話重い・・・ ミステリとしてはあまり見るべきものがないと思う。 |
No.1 | 5点 | まさむね | |
(2019/04/24 23:51登録) 「名探偵の証明」に登場した探偵「蜜柑花子」の高校時代を取り上げた外伝的連作短編「屋上の名探偵」の続編という位置づけですね。「名探偵の証明」は未読で構わないと思うのですが、前作の「屋上の名探偵」は読んでいた方がより楽しめるような気がします。 正直、評価しない方も多いだろうな…と感じましたね。端的に言えば「薄っぺらい」ということになりましょうか。確かに、否定できない。 しかし、個人的には、流血を隠すために「佐清」の白マスク(犬神家の一族のアレ)を被って校舎を疾走するバカさ加減が結構好きだったり、「誰がGを入れたのか」のネタが連作短編全体として見た場合に嫌いじゃなかったりしたので、まぁ、楽しめたと言えるのかな…という印象。(一方で、これらが「薄っぺらさ」を増幅しているという側面も否定できないのですがね。) |