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ミステリの祭典

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中途の家
エラリイ・クイーン 別題『途中の家』

作家 エラリイ・クイーン
出版日1956年01月
平均点6.84点
書評数25人

No.5 9点 monya
(2010/10/11 23:12登録)
私的には国名シリーズにも劣らない素晴らしい出来の作品だと思う(というより、日本樫鳥を国名にいれるならこちらの方を国名に入れるべきだろう)
論理は流石クイーン!と叫びたくなるくらい冴えわたっている

どうでもいいが私はマッチのロジックについて「あっ!」と言わされてしまった
自分の注意力と思考力の弱さにあきれたものである。

No.4 6点 kanamori
(2010/07/23 18:01登録)
国名シリーズとライツヴィルものの中途の作品。
探偵クイーンの造形に厚みが感じられ、消去法によって論理的に犯人に至るロジックにもそこそこ満足できましたが、物語が地味でリーダビリティに少々欠けるように思います。

No.3 6点 Tetchy
(2009/05/29 23:28登録)
片や美しい妻を持ちつつも行商人として安物の品々を売る生活、一方で名家の婿になりながらも、相手は年増の性格のきつい女性という二重生活を送っていた被害者。しかしこういった設定にありがちな、周囲の人間関係を探る事で浮かび上がるこの被害者像は不思議な事に立ち昇らなく、犯人捜しに終始しているのが実にクイーンらしい。

ただ真相はどうにもアンフェア感が拭えず(以下、思いっきりネタバレ)

被害者が絶命の間際に言い残した「女にやられた」という手掛かりがここでは全く雲散霧消してしまう。
確かにミスリードとは思いもしたが、裁判でも証言者が犯行当時の犯人の行動を裏付けるのに、明らかに冤罪起訴されるルシーが当人だと名指しするほど、女性に見えたのにもかかわらず、呆気なく覆されるところに、無理を感じる。
また被害者のダイイングメッセージは本格ミステリならば重視すべき物であるのに、それが全く活かされないのはいかなるものなのだろうか。

本書の舞台である「中途の家」同様、クイーン作品体系の中休みとも云うべき作品なのかもしれない。

No.2 7点
(2008/12/28 18:01登録)
『チャイナ橙』『スペイン岬』と続けざまに意表外な謎を提出して、推理もやはりアクロバティックだったクイーンですが、それに続く今作は事件も地味ですし、推理も地道すぎるくらい地道です。タイトルに国名を付けることもやめて、法廷シーンや恋愛劇を織り交ぜ、作風の転換を図ったことがうかがわれます。
凶器のナイフに付いていた指紋に関しては、犯人は殺人の後、ナイフの先で刺したコルクを10本以上ものマッチで焦がしてあることをしているのですから、素手であれば当然たくさんの指紋が付いていなければならないはずだ、という点の指摘は欲しかったですね。

No.1 9点 あい
(2008/03/29 17:51登録)
国名シリーズから離れ、エラリーの性格にも変化が出てきたことが、うかがえる作品。相変わらず論理的な事件解決は見事。

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