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ミステリの祭典

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もつれっぱなし

作家 井上夢人
出版日1996年11月
平均点5.57点
書評数7人

No.7 6点 まさむね
(2023/06/08 23:01登録)
 男女二者間の会話のみで構成された短編集。会話のみという趣向自体は目新しいものではないけれど、突拍子もない話を議論(証明?説得?)するスタイルは何か楽しかったし、いつもと違った気分でスラスラと読み進めることができました。
 消化不良であったり、結末が見えやすい短編もあったりした中で、後半の2作品「幽霊の照明」と「嘘の照明」の落とし方は好みです。

No.6 5点 こう
(2008/11/09 23:15登録)
 会話だけで構成された作品集で男女間で一方(ほとんどの話では女性)が提示した命題をもう一方(ほとんどが男性)が証明するスタイルが一貫しており試みは面白いと思います。
 ただロジカルなストーリーというより相手を納得させることに主眼が置かれており結果的につまらない作品もあるかと思います。個人的には冒頭の「宇宙人の証明」が一番つまらなかったです。話のオチがある作品の方が好きですので後半のものは比較的良かったと思います。
 いずれにしろさらっと読めると思います。

No.5 7点 VOLKS
(2008/01/27 16:46登録)
氏の作品が好きなためやや甘めな点数かもしれないが、個人的に好きな作品。会話だけで、しかも短編で見事に状況を表していると感じたし、突拍子もないその状況1つ1つが愉快だった。
ミステリィなのかどうかは別ですが…(笑)

No.4 2点 こをな
(2007/11/29 10:44登録)
 正直買わなきゃ良かったと思いました。
 やっぱり会話だけの構成には無理があるんじゃないかと……
 ユーモアも古臭い。かなり前の作品だから仕方ない気もするのだが。

No.3 6点 テツロー
(2003/11/05 21:01登録)
 ある命題を、証明する側と否定する側の会話文のみで出来上がった短編集。ロジックを駆使して本格っぽく仕上がってるのかと思いきや、残念ながらそれほど本格味は無かった。
 と言うより、前半の3編は、証明する側の人間性に問題があるんじゃないだろうか?こんな奴に言い負かされたり丸め込まれるのか、と思うと嫌気がさしてしまう。第一話を読み終えた時点で、一旦本を閉じたほど。
 後半の3編は、逆に非常に良い出来だと思う。ブラック風味も程よく効いていて、読了感も「上手くやられた」と言う感じ。こちらはお薦めです。

No.2 6点 ドクター7
(2002/05/29 20:31登録)
会話分だけでその場の情景が浮かんでくるあたり上手いです。いちいち細かい説明がある文章よりも読みやすいように思います。そもそもこれはミステリなのだろうかとも思うのですが、作品の空気みたいなものを楽しめれば良いのかも。

No.1 7点 由良小三郎
(2002/05/23 18:13登録)
完全に地の文がなく会話のやりとりだけでかかれた短編集です。それぞれの短編のできは普通のオチのあるショート・ショートという感じがします。この試みに対して思ったのは地の文での作者のまとめの一言とか、あたりの情景描写というのはやっぱり小説に余韻を与える意味であったほうがいいんだと言う辺で、技はみとめますが、遊びの部分です。

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