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ミステリの祭典

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サブマリン

作家 伊坂幸太郎
出版日2016年03月
平均点5.25点
書評数4人

No.4 5点 zuso
(2020/07/02 18:54登録)
ちょっと馴染みのない仕事、少年事件を扱う家裁調査官の物語。
少年たちが起こした、正義と悪が交差する犯罪。世の中の不条理に息苦しくなる。けれど、そこ伊坂作品。面倒くさいけど愛すべき登場人物たちに救われる思いがする。

No.3 5点 E-BANKER
(2019/12/17 19:59登録)
「チルドレン」(2004年)の続編。前作は連作短編形式だったが、今回は長編。
“変な男”陣内を中心に、今回も伊坂ワールドが展開される・・・のか?
2016年の発表。

~家庭裁判所調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプ。無免許運転事故を起こした十九歳は、近親者がみな、死亡事故に遭っていたと判明。また十五歳のパソコン少年は、「ネット上の犯行予告の真偽を見破れる!」と言い出す。だが一番の問題ははた迷惑な上司・陣内の存在だった。読み終えた瞬間。今よりも世界が輝いて見える大切な物語~

『サブマリン』とは・・・①耐圧構造の船体を有し、水中で活動可能な船舶(要は潜水艦だな)、②野球における投法のひとつ(要はアンダースローだな)、とある(by ウィキペディア)
本作のタイトルは一体どういう意味なんだろう? これが読後にまず思ったこと。
ネット上にある本作の特設サイトを閲覧しても、タイトルの意味に言及した部分はなかった。
うーん。よく分からん。

本作のテーマはずばり犯罪。もっと言えば少年犯罪。
途中、陣内と武藤の会話の中にも出てくるが、やむにやまれず犯罪を犯してしまった者と悪意満載だけど、たまたま犯罪までに至らなかった者。いったいどちらが責められるべきなのか?
テーマの本質は非常に重いもの。
こんなテーマを薬丸岳なんかが書いたら、心の奥までズンと来るような重い物語を書くに違いない。
でも、そこは伊坂。筆致はフワフワしていて軽く感じるし、独特の会話や言い回しでクイクイと読まされてしまう。
特に本シリーズは、はた迷惑な男・陣内のキャラクターが大きい。
伊坂のシリーズものにはアクの強い名物キャラがよく出てくるけど、陣内もその中のひとりに昇格した感じだ。
(でも、こんな奴、本当に職場にいたら邪魔だろうな・・・)

作者が12年の歳月を超えて続編を出したくらいだから、思い入れもあるのだろう。
ただ、他の佳作に比べてどうかというと、そこは・・・あまり・・・っていう評価かな。
ちょっとフワフワし過ぎ。

No.2 5点 haruka
(2019/08/22 22:48登録)
肩が凝らずに読めるという点では◯。

No.1 6点 まさむね
(2016/07/04 23:16登録)
 「チルドレン」の続編。「チルドレン」の発刊から12年が経っていたのですねぇ。ちょっと驚きです。
 家裁調査官の陣内のキャラが相変わらずイケています。後輩調査官、武藤との掛け合いも絶妙。その中で、少年犯罪について押しつけがましくなく、考えさせる構成も流石であります。
 まぁ、人物設定も含めて、都合の良過ぎる展開と言えなくもないのですが、それを言っちゃあオシマイですよねぇ。
 伊坂サンらしい作品で、「チルドレン」を読んだことのある方は、是非。(ちなみに、「チルドレン」を読んでいなくても、特段の支障はないと思います。)

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