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ミステリの祭典

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長野・上越新幹線四時間三十分の壁

作家 蘇部健一
出版日1999年03月
平均点4.33点
書評数6人

No.6 5点 mediocrity
(2021/01/29 07:00登録)
表題作はメイン?の長野の事件の真相解明にかなりの紙幅を割いて、ああでもないこうでもないとやってるんだけど、むしろ正答が一番最初に思いつく解答な気がするのだが。刑事が10人も集まれば、30秒もあれば答えが出るレベルのトリックだと思う。新潟の事件の真相の方がはるかに良かった。
短編はどう改変したのかはよくわからないが、言うほど悪くないと思った。

No.5 6点 メルカトル
(2020/11/10 22:19登録)
容疑者は美人双子姉妹! 事件を追う刑事・半下石は鉄壁のアリバイを崩せるか? バカミス史上に残る怪作『六枚のとんかつ』の著者が、本格鉄道ミステリーに挑戦した表題作に加え、どんでん返しのおもしろさが味わえる倒叙型ミステリ『指紋』『2時30分の目撃者』、ボーナス・トラック『乗り遅れた男』の短編3本を収録。本格+ギャグ=? お笑い鉄道ミステリー!
『BOOK』データベースより。

あれぇ?かなり評価が低いですね、私は結構面白いと思ったんですけど。
時にユーモアを交えた本格的な鉄道ミステリです。当然アリバイ崩しの話ですので冒頭でいきなり時刻表が掲載されています。かなり込み入った話を要領よく纏めていて、それでいてトリックは煩雑にならずに最後は一撃で仕留めるという、なかなか読み応えのある内容となっていると思いますよ。作者はこんな本格ミステリも書けるのだという事を証明した一冊として、貴重な作品集だと断言できます。まあ双子の姉妹が容疑者という時点で、半ばネタバレしているようなものですが、それを上手く読者の目から隠蔽できています。なかなかの仕上がりだと思いますけどねえ。
そして終盤のあからさまな伏線が良いです、特に半下石と、離婚して母親に親権を譲った娘とのエピソードが泣かせます。その中でもちゃっかり伏線を張っているのも憎いところ。ラストは洒落が効いていてクスッとなってしまいました。

尚、私はノベルスを読んだので、文庫版に収められた『遅れてきた男』は未読です。作者あとがきも読んでみたかったですね。

No.4 6点 名探偵ジャパン
(2019/07/18 09:23登録)
そんなに悪くないと思います。悪くないどころか、表題作のアリバイトリックは結構好きだったりします。蘇部健一作ということと、作者自ら「出来の悪い二時間ドラマ」とか書いちゃうから、読む人に付け入る隙を与えて、調子に乗らせてしまうのだと思います。

No.3 4点 まさむね
(2015/06/28 22:19登録)
 文庫版で読了。中編と言ってもよい長さの表題作に、短編2本+ボーナストラック(掌編)で構成。
 表題作について、作者はあとがきで「出来の悪い二時間ドラマをお届けする」と語っていますが、正直、出来の悪い二時間ドラマよりは出来がいい印象。でも、文章が致命的に下手すぎます。文庫化に際し百枚以上削ったとのことで、ノベルス版を読まれた方は、さらに辛かったでしょうねぇ。
 短編のうち、「指紋」は、ノベルス版では評判が良かったらしいのですが、何と文庫版でラストをガラリと変えたとのこと。何故に?文庫版で読む限り、きっと自ら改悪されてしまわれたのでしょう。何と馬鹿なことを。
 身勝手な意見で申し訳ないのですが、「ちゃんとした(しようとした)蘇部健一作品」というのは、何ともアンバランスで、落ち着かない心持ちにさせるのですよねぇ。これが味なのか?

No.2 3点 江守森江
(2010/07/07 17:03登録)
表題作は、今では二時間ドラマ用の遺物にすらなった時刻表アリバイ物で、文庫版ではスッキリしたが、それでも駄作な二時間ドラマレベル。
「指紋」は文庫版で脱力方向に改訂され賛否両論。
文庫版にはボーナス・トラックで「乗り遅れた男」が収録されたが評価は上がらない。
数多のクズミス同様に2点にしたいが、文庫版解説が好きな大倉崇裕なのでオマケで1点加点した。

No.1 2点 ぷねうま
(2007/11/17 06:26登録)
支持しない

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