皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
27602. | RE:The Singing Diamonds by Helen McCloy~弾十六さま 人並由真 2020/07/17 15:15 [雑談/足跡] |
弾十六さま こんにちは、です。 > 初出、と言われると、自称『ミステリの祭典』で最も「初出」という語を使っている男、の出番だとつい思ってしまい、シャシャリ出て来ました。 > 結論から言えば、多分、EQMM1949年10月号だと思われます。(FictionMags Index調べ) ありがとうございます。マクロイの短編集の原書が出たのが結構遅めだったように記憶していますので、もしかしたら『盗まれた街』の方が先かな? とも思ったんですが、『ダイアモンド』の雑誌初出の方がずっと早かったんですな。 まあ考えれば当時(40年台末~50年代半ば)はアダムスキー円盤搭乗記(これも実際にはいろいろややこしいみたいですが)だのスプートニクの打ち上げだのあって、世界各地で宇宙に目が向けられていた時節ですから、宇宙SFネタミステリも当然続出だったわけでした。マクロイ以外にも、ロースンとかフレドリック・ブラウンのエド・ハンターもの(自分でこのサイトでレビューした)とか。 とはいえポアロやエラリーはもちろん、フェル博士やH・Mでさえ「宇宙人がらみの事件」には関わりあったことがないハズ。のちのちのリック・ホルマンならあるけれど(笑)。 > ちょっとズレますが、最近読んだフラクスマン・ロウ探偵の短篇(押川廣編『シャーロック・ホームズのライヴァルたち②』に収録)には、ある意味ぶっ飛びました。探偵の解決が、合理的にではなく、「超自然的な理屈で」合理的に解釈されたものだったからです。それってあり?な感じでしたが… (まだ書評未作成) 『フラクスマン・ロウ』は、先日まとめて翻訳された連作短編集を当方も読んで、このサイトにレビューを書かせてもらっています。結構面白かったと思います。 押川曠センセ(この方、どこにいったのでしょう? 別名義で活躍されてます?)のアンソロジー『ホームズのライヴァルたち』路線は、1巻目の途中まで読んで、なかなか楽しいと思いながら、一本一本を読むのにカロリーがかかる感じで、一旦休止。そのうちに本がどこかに行ってしまったという、いつものパターンです(笑・汗)。というわけで『②』にどの作品が入っていたのか、認識外なのですが(くだんの短編集の解説に書いてあったかもしれない)。 話は変わりますが、先日の「ガードナーには泣ける作品(描写もキャラも?)は、ない」という指摘は、私的にすごくウケました。言われてみればそうだと思います。そのジャンルのひとつのスタンダード的なヒーローを生み出しておきながら、メンタル的な部分で読者とのシンクロを狙わないのはハミルトンのカーティス・ニュートンと少し似ています(とはいえあちらには、まだ、スペオペSF的なビジョンを経て生じる情緒の類がありますが)。 ガードナーで一番泣けるのは、作品のなかではなく、彼が自作について語った「私の本を読者が就寝前に楽しんで、心安らかな眠りにつき、また明日の英気を養ってくれればそれでいい」という主旨(大意)の言説でした。職人作家としての矜持に満ちた物言いで、その言葉のとおり、その著作が世界中ののべ何千万単位、あるいはそれ以上の読者に楽しさと活力を与えてきたのだと思うと、ジーンと来ます。なまじっかの作家が言ったら、とてもサマにならない一言であった、という意味も込めて、昔からすごく心に残っていた言葉でした。 また長くなってしまいましたが、こちらこそ、そちらの今後のご投稿、楽しみにしております。今後ともよろしくお願いいたします。 人並由真 拝 |
27600. | The Singing Diamonds by Helen McCloy 弾十六 2020/07/17 03:12 [雑談/足跡] |
人並由真さま おばんでした。 >もしかしたらマクロイの短編ミステリ『歌うダイアモンド』とか、本作のようなものを踏まえて、当時、書かれりしたんだろうか?(そっちの正確な初出の年とかは知らないけれど) 〜ジャック・フィニイ『盗まれた街』のご書評より 初出、と言われると、自称『ミステリの祭典』で最も「初出」という語を使っている男、の出番だとつい思ってしまい、シャシャリ出て来ました。 結論から言えば、多分、EQMM1949年10月号だと思われます。(FictionMags Index調べ) 内容については、二つとも読んだことが無いのですが、 >街で続発する異常な事態に際し、主人公マイルズたちがなんとかギリギリ日常の枠に収まる、非・スーパーナチュラルかつ合理的な説明をつけようと躍起になる については、例えば「認知症」の症状の中の「虚言」には、記憶が飛んだため、本人にとっては不合理な現象(例えば、ものを買ってお金が減ったのに、物を買った記憶が抜け、急にお金だけ減った、という「事実」)を「合理的に」推理してしまう(「泥棒が入った!)という人間の悲しいサガに根ざしたものが含まれる(というかほとんどそんな感じ)というのを思い出しました。 すべての可能性を一つ一つ考慮して取り除いてゆき、残ったのが真相だ!とカッコよくシャーロックに言わせておいて、実人生においては、結局「残った」のが霊現象だった…というお粗末な結果に終わったコナン・ドイルが良い実例かとも思います。 ちょっとズレますが、最近読んだフラクスマン・ロウ探偵の短篇(押川廣編『シャーロック・ホームズのライヴァルたち②』に収録)には、ある意味ぶっ飛びました。探偵の解決が、合理的にではなく、「超自然的な理屈で」合理的に解釈されたものだったからです。それってあり?な感じでしたが… (まだ書評未作成) 取り留めのない話になりました。 ところで最近の人並由真さまの書評は快調ですね。 19世紀に住んでいる私でも『七人のおば』は読んでみたい、と思っちゃいました。(七人の、というとワイルドな感じを受けて、面白いビジュアルが浮かんじゃいますが…) 再び蔓延中の新コロに負けずに、孤島にいるが如く注意深くしつつ、皆様の今後のご健筆に期待しております。 |