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32369. | RE:『動脈列島』の件~「聞いて驚く、意外な事実!」(Ⓒガミガミ亭ケチ楽) 人並由真 2022/03/15 23:36 [雑談/足跡] |
おっさん様 こんばんはです。 > 「本の雑誌」2019年8月号の「別人28号」特集(ゴーストライター特集)で、新保博久さんが、『動脈列島』は、デビュー前の宗田理による代作であったことを、書かれていました。いや~、ビックリですね。 「ひえ~!!!」 今日はほぼ一日、この話題が頭から離れませんでした(笑・驚)。 正に衝撃の事実です。 (それで本題に入る前に、この自分の投稿の見出しについては 「誰が今どき、山根青鬼の『おやじバンザイ』なんか知るか」 とツッコんでください!? いや、このギャグマンガ本当に 知らなければ、結構です……汗・笑) で、自分でもTwitterなどでこの件を検索してみると、すでにこの事実は 最初に2013年の時点で朝日新聞で、宗田氏自身が暴露していたそうで。 あー、私ゃ8~9年間もその真実を知らなかったのか! と 驚いて嘆いております。 (ちなみに「ふたば便り」の記事内の『動脈列島』が1975年の刊行というのは たぶんAmazonの誤記表記をうのみにした記事ライターの間違いで 実際には元版のカッパ版は1974年の刊行のハズです。いや、何しろ東宝の 映画が1975年なので、書き下ろしの小説がメディアミックスでもないかぎり さすがに同年のうちに映画になって公開されるわけなどはないし。) それでTwitterで言っていた方もいますが、この年の日本作家推理作家協会賞の 対抗候補が仁木悦子、都筑道夫、草野唯雄、海渡英祐などの面々だったそうで。 これらの錚々たる趨勢を向こうに回して無名のゴーストライター(当時の)の 著作が協会賞の本賞をかっさらってしまったという事実がなんかフクザツで、 そしてとても、愉快で痛快、豪快ですな(笑)。 (いや、書き手が誰だろうと、作品『動脈列島』が秀作なことには変わりないですが。) 実は当時の「SRの会」の会誌「SRマンスリー」でもベスト発表号の 講評にて「清水さん、これ、ホントに自分で書いたの?」 と言っている人がいたのです(笑)。 もちろんそれは、思わぬ書き手が為した秀作に向けての諧謔だったわけですが その発言をした人は、実は正に、正鵠を射ていたわけでした(大笑)。 いずれにしろ、本日を機に、宗田作品への関心もかなり高まりました。 そのうち、面白そうなのを一冊、読んでみようかと思います。 末筆ながら、おっさん様、いつもいつもながら、興味深い情報、 ありがとうございました。いつもその深い、厚い、ミステリファンとしての 知見に感銘・感服しております。 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 人並由真 拝 > 2016年に、当の宗田氏がインタビューで語った内容――ネットで確認できます――は、次のようなものです。 > 小説を書き始めたのはいつからかという質問に対し―― > > 「40代から。それまでは食べていくために他の仕事をしていた。でも、そっちがうまくいかなくなって。それで、編集者をやっていた頃、作家たちに企画を持って行って書いてもらったことを思い出して、それなら自分でやってみようと。初めはゴーストライターとして「動脈列島」(清水一行著、光文社、1975年)を書いた。そしたら、その年の推理作家協会賞が取れた。これならいけると思って、自分の名前で書くことにした」(文化のみち二葉館ニュースレター「ふたば便り」第23号より) > > 清水一行は2010年に亡くなっており、あくまで、これは宗田氏サイドの主張です。 > あるいは、翻訳における「下訳」のようなものだったのかもしれませんし。往年の、流行作家あるあるでしょうかね。 > > ともあれ、ご参考まで。 > > おっさん拝 |
32366. | RE:それはそれは! 『動脈列島』の件 おっさん 2022/03/15 12:01 [雑談/足跡] |
人並由真様 横から失礼します。 たまたま以下のコメントが目についたので、書かせていただきます。 > 清水一行は、自分も『動脈列島』しか読んでいません(汗)。 > 刊行当時は「SRの会」などでも「日本版ジャッカルの日!」などと > 激賞され、見事、その年のSRのベスト投票で、1位になった作品だった > と記憶しています。自分もメチャクチャ面白かった作品でした > (特に中盤の<あのシーン>のテンションは、いまだに覚えています)。 > > ただまあ、たぶんきっと『動脈~』は作者の本領・本筋の一冊では > ないのでは? という思いも強いので、そのうち、清水一行作品を > もうちょっと覗いてみたいです。 「本の雑誌」2019年8月号の「別人28号」特集(ゴーストライター特集)で、新保博久さんが、『動脈列島』は、デビュー前の宗田理による代作であったことを、書かれていました。いや~、ビックリですね。 2016年に、当の宗田氏がインタビューで語った内容――ネットで確認できます――は、次のようなものです。 小説を書き始めたのはいつからかという質問に対し―― 「40代から。それまでは食べていくために他の仕事をしていた。でも、そっちがうまくいかなくなって。それで、編集者をやっていた頃、作家たちに企画を持って行って書いてもらったことを思い出して、それなら自分でやってみようと。初めはゴーストライターとして「動脈列島」(清水一行著、光文社、1975年)を書いた。そしたら、その年の推理作家協会賞が取れた。これならいけると思って、自分の名前で書くことにした」(文化のみち二葉館ニュースレター「ふたば便り」第23号より) 清水一行は2010年に亡くなっており、あくまで、これは宗田氏サイドの主張です。 あるいは、翻訳における「下訳」のようなものだったのかもしれませんし。往年の、流行作家あるあるでしょうかね。 ともあれ、ご参考まで。 おっさん拝 |
32364. | それはそれは! 人並由真 2022/03/14 23:55 [雑談/足跡] |
斎藤警部さま こんばんはです。 > 87分署(私はまだまだド素人です)と言えば、雪さまも、そしてtiderなんとかさまも、最近お見掛けしませんですね。なんとかtigerさまは時々長めのお休みを取られる方で、私が本サイトに初参加したのも、ちょうど某tider-tigerさまが半年以上(8か月弱?)もお見えになられなかった時期でした。だもので、その後の復帰書評を拝見した時、「ああ、玄人っぽい新しい人が入って来たんだなあ」と思ったものですが、実は大先輩だったという(笑)。 それは、良いお話を、お伺いいたしました。 ありがとうございます。 それではtider-tigerさん、そして雪さんの御帰還を 希望をこめて、気長にそっと待たせていただくことにします。 清水一行は、自分も『動脈列島』しか読んでいません(汗)。 刊行当時は「SRの会」などでも「日本版ジャッカルの日!」などと 激賞され、見事、その年のSRのベスト投票で、1位になった作品だった と記憶しています。自分もメチャクチャ面白かった作品でした (特に中盤の<あのシーン>のテンションは、いまだに覚えています)。 ただまあ、たぶんきっと『動脈~』は作者の本領・本筋の一冊では ないのでは? という思いも強いので、そのうち、清水一行作品を もうちょっと覗いてみたいです。 まあそんなことを思っている作家は数えきれないほどいるのが、 自分の悪いとこ? ですが(笑・汗)。 それでは、また。 今後ともよろしくお願いいたします。 人並由真 拝 |
32363. | RE:RE:RE:西村京太郎先生 ご逝去 斎藤警部 2022/03/14 18:35 [雑談/足跡] |
人並由真さま。丁寧で熱い返信、どうもありがとうございます。じっくり読ませていただきました。 由真さまの(ベスト5+2を含む)挙げられた京太郎作品、未読のが結構あります! やばい! うち一冊は今年の夏に読もうと決めていた本ですが、他の作品も優先的に探したいな、と思っています。 「下り特急富士」も、由真さまの嗜好に合って愉しんでいただければ幸いです。もし合わなかったら、それはしかたない。 私は昔からコンスタントに読書人だったタイプではなく、清水一行氏の作品なども今回初めて読んだのですが(ガツンときました)、今後もちょくちょく目を光らせて行こうと思います。とりあえず近所の古本屋の店先百均天晒しで買った手持ちが一冊あるですな。 87分署(私はまだまだド素人です)と言えば、雪さまも、そしてtiderなんとかさまも、最近お見掛けしませんですね。なんとかtigerさまは時々長めのお休みを取られる方で、私が本サイトに初参加したのも、ちょうど某tider-tigerさまが半年以上(8か月弱?)もお見えになられなかった時期でした。だもので、その後の復帰書評を拝見した時、「ああ、玄人っぽい新しい人が入って来たんだなあ」と思ったものですが、実は大先輩だったという(笑)。 |
32354. | RE:RE:西村京太郎先生 ご逝去 人並由真 2022/03/12 03:47 [雑談/足跡] |
斎藤警部さま こんばんはです。 レスありがとうございました。 改めまして、西村先生へのお悔やみを申し上げます。 現在、地元の市立図書館で、先生の追悼特集が行われております。 斎藤警部さんのおっしゃる通り、後期の作品の中から光るものを ちゃんと見つけて評価したい、というお気持ち、よ~くわかります! ビル・プロンジーニの「名無しのオプ」シリーズの初期編で 「曲がりなりにも、プロ作家の著作をアマチュアが軽んじるな」 という主旨のセリフを、本人自身がミステリファン (パルプマガジンコレクター)であるオプからの発言で 言うシーンがありましたが、正にそのとおり。 たとえ本サイトで読者視点、ファン視点から2~3点の評価しか できない作品でも、その一冊を生み出す実作者の労苦のほどは、 余人などには決して実感できないものだと思っております。 (もちろん、西村先生の後期作品がどれも低評価の作品などとは まったく思っておりませんが。) ミステリファンとしては基本的には、(西村作品に限らず) プロ作家の作品ひとつひとつに最低限の敬意をはらった上で、 ホメるのもケナすのもマジメに行い、そしてできるなら 光る一冊を探し当てていきたいと思っております。 しかし「下り特急『富士』」などは1983年に雑誌連載、その後書籍化 ですから、量産多作時代とは言ってもまだかなり旧作ですよね。 (今回、これがあの『北帰行』の後日談、橋本メイン編の第二弾ということを 初めて知りました!~『北帰行』は、沖雅也が橋本を演じた 「土曜ワイド劇場」のドラマ版も ちゃんと大昔に観ています ~多少、ストーリー&事件の真相に脚色がされていましたが。) 願わくばそのうち、21世紀の西村作品の中から「えー、西村ファンなのに、 あれ読んでないんですか? あれは後期の作品だけど面白いですよ」と いう作品を見つけて、スレたミステリファンらしい悦に浸りたいものです (なんつースノビズムか・笑&汗)。 なお、現状でもし自分が西村作品のベストを5本選ぶとしたら、順不同で 『札幌着23時25分』 『華麗なる誘拐』 『終着駅殺人事件』 『名探偵なんか怖くない』 『七人の証人』 『天使の傷痕』(次点その1) 『俺たちはブルースしか歌わない』(次点その2) あたりですかね。 (「名探偵シリーズ」は僅差で、残りの3つのどれと 入れ替えてもいいけれど。) 『殺しの双曲線』は大昔に読んでいたはず……と思っていたのですが どうも勘違いで、まだ未読のようです。 上にあげた作品群は、本サイトに参加する前に読んでいたものばかりで 本サイトに来てから読んだなかでは、評点そのものはそんなに 高くないですが『恐怖の金曜日』『ある朝 海に』 『殺人者はオーロラを見た』『太陽と砂』『殺意の設計』 あたりを楽しんでいます。突出した優秀作は少ないけれど 秀作、佳作は多い感じで、それは西村作品のある種の魅力だと思っています。 長々とすみません。『下り特急「富士」』は昨日、ブックオフで 購入してきたので、近く楽しませてもらおうと思います。 ウワサのサプライズ? が楽しみです。 それでは今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 こちらこそ、斎藤警部さんのレビューをいつも 楽しみにさせていただいております。 マクベインやら、清水一行やら、そういう作家たちの諸作を 愛を込めて語ってくれる同輩は、そんなにおりません(涙)。 (87分署は、雪さんが復帰してくれれば、幸いなのですが……。) 人並由真 拝 |