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8620. | kanamori さんへ おっさん 2012/04/06 13:19 [雑談/足跡] |
昨4月5日付けのご書評に関して。 大谷羊太郎の『死の部屋でギターが鳴った』について、 >第8回江戸川乱歩賞の最終候補作を改稿・改題した作品らしい。 とありましたが、・・・kanamori さんは、同作を徳間文庫版でお読みでしょうか? もし巻末解説にそのような記載があるとすれば誤まりです。 第8 回(1962)は、『大いなる幻影』と『華やかな死体』が受賞したときで、このときまだ、大谷氏は乱歩賞に応募してはいません(ちなみに、この回のファイナリストには、塔晶夫(中井英夫)や天藤真の名前が)。 問題の『死の部屋で~』(小生は、その昔、古書店で求めた、安っぽい装丁の弘済出版版で読みました)は、大谷氏が、本名の大谷一夫名義ではじめて乱歩賞に挑戦し、見事最終選考まで残った、第12回(1966)の候補作『四つのギター』が原型作品のようです。 ちなみに翌年の最終候補作『美談の報酬』を改題・改稿して、文筆デビューを飾ったのが『死を運ぶギター』ですね。 いつしか旅情ミステリの書き手へ、そしていまや時代小説の書き手へと変貌をとげた大谷氏ですが、あまりそのへんに関心はなく、初期のトリック小説にばかり郷愁のようなものを抱き続けている(といって、評価が高いわけではないのがナントモなw)、おっさん なのでした。 それでは、ますますのご健筆を祈念しております。 |