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ギザじゅうさん
平均点: 6.99点 書評数: 238件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.11 7点 有限と微小のパン- 森博嗣 2005/03/01 16:01
シリーズ完結を迎える大作。一作の『すべてがFになる』との対称が美しい。
本作のトリックはかなりのバカミスネタ。それをカバーするために様々な工夫を凝らしてあるが、説得力を持つかといえばやや苦しい。ただし真賀多四季の存在が作品に張りを与えているのは成功。おおむね満足のいく作品ではあった。
しかし、大きな不満点が一つ。ラストで四季博士が「すでに死んでいる」と述べたときに、F(死→生)とパン(生→死)の対称に思い当たった。同時にPERFECT OUTSIDERの意味にも。でも、やっぱり生きていたというので、豪快に大ごけした。さらに、それが瀬戸千衣というのだから、なおひどい。どこがパーフェクトなんだ。これが無ければ良かったのだが・・・・・・。

No.10 4点 まどろみ消去- 森博嗣 2004/12/24 09:44
本当にひどい作品・・・というわけでもないのだが、全体を通しての趣旨がよくわからない。短編集としてここまでめちゃくちゃなラインナップだと、言葉も出ない。唯一評価できるのはシリーズ物に拘らずに、好き勝手に書いている点か?
唯一の本格である『だれもいなくなった』は、トリックバレバレ。見せ方の工夫も足りないため、全く楽しめなかった。『ミステリィ対戦の前夜』はこれ一編では、読者にはオチが読めないぶんアンフェア?『やさしい恋人〜』もラストでひっくり返してはいるが、ラスオチの可能性が少ないために、容易に推測ができてしまう。他の作品ももう一度読み返そうとは思わないものばかり。
幻想味の強い作品で勝負するなら、それだけで纏めたほうがよい。ただし、他の純文学+SF系の作家(筒井とか安部公房とか)に比べると、格段に落ちる。

No.9 5点 数奇にして模型- 森博嗣 2004/11/09 13:37
S&Mシリーズでは最もつまらないものの一つだと思う。
このシリーズの後期(封印再度〜今はもうない)は非常にパズラー思考が強かったが、本作は最悪。犯人像が独特なため、論理がねじれている(麻耶作品にあるような気持ちの良いねじれ方ではない)し、何より犯人がバレバレである。プロローグもアンフェアだと言わざるをえない。
本作に近い作品というと、『詩的私的ジャック』だろうが、そのような詩的な美しさも感じとれなかった。

No.8 7点 今はもうない- 森博嗣 2004/02/16 20:21
シリーズの中では一番本格らしい作品。
仮説を出してはそれを否定し、また仮設を出しては・・・と解決に至るプロセスも見事ながら、密室という状況をトリックで解体するのではなく、複雑なパズルを構成するために使っているのは上手い。『詩的私的ジャック』に通ずるところがある。
森ミステリィではトリックよりも(たとえ密室が出てこようと)パズル重視の傾向が強いが今作はその最たるもの。
ただし今作はシリーズを通してから読む必要あり。

No.7 6点 夏のレプリカ- 森博嗣 2003/12/10 14:32
わざわざ『幻惑〜』と話が並行するように書いたのは、犀川先生の出番を減らし杜萌側から描く心理描写に重点を置いたから・・・という意味では良くできているのだが・・・。
あんな大掛かりなトリックを用意した犯人の意図がよくわからない・・・。

No.6 7点 幻惑の死と使途- 森博嗣 2003/06/15 02:00
トリックはシンプルながらも見事にやられた。
(トリックがアンフェアかどうかは微妙だが、論理的に推理 すれば真相を看破するのも出来そうだが)
美しさも際立ったなかなかの佳作。

No.5 6点 封印再度- 森博嗣 2003/03/22 21:28
犀川先生と萌絵との恋沙汰の比重が多くて、やたら冗長に感じる。その一方で儀同世津子などの人物に十分な説明がされていない気がする。
殺人事件の印象も薄いが、壺と鍵の謎は非常に面白かった。

No.4 8点 詩的私的ジャック- 森博嗣 2003/01/14 14:08
密室のトリックよりも、密室である事が重要というのは非常に面白い。お見事!
動機など詩的な所を思わせるのもいい。

No.3 6点 笑わない数学者- 森博嗣 2002/11/16 16:31
神のトリック(笑)
簡単すぎるトリックがなかなかいい味してる。

No.2 4点 冷たい密室と博士たち- 森博嗣 2002/10/21 23:14
話にひき込まれない。(悪くいうと退屈
トリックも平凡だし、動機もいたって普通。
キャラクターも主要キャラ以外はほとんど印象が薄い。

No.1 10点 すべてがFになる- 森博嗣 2002/09/08 00:44
はっきり言ってトリック自体はたいしたこと無いと思う。が、それは二次的な要素である様にも思える。
キャラも立ってるし、スピーディーで読み易いのもいい。唯一の不満は説明の無い用語。

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ギザじゅうさん
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採点傾向
平均点: 6.99点   採点数: 238件
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