皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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テツローさん |
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平均点: 7.46点 | 書評数: 108件 |
No.5 | 9点 | 悪霊の館- 二階堂黎人 | 2003/06/04 00:47 |
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密室トリックそのものは、それほど洗練されたものではなかったと思う。その他の小技的トリックや、二階堂蘭子の語る薀蓄の方が、本格ミステリとしての雰囲気を醸し出すのに効果的に用いられている。そっちの方が楽しめたな、と感じた。 犯人指摘のシーンは、充分以上に盛り上がったかな。「地獄の奇術師」では最初からバレバレの犯人でちょっとしらけたものだったが、今回は一応、僕の予想がことごとく外れ、意外な犯人にびっくりしたので、そこは合格点と思う。 |
No.4 | 6点 | 宇宙捜査艦「ギガンテス」- 二階堂黎人 | 2002/05/15 00:55 |
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「新スタートレック」やアシモフの諸作が念頭にあったとのことだが(後書き)、僕自身「スタトレ」は全然見たことがないので、どのへんがパロディなのやらオマージュなのやらは、分からない。そういう観点からの感想です。ミステリ面では少々ネタバレ有り。 気になった点は、まず名前。リコッロブにラブカにビスナ…「ドラゴンボール」かいな!? そしてヒロインの位置にいるミャルルが猫型宇宙人のくせに、語尾が「〜するにゃ」とか(笑)じゃなく、「ゲェゥ」「ガルルゥ」「ガオオゥ」…あぁっ、萌えにくいっ(笑)!! ミステリ面のトリックの一つが、斎藤肇の「思いがけないアンコール」でバカネタとして捨てられていたものだが(作者がそれを知って書いたのかどうかは知らない)、このSF世界では、違和感無く溶け込めていたと思う。実際、こういう世界以外では使えまい。 それは良いのだが、冒頭の機会生命体ガルグーダとの戦闘エピソードが、いかにも付け足しという感じで全体から浮いているように思った。ガルグーダの話は世界設定の説明に必要なのは分かるから、全体をバトルとミステリの二部に分けるなりして、もう少し頁数をとって、しっかりバトルして欲しい。もっとも、続編ではミステリ色の方をもっと濃くして欲しいとも思うが。 |
No.3 | 8点 | 名探偵水乃サトルの大冒険- 二階堂黎人 | 2002/05/05 00:50 |
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話を重ねるごとに、生活人として段々駄目になってくような気がするな、水乃サトル。 「ビールの家の冒険」と「ヘルマフロディトス」は、缶ビールの証言や残された日記という手がかりの矛盾を突いて真相を看破する。「『本陣殺人事件』の殺人」と「空より来たる怪物」は、機械的トリックの解明。前者の方が好みですが、後者のトリックも短編ということでうまくまとまっていたと思う。「空より〜」のトリック、解説でバカミスと言われていたが、僕はハタと膝を打った、良い方のバカミスだと感じました。 後、どうでもいいことではあるが、「本陣〜」に出てきた奇譚社という出版社、解説では京極夏彦の「妖怪」シリーズが挙がっていたが、元は綾辻行人の「迷路館」のネタだろう。ただ、漢字が違う〜。(稀譚社が正解)わざと変えたのか間違えたのか…、マニア的にはそこは合わせて欲しかった。 |
No.2 | 6点 | 聖アウスラ修道院の惨劇- 二階堂黎人 | 2002/03/22 21:43 |
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読んでて途中で思ったんですが、作者ではなく作中人物の二階堂黎人って、全然存在感ないですよね。記述者なんだからそこにいるのは分かってるんですが、学院内調査中の時、蘭子に「ねえ、黎人」と呼びかけられて、「お前、いたのか」と思ったぐらいです。 「地獄の奇術師」と比べて犯人分からなかった分は良いと思うし、蘭子の描写そのものは僕は文句無いのですが、上記の件でこの点数。 |
No.1 | 7点 | 地獄の奇術師- 二階堂黎人 | 2002/03/17 02:26 |
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犯人はすぐ見当がつきました。論理的に分かったのではなく、この展開でこういう言動を取る以上、こいつが犯人なのだろうという感じでしたが。でも、雰囲気とか濃いし、素人探偵とやたら協力的な警察という配置は好きな方なので、全体的には良かったです。 この話の途中で、蘭子1度推理を失敗してますよね。その反省から、「確実に証拠を固めるまで、不用意に途中の推理を口にしない」と決意する。探偵が解決をやたらもったいぶる振る舞いをする理由付けですが、こういう風にその心境に至る経緯をきちんと描いてくれる作品て、少ないんじゃないでしょうか。僕が他に思い出すのは「ギリシャ棺」(クイーン)と「月光亭事件」(太田忠司)ぐらいか…。そういう意味でも二階堂黎人という人は、探偵小説の形式に律儀な人なんだなと思いました。 |