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okuyamaさん
平均点: 5.60点 書評数: 55件

プロフィール高評価と近い人 | 書評 | おすすめ

No.55 7点 李歐- 高村薫 2004/05/08 12:15
李歐を読みました。
あちこちで書評を読んでしまって「読まず嫌い」していたのですが、グイグイ読ませる作品でした。拳銃やヤクザな世界の綿密な描写よりも、登場人物の心理描写に惹かれました。ミステリという感じではないですね。
ラストはおとぎ話のようですが、読後感が良かったので○です。

No.54 5点 タナトスゲーム 伊集院大介の世紀末- 栗本薫 2003/02/16 09:30
最近の伊集院シリーズの中では良い方だと思いましたが、初期の面影を求めると、かなりがっくり・・・です。
テーマである「ヤオイ」の世界がリアルに描かれている反面、ミステリ部分はサラっと流されている感じです。せめて対決場面を盛り上げて欲しかった。第一の犯人にたどり着く重要な手がかりが提示されていなかったのも気になりました。

No.53 6点 グルメを料理する十の方法- 栗本薫 2003/01/26 16:03
『グルメを料理する十の方法』
食い道楽の女主人公と助手が良い。実名スレスレの登場人物達のキャラクターが分かりやすい。
トリック自体は大したことないが、面白く読める。(むかーし読んで再読したので、少しひいき目もあるかもしれないけれど…)

No.52 6点 熊の場所- 舞城王太郎 2003/01/26 16:00
これまでの作品よりも更にブンガク色が濃厚になった分、元々希薄だったミステリの要素がますます減少してしまった。面白いけれど、ミステリだと思って読むと物足りない。ブンガク作品としても物足りない。過渡期かな、と思ってしまった。

No.51 4点 虚空の逆マトリクス- 森博嗣 2003/01/25 16:55
和風、洋風、SF風の短編が入っていてバラエティーに富んでいる。個人的に好きなタイプの話もつまらない話も入っていたけれど、特筆すべきトリックなどは出てこず、ミステリ「風」の読み物、という感じだった。

No.50 3点 殺人方程式- 綾辻行人 2003/01/25 16:41
トリックが唐突で、作品から浮いている印象を受けた。もっと突拍子もないトリックを、ストーリーの面白さで納得させてしまうような作品を書いていらっしゃるだけに、残念。登場人物もイマイチ印象が薄い。

No.49 6点 館という名の楽園で- 歌野晶午 2002/12/10 10:24
ミステリ好きの心をくすぐるような内容で楽しめた。
動機もトリックもあっさり書かれているけれど、品良くまとまっていて作品の長さ(中編)にぴったりと収まっていた。遊び心たっぷりの職人芸という感じ。

No.48 8点 ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 2002/12/08 18:43
とても完成度が高い作品だと思います。トリックの部分の書き方、謎の明かし方、無駄がなく緊迫感のある進め方…等々。
状況も動機も「いかにも」なんですが、非常に楽しめました。物語の暗さを救う本多、久我のキャラクターも良かったです。

No.47 5点 少年たちの密室- 古処誠二 2002/11/22 02:27
緊迫感があって良かったのですが、悪者の人物造形が「いかにも」すぎて、少し白けてしまいました。
しかし、いじめっていやですね。やりきれなく、暗い気持ちになってしまったのは、作者の筆力だと思います。

No.46 4点 樒/榁- 殊能将之 2002/11/22 02:18
「樒」の方、海外の某作品と同じネタですね。インパクトのあるネタなので、同じでもいいから何かもう一ひねり欲しかった。
シリーズものということに救われてしまっていると思います。

No.45 5点 浦賀和宏殺人事件- 浦賀和宏 2002/10/31 00:25
勘違い野郎(失礼!)、と思っていたら、まさに勘違いでした。そっかそっか・・・。この作品は人に説明しにくいですね。
著者の遊び心で書かれた作品、でしょうか。作中作の注釈を見ると、ラストの部分が見えてしまうのですが、これも引っかけだったんですね。アッサリと楽しめました。

No.44 5点 Rommy- 歌野晶午 2002/10/30 15:35
筋立ては良くできていて一読の価値があると思うのですが、全体的に中途半端で物足りなかったです。
メインの謎が明かされる場面が盛り上がりに欠けたのでイマイチ、音楽業界の人々の造形が古くさく、ありがちな感じでイマイチ、でした。
Rommyの魂の叫びがうまく伝わってこなかったのが一番のネックだったかな・・・。

No.43 6点 謎亭論処- 西澤保彦 2002/10/28 10:41
『依存』で食傷してしまい、実に久しぶりに読んだタカチ&タックシリーズだったのですが、面白かったです。
基本的に短編集より長編の方が好きなのですが、論理パズル的な作品に関しては、コンパクトにまとまっている短編の方が読みやすいと思います。
『新・麦酒の家の問題』がスピーディで一番面白かった。「不幸の手紙」の話だけは、ちょっと「?」でした。

No.42 8点 暗闇の中で子供- 舞城王太郎 2002/10/24 21:19
語り手が四郎から三郎に変わることによって、前作で「事実」とされていた内容がグニャリと変わってしまった。今作品もテンションが低い三郎が主人公なのに破壊力抜群。村上龍の某作品を思わせるラストは衝撃的だった。デュビデュバ。イエー。
大量の伏線や未解決の謎がどうなるのか、解決されない可能性も高いけれど、とにかく今後が楽しみ。

No.41 8点 世界は密室でできている。- 舞城王太郎 2002/10/19 12:01
短いので期待せずに読み出したのですが、中身がギッシリ濃かったので大満足です。
「ドイツ人?」「14人?」と突っ込みどころもあるのですが、探偵がズバズバ事件を解決する爽快感が良かったです。良い意味で、男性(作家)らしい作風だと思います。
最後にルンババが飛ぶシーンが良かったので+1点です。

No.40 3点 記憶の果て- 浦賀和宏 2002/10/16 18:19
 ミステリ色が薄ーい作品ですが、そのことは別に気になりませんでした。
 19歳の著者が18歳の主人公の悩みや葛藤を書いているので、生々しいと言えば生々しいのですが、「そのまんま」すぎて小説としての出来がイマイチだと思います。冗長だし。文章は読みやすいのですが、ガス抜き出来るような笑える場面を入れるか、もっと分量を削れば読了しやすいと思います。

No.39 1点 墜ちていく僕たち- 森博嗣 2002/10/03 16:50
ちょっと変な話、のまま終わってしまう。
謎を全て解明する必要はないし、文章は読みやすいかったけれど、内容が軽すぎたので評価できない。

No.38 7点 煙か土か食い物- 舞城王太郎 2002/10/02 23:55
勢いのある文体と怒濤の展開で一気に読める。ノリの良さ・軽さとはうらはらに、暴力と家族の愛憎について悲痛なまでに力強く書かれたJ文学のような作品。
賢く超人的な主人公が、まるでアルセーヌ・ルパンのように次々と謎を解き明かしてしまうので、読者が考える余地はない。「本格ミステリ」らしくはないが、こういうのもアリだと思う。

No.37 6点 そして扉が閉ざされた- 岡嶋二人 2002/10/01 12:39
閉ざされた空間で延々と議論が続くのですが、緊張感が途切れることなく飽きずに読み進められました。筋立て、事実の明かし方、登場人物同士の微妙な恋愛関係も良かったです。

No.36 4点 赤緑黒白- 森博嗣 2002/09/24 15:48
「面白い、面白い」と思いながら一気に読んだはずなのですが、2週間たったらすっかり内容を忘れてしまいました。ミステリのネタとして仕込まれているトリックや真相は、目新しいものではありません。ミステリの部分は「おまけ」というか、犯人を指摘して喜ぶ読者へのサービスなのではないかと思います。
それよりも、この作品の肝は、分かりやすく楽しめる場面(「羊たちの沈黙」を模したシーン、絵画泥棒、銃撃戦など)や、シリーズを通じて変化した各登場人物の関係なのではないかと思います。エンタテイメント作品としてならば、8点つけます。

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