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たかだいさん
平均点: 5.06点 書評数: 225件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.5 4点 ボーン・コレクター- ジェフリー・ディーヴァー 2025/08/28 18:33
その場に上下巻が揃っているタイミングで購入している都合もあって「ソウル・コレクター」「石の猿」と順当にシリーズを遡って来てのシリーズ第1作目
ジェフリー・ディーヴァーという作家自体も、その人気シリーズ「リンカーン・ライム」も好きな私ですが、正直、本作はあまり刺さらなかったです
何というか、魅力に乏しい…
読んだ順番がある意味でイレギュラーな私の主観で言えば、ライムを取り巻く主要メンバー同士に流れる寄せ集め感やそれによるイマイチ嵌ってない感じはさながら『リンカーン・ライム0』みたいな感覚で読めました(いわゆるシリーズの回想編みたいな感覚)
ただ、それ以外の魅力はあまりなく、科学捜査のやり方を熟知して己に繋がり得る証拠・痕跡は微細も残さず、かと思えば次の被害者の居所を連想させるヒントはその場に遺してライム達を嘲笑う本作の犯人『未詳の男』も何故か、ここまで煽っているのに実際読んでいて魅力を感じない…。なんか狂ってるけど、小者臭さが拭えないせいでしょうか
まぁ人気シリーズにも当たり外れはあると割り切って、まだ読めていない他のシリーズ作品に期待しようと思います

No.4 8点 悪魔の涙- ジェフリー・ディーヴァー 2025/08/17 17:42
実際に読んだのは何十年と前の事だが、それでも本書は印象に強く残っている
あまり作家に拘っていなかった私が「ジェフリー・ディーヴァー」という作家を知り、以降、少なくとも海外作家の中では不動の一番となったきっかけになった作品でもある
氏の作品としては「リンカーン・ライム」シリーズが有名であるが、本作はノンシリーズ物という事も好転したのかもしれない
それはさて置き本作だが、銃乱射事件と事件に関わる脅迫状が主軸となり文書の専門家パーカーが文書に秘められた僅かな痕跡から犯人像を浮かび上がらせていくサスペンス物である
その真相というか結末も勿論面白いのだが、個人的には主犯の手足として無差別に銃を乱射して回る実行犯の存在が特に面白く感じた。手製のサイレンサーを装着したマシンガンで弾丸をばら撒く凶悪さと、主犯の言いなりになって自己に乏しく行動するある種の稚拙さ、そこに化け物じみたしぶとさが加わって『怪人』といった印象が強く残っており、(かなり時が経って多少なり記憶違いしてる可能性はあるにせよ)敵役として良いキャラしてたなと今でも思う

No.3 6点 007 白紙委任状- ジェフリー・ディーヴァー 2024/12/16 20:39
「イアン・フレミング」が生み出した国際的な諜報部員"ジェームズ・ボンド"の活躍を描いたスパイ小説シリーズ「007」を、アメリカのミステリー小説第一人者「ジェフリー・ディーヴァー」が書くという一種のコラボ企画による作品
数千人規模の死傷者を見込んだ大規模テロを画策する謎の男〈アイリッシュマン〉。攻撃予定日とされる金曜日が迫る中、ボンドは〈アイリッシュマン〉の企みを止める事が出来るのか
ジェフリー・ディーヴァー自身、こういったクライム小説やサスペンス小説を多く手掛けている為か、この手のスパイ小説とも相性が良かったように思える
007の小説は本家はあまり読む機会に恵まれず、その意思を継いだ作家の作品の方が読む機会はあったのだが、「ジョン・ガードナー」が描いた007より緊迫感があり、「レイモンド・ベンスン」の映画に寄せたアクション要素多めの007とも一線を画す
個人的には今まで読んだどの007より007していた気がする

No.2 5点 石の猿- ジェフリー・ディーヴァー 2024/12/15 07:14
今回の敵は、難破した船から逃げ出した密入国者達を追跡して殺し回る姿の見えない殺し屋「ゴースト」
非常に残忍かつ凶悪な敵を、ライム達が懸命に追う
ジェフリー・ディーヴァーや、その著作「リンカーン・ライム」シリーズは好きですが、まだ数冊程度しか読めていない者が受けた感想としては、本作はちょっと毛色が違ったかなという事
決して悪い意味ではなく、常に証拠至上主義で感情論を排するイメージがある頑なな偏屈者ライムが、「ゴースト」を追う上で次第に態度を軟化させていくのが珍しいように思えた
そうなったきっかけを作ったキャラクターの存在も大きく、ゲストキャラとして存分に活躍してくれていたように思う
ただ、読み終えてみると面白かったのは間違いないのだが、シリーズとしてはやや小ぢんまりしていた気がしないでもない

No.1 8点 ソウル・コレクター- ジェフリー・ディーヴァー 2024/11/09 05:04
毎回魅力的な敵(犯罪者)が出現し、科学捜査のスペシャリスト「リンカーン・ライム」率いる捜査チームと激しい火花を散らすシリーズの8作目
今回の敵は、気ままに己の欲望を満たし、その罪を他人に着せる「見えざる悪意」。ライムの従兄弟がその毒牙に掛かった事をきっかけに、ようやくその朧げな存在が確認される
情報化社会となった現在だからこそ、情報一つでなんとでも出来てしまうという点にリアリティがあって恐く感じられた作品。もし作中のようにありとあらゆる情報を集約するシステムが存在するなら、もしそれを個人が自由に出来たなら、相手の行動を高精度で予測する事も、データを書き換えて一般人を犯罪者に仕立てる事も容易だろう。現代ならではの恐ろしさを秘めた大作だったように思います

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