zusoさん |
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平均点: 6.19点 | 書評数: 106件 |
プロフィール | 高評価と近い人 | 書評 | おすすめ
No.6 | 5点 | ペッパーズゴースト- 伊坂幸太郎 | 2022/07/19 22:14 |
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主人公は中学校の国語教師の檀で、彼には「飛沫感染」すると相手の明日を垣間見ることができる特殊能力があり、生徒の事故を防いだために生徒の父親と知り合い、テロ事件へと巻き込まれていく。
本書が面白いのはそれと並行して、生徒が書いた小説が展開することだろう。その小説が中盤になってメインの事件と複雑に絡みだしてねじれていく。思わず脱力してしまうユーモアが光るメタフィクション的趣向、複数の伏線の見事な回収、そして最後の最後に明らかになる事件の真相も鮮やか。ただし、犯行計画の動機は納得しかねる。 |
No.5 | 5点 | 重力ピエロ- 伊坂幸太郎 | 2021/03/17 22:25 |
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ミステリですが、家族について考えさせられる小説。お父さんの台詞が印象的で、テーマは重いのに物語は温かく爽快。 |
No.4 | 6点 | アヒルと鴨のコインロッカー- 伊坂幸太郎 | 2021/03/06 23:24 |
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現在と過去が同時に描かれるカットバック形式の小説。ミステリなのかコメディなのか独特の雰囲気を持っており、途中はどうなるかと思ったが、読み終えると不思議と優しい気持ちになる。 |
No.3 | 5点 | サブマリン- 伊坂幸太郎 | 2020/07/02 18:54 |
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ちょっと馴染みのない仕事、少年事件を扱う家裁調査官の物語。
少年たちが起こした、正義と悪が交差する犯罪。世の中の不条理に息苦しくなる。けれど、そこ伊坂作品。面倒くさいけど愛すべき登場人物たちに救われる思いがする。 |
No.2 | 6点 | 砂漠- 伊坂幸太郎 | 2020/02/17 20:46 |
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東北の大学が舞台で、キラキラした風情の青春小説。
青春のカッコ良さよりも、カッコ悪さ、まの悪さ、取り返しのつかないことが書かれたりしていて、共感できる部分も多かった。 でも、ミステリとは言えないですよね。 |
No.1 | 8点 | 死神の精度- 伊坂幸太郎 | 2020/01/31 20:44 |
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六編からなる短編集で登場する死神は、死の国の調査委員で、担当する人間が死ぬのにふさわしいかどうか、身辺調査をして情報部に報告するのが仕事。調査期間中には、ストーカー問題がおき、ヤクザの抗争に巻き込まれ、殺人事件の現場に居合わせ、恋のキューピッド役になり、自殺行につきあわされetc。
クラシックな密室殺人劇あり、昔のハリウッド映画を思わせるサプライズ・ストーリーありの各編は、大なり小なりミステリの骨格を保って、絶妙にリンクし、死神はいつもちょっとした探偵の役割を果たす。 構成を含めた作品的な巧みさで言えば、「死神の精度」「恋愛で死神」「死神と老女」の三編だと思うが、個人的には感動したこともあり、「死神と藤田」「旅路と死神」が好みです。 |