皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
八二一さん |
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平均点: 5.76点 | 書評数: 425件 |
No.185 | 7点 | 復讐はお好き?- カール・ハイアセン | 2021/07/30 20:17 |
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相変わらずとんでもないキャラクター達がドタバタ劇を繰り広げる。環境破壊への警告がブラックユーモアたっぷりに触れられるのだが、今回はまとまりが良かった。 |
No.184 | 5点 | 眼を閉じて- ジャンリーコ・カロフィーリオ | 2021/07/17 20:22 |
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中年の弁護士が主人公のイタリアの作品。ミステリの味は薄いが、文章として優れている。心の琴線にひたひたと触れてくる、不思議な魅力の作品。 |
No.183 | 5点 | 壁抜け男(早川書房版)- マルセル・エイメ | 2021/07/17 20:17 |
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この作品集ほど古き良き時代のパリをしみじみ味あわせてくれる読み物はない。パリはモンマルトルの庶民の喜怒哀楽がほのぼのと描かれている。 |
No.182 | 7点 | デス・コレクターズ- ジャック・カーリイ | 2021/07/17 20:14 |
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快調な語り口で飽きさせない。食傷気味のサイコ・キラーものかと思ったら、眼から鱗の新機軸だった。テンポの良さと会話の楽しさで、凄惨な場面を描いても、妙にどこか爽やか。登場するいささか狂った方々の描写も面白い。意外な真相が明らかになるエンディングは、思わず感動してしまった。 |
No.181 | 5点 | 極東細菌テロを爆砕せよ- クライブ・カッスラー | 2021/07/05 20:19 |
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旧日本海軍の潜水艦に搭載されていた細菌兵器が作品の面白さを左右する重要な鍵となって登場する。 軽快さと重厚さが織りなす海洋冒険小説。 |
No.180 | 4点 | 名探偵のコーヒーのいれ方- クレオ・コイル | 2021/07/05 20:15 |
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ミステリの味わいは、物足りないと感じる人が多いと思うが、ロマンス、事件、老舗の舞台、そして何といっても味わい深いコーヒーが続編も楽しみにさせてくれる。 |
No.179 | 5点 | 強盗こそ、われらが宿命- チャック・ホーガン | 2021/07/05 20:13 |
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プロの銀行強盗とFBI捜査官との虚々実々の駆け引きを描いた犯罪小説であると同時に、ひりつくほど切ない恋愛小説でもある。 |
No.178 | 8点 | 路上の事件- ジョー・ゴアズ | 2021/06/21 20:28 |
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淡々とした筆致で五十年代アメリカの様々な顔を描き出す。出だしはヘミングウェイ的であり、途中はケッペル的であり、終盤はゴアズならではの世界。
才人の意欲的な作品に出会う喜びを満喫した。 |
No.177 | 5点 | 私刑連鎖犯- ジャン・バーク | 2021/06/21 20:25 |
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様々な要素をぶち込んで飽きさせないが、同時に「罪と倫理」について考えさせられた。しかしこれ、無理に邦題をつけなくても良かったんじゃなかろうか。 |
No.176 | 7点 | 夜の来訪者- プリーストリー | 2021/06/21 20:21 |
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登場人物たちがどこでどう関係しあっているのか、警部の問いにより謎が少しずつクリアになっていく面白さと、明かされていく過程のスリリングさが堪らなかった。戯曲はほとんど読んだことが無かったが、一気読みした。 |
No.175 | 4点 | 荒涼の町- ジム・トンプスン | 2021/06/09 20:30 |
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小説としては破綻しているのかもしれないが、なんといってもこの猥雑なパワー。それだけで読まされる。寄り添いにくいはずの作者の視点に忠実に沿っているのであろう訳者の力量にも感服。 |
No.174 | 5点 | ジブラルタルの女王- アルトゥーロ・ペレス・レべルテ | 2021/06/09 20:24 |
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話の進め方が時に主人公だったり、時に作者だったりして、立体的な展開になり、ノヴェルというよりドキュメンタリーを読んでいる気にさせられるところが見事。 |
No.173 | 6点 | リヴァイアサン号殺人事件- ボリス・アクーニン | 2021/06/09 20:20 |
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大型客船に乗り込んだ客の中に大量殺人犯がいるという本格グランド・ミステリ。それぞれの国の歴史を背負う登場人物たちがよく描き込まれている。文学的香り高い作品。 |
No.172 | 7点 | 夜愁- サラ・ウォーターズ | 2021/05/26 20:39 |
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殺人が起こるわけでもないし、犯罪が出てくるわけでもないが、語りの手法を「ミステリ」と呼ぶほかない小説。ヒロイン三人が現在なぜこのような境遇に陥っているか、という過去に向かう謎解きの語り口、人物造形、プロット、文章の全てにコクがある。 |
No.171 | 6点 | 市民ヴィンス- ジェス・ウォルター | 2021/05/26 20:30 |
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組織を裏切り、マフィアの犯罪を裏付けるために刑事事件の証人となり、証人保護プログラムの下に、新しい生活を始めたヴィンスの再生の物語。一九八〇年の大統領選挙が背景となっている。イランの米国大使館占拠事件で苦境に立つカーターがレーガンに敗れるのだが、どうでもいいような一票が世界を大きく動かしていることを、静かに語りかけてくる。 |
No.170 | 6点 | 通訳/インタープリター- スキ・キム | 2021/05/26 20:25 |
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ニューヨークに生きるコーリア系の一・五世のスージーの物語。法廷通訳をしているスージーは、法廷で両親を殺害した犯人の手掛かりをつかみ、真相にたどり着くのだが、その過程で、あぶり出されていく自身の不安定なアイデンティティの世界がスリリング。 |
No.169 | 6点 | 苦いオードブル- レックス・スタウト | 2021/05/12 20:44 |
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名探偵テカムス・フォックスの虜になる作品。綿密に容疑者の間を調べ上げる正統的な推理小説の面白さはもちろん、おしゃれでウィット富んだ会話で楽しませてくれる。 |
No.168 | 6点 | 双生児- クリストファー・プリースト | 2021/05/12 20:36 |
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第二次世界大戦、ヨーロッパ戦線に表と裏を双生児一人一人に語らせる。対立する二人の男の目を通して描く壮大な「騙り」の世界に感動。 |
No.167 | 7点 | 切り裂かれたミンクコート事件- ジェームズ・アンダースン | 2021/05/12 20:34 |
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キャラクターは楽しいし、ユーモア抜群だし、展開は意表を突いているし、本格ミステリとしてのインパクトも強い。このような遊び心満点の小説を読むとエレガントな気分になれる。 |
No.166 | 5点 | 病める狐- ミネット・ウォルターズ | 2021/04/27 20:41 |
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ヒロインの颯爽たる魅力、中年男性の大逆襲、無欲の勝利とも言うべき快い結末が印象的。 |