皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
八二一さん |
|
---|---|
平均点: 5.76点 | 書評数: 425件 |
No.245 | 6点 | 王女に捧ぐ身辺調査- アリソン・モントクレア | 2022/06/23 20:16 |
---|---|---|---|
貴族と元スパイの女性二人がロンドンで営む結婚相談所の物語。王女の縁談をめぐる企みを追って、意外な真相を探り出す。対照的な二人が、それぞれの個性を生かして事件を解決する。真摯な物語を軽妙に語るスタイルが魅力の一冊だ。 |
No.244 | 5点 | ホープ・ネバー・ダイ- アンドリュー・シェーファー | 2022/06/23 20:13 |
---|---|---|---|
舞台はトランプ政権下の米国。主人公はジョー・バイデン、その相棒はバラク・オバマ。これはかつての正副大統領(今や現大統領と副大統領だ)が、不審な事故死の真相を追う物語なのだ。
決して、主人公の設定に頼っただけの作品ではない。コンビが活躍するバディものとしての魅力はもちろん、全編にちりばめられたジョーク、そして愉快でスリリングな展開で楽しく読ませる。 |
No.243 | 7点 | トレント最後の事件- E・C・ベントリー | 2022/06/02 19:59 |
---|---|---|---|
恋愛がプロットに上手く溶け合い、探偵の推理過程でこれが見事に生かされている。最後に判明する真犯人も意外性がある。 |
No.242 | 5点 | 天使の背徳- アンドリュー・テイラー | 2022/06/02 19:57 |
---|---|---|---|
ロンドン郊外の小さな町で、郷土史出版の構想を温める平凡な牧師の周辺が波立ち始めた。
美しい編集者との出会い、再婚、そして転居してきた若い兄妹の登場。変化の果ての惨劇。平穏な日々が暗転する米国サイコスリラー。 |
No.241 | 5点 | さりげない殺人者- ロバート・K・タネンボーム | 2022/06/02 19:55 |
---|---|---|---|
ニューヨークで麻薬王6人が相次いで殺された。背後に政財官界の大物の影。身内の捜査当局にも内通者が。判事補カープとマルレーヌが腐敗と戦う、迫真の米国サスペンス。 |
No.240 | 8点 | 盗聴- ローレンス・サンダーズ | 2022/05/18 20:40 |
---|---|---|---|
全編を盗聴テープ、報告書、尋問記録、手紙などで構成してある。地の文なしの小説にしたのは、この手法で迫真力を増そうとの計算だろう。
処女作でのこんな離れ業は実に大胆。 |
No.239 | 6点 | 無頼の掟- ジェイムズ・カルロス・ブレイク | 2022/05/18 20:35 |
---|---|---|---|
ピカレスク・ロマンの興奮、青春小説の瑞々しさ、犯罪小説の緊張感、ウェスタンの猥雑な面白さ。それらが渾然一体となって、クライマックスに向かって突き進んでいく。荒々しさの余韻とそこはかとない叙情が漂う幕切れも素晴らしい。 |
No.238 | 5点 | 物しか書けなかった物書き- ロバート・トゥーイ | 2022/05/18 20:29 |
---|---|---|---|
収録作の十四編は、いずれもミステリの範疇には収まりきれないものばかり。しかし、いずれもそこが魅力で、予期せぬ形で見事に足下をすくって見せる。
コメディからシリアスまで品揃えも豊富。 |
No.237 | 4点 | コールド・ファイア- ディーン・クーンツ | 2022/05/04 20:35 |
---|---|---|---|
謎に満ちた前半のストーリー展開から察して、これは壮大な物語と期待したのだが、アイアンハート農場についてからの話は、理詰めすぎていていささかガッカリ。 |
No.236 | 6点 | 見えない凶器- ジョン・ロード | 2022/05/04 20:32 |
---|---|---|---|
二部構成の巧みなプロットに、演繹的な推論の積み重ねで真相を突き止めていく展開は、まさに謎解きの醍醐味そのもの。
英国ミステリ特有の地方色の豊かさも魅力を添えている。 |
No.235 | 4点 | 湖畔の四人- ジェレマイア・ヒーリイ | 2022/05/04 20:30 |
---|---|---|---|
メイン州の大自然に調和しながら生きている地元民の日常生活や、湖畔を中心とした生物の営みなど丹念に描かれている。
ただ、犯人の動機は単純で、終局もいささか平凡。 |
No.234 | 5点 | 月に歪む夜- ダイアン・ジェーンズ | 2022/04/18 20:12 |
---|---|---|---|
若い女性の行動を精緻に描き、アッと言わせるストーリー。細密描写は処女作とは思えない出来栄え。 |
No.233 | 5点 | The500- マシュー・クワーク | 2022/04/18 20:10 |
---|---|---|---|
犯罪社会アメリカの現在を、さもありなんと描出する。ミステリといえるかは疑問だが。 |
No.232 | 8点 | 俳優パズル- パトリック・クェンティン | 2022/04/18 20:09 |
---|---|---|---|
事件の解決、公演の成功、結婚が一つになっており、謎解きに必然性と緊迫感があった。 |
No.231 | 6点 | 依頼人- ジョン・グリシャム | 2022/03/29 14:47 |
---|---|---|---|
十一歳の少年と五十二歳の女性弁護士とのコンビが絶妙。女と子供とてFBIの追及をかわし、マフィアから逃れられるのか。
サスペンス・ドラマとしても良く出来た設定で、ストーリーテラー、作者の筆が冴え渡る。 |
No.230 | 6点 | 誕生日パーティー- ユーディト・W・タシュラー | 2022/03/29 14:43 |
---|---|---|---|
慟哭するしかない凄まじい戦禍の物語であり、同時に胸をえぐる罪の赦しの物語でもある。
カンボジアでの残虐極まりない二つの家族の崩壊と、オーストリアでの数十年におよぶ温かな家族と波乱に満ちた恋愛の歴史が烈しく胸を打つ。意外な事実を連打して衝撃を与える幕切れも忘れられない。 |
No.229 | 7点 | クージョ- スティーヴン・キング | 2022/03/29 14:40 |
---|---|---|---|
珍しく現実の恐怖を描かれるが、登場人物の一人一人の心理と行動がじわじわと破局を招き寄せる怖さはやはり並ではない。
狂犬に閉じ込められるという状況だけで長編が書けてしまう筆力に敬服。 |
No.228 | 7点 | 高く危険な道- ジョン・クリアリー | 2022/03/29 14:37 |
---|---|---|---|
ヨーロッパ、中東、東南アジアと立ち寄る先々で天災、人災に遭う。実にさまざまな事件が待ち構えているのをオムニバス風に描いて飽きさせない。 |
No.227 | 5点 | 殺したくないのに- バリ・ウッド | 2022/03/29 14:36 |
---|---|---|---|
孤独な超能力者の女性と、その罪を立証しようとする敏腕刑事との息詰まる闘いをサスペンスたっぷりに描いている。
次第にモンスターとして生まれたヒロインの悲哀に心打たれるうちに衝撃のラストへ。 |
No.226 | 5点 | 珈琲相場師- デイヴィッド・リス | 2022/03/10 20:13 |
---|---|---|---|
近代ビジネスの発祥地ともいわれる当時のアムステルダム、その金融と相場の世界を舞台に騙し合いと情報戦の面白さが、縦横に駆け巡る。垣間見える「紙の迷宮」との繋がりが、壮大なサーガを予感させる。 |