皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
mediocrityさん |
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平均点: 6.23点 | 書評数: 286件 |
No.7 | 7点 | 密室の如き籠るもの- 三津田信三 | 2021/06/30 05:54 |
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<少しネタバレあり>
1作目がイマイチだったので、短編はこのシリーズ向きではないのかと危惧しましたが、2、3作目は普段とは変わった趣向で良かったですね。 ただ、やはり一番良かったのは実質長編に近いページ数の表題作でした。色々こねくり回して、わかってみれば意外なほどシンプルな真実で驚きました。 |
No.6 | 7点 | 四隅の魔- 三津田信三 | 2021/01/30 07:11 |
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1作目は主人公の「死相が見える」という特殊能力がかなり前面に出ていて、ミステリ要素は少なめだった。今作は、その比率が逆転した感じで、1作目よりも明らかに良かった。
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No.5 | 8点 | 山魔の如き嗤うもの- 三津田信三 | 2021/01/08 00:04 |
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良くも悪くも出来すぎていると感じた。圧巻のストーリー展開だが、あまりにもうまく物事が運びすぎる。想定外の出来事が起こっても、とっさの機転をきかせて、計画段階以上にうまくいったとか。
あと、この時期の作品にやたら多いが、最後のどんでん返しがくどすぎる。自分の一番嫌いな「途中の解決の方が良かった」パターンではなかったのでまあ許容できるが。 もう1つ。前書きのとある部分、自分はあの人も含まれていると解釈していたので最後?となった。 |
No.4 | 8点 | 凶鳥の如き忌むもの - 三津田信三 | 2020/08/18 00:45 |
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文庫本の番号が「み58-9」なので、読むまで刀城シリーズ2作目だと知らなかった。1作目と3作目を既に読んでいるので飛ばしていたことになる。荘重かつページ数もあるので、読み始めるのに心の準備が必要なシリーズ。
今回は島が舞台である。紆余曲折の末に驚愕の解決にたどりついたが、正答が最も納得のいく推理であったのはポイントが高い。 メイントリックは可能性の一つとしては想像していたので、むしろ周辺の細々とした事柄の置き方に技巧を感じた。2番目に可能性の高そうな推理ではダメな理由が、はっきりと示されているのがすばらしい。このあたりが適当で、ドンデン返し前の推理の方が良くない?という感想を抱く作品は非常に多い。 一つ注文をつけると、建物の立体図が欲しかった。渡り廊下を登りきるまではわかるが、その先の一番重要な場所がわかりにくい。綾辻作品の異様な建築でさえ平面図でほぼ全体がイメージできるのだが、本作は最後まで頭の中で「絵」が定まらなかった。 |
No.3 | 9点 | 厭魅の如き憑くもの - 三津田信三 | 2019/10/25 00:44 |
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刀城言耶シリーズの第1作目。
最初数ページは取っつきにくかったですが、その後は思ったよりも読みやすく、個人的には冗長さを感じることもなく楽しめました。横溝作品と同じく、推理部分だけでなく、小説としても非常に面白い。満足です。 ミステリとしては『首無の如き祟るもの』の方が上でしょう。あちらは、読んでいる途中何度も茫然としましたから。本作はかなりの部分の謎解きは想定内でした。ただ、全体としての仕掛けは驚きでした。もう1回読まなきゃ。 ところで、以前読んで自分は2点を付けた『隻眼の少女』ですが、今思い返すと、この作品の劣化版しか思えない。 |
No.2 | 6点 | 十三の呪- 三津田信三 | 2019/03/31 01:03 |
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死相学探偵シリーズ第一弾。
主人公の祖母は大霊能者。主人公は隔世遺伝で「人間の死の影」がはっきりと見える。その点のみ祖母の能力を上回ってるが、本当にそれだけであり、呪いをかけたり解いたりする霊能者の能力はない。 そんな主人公が探偵事務所を開いて、これが最初の事件。 感想箇条書きで ・ホラー文庫だが大して怖くない。首無の方がよほど恐怖だった。 ・主人公が無愛想過ぎる。謎解き前あたりからマシになるけど。 ・主人公の能力が非常に限られているので、人がどんどん死んでもほとんど何もできない。 ・最初から霊能者のばあさんを呼べばよかったんじゃと思ってしまう。 ・イケメンホスト風の表紙を見て、軽い小説だと思ってジャケ買いした人には内容が重すぎるだろう。冒頭、無愛想どころか怖い人だし。 ・推理小説要素は少なめ。犯人当てのみそれっぽい。 ・結論。どういう読者層を狙っているのかいまいちわからなかった。まあ別に面白くないことはないんですが。 |
No.1 | 10点 | 首無の如き祟るもの- 三津田信三 | 2019/03/30 03:03 |
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面白かったです。サイト内国内作品現状トップにふさわしい傑作だと思いました。
過去の書評を見ると「横溝正史より軽い」とか「読みやすかった」とか「3時間でさらっと読んだ」とか書かれてる方がおられますが、私には非常に重々しい作品に感じられました。『黒死館殺人事件』以外では最もスローペースで読み進んだと思います。10時間くらいはかかったのではないでしょうか。特に謎解きは少々複雑なので、止まって整理したり、時には戻って確認しながら、存分に味わって楽しみました。 このシリーズを初めて読むからか、刀城言耶という探偵に魅力はそれほど感じられなかったのですが(まあ今作は最後がああいう形だから当然かもしれませんが)、探偵より魅力的な登場人物が5人も6人もいる作品は初めてなので新鮮でした。 |