皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ねここねこ男爵さん |
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平均点: 5.65点 | 書評数: 172件 |
No.7 | 3点 | すべてがFになる- 森博嗣 | 2017/11/05 01:37 |
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タイトルだけ読めばオッケーな作品。
本作の『天才』は『全米が泣いた』くらいの意味です。タイトルと文章の雰囲気で「これはとてもすごい作品なんだ!」と読者に誤認させるのが本作最大のトリック。 この作者は雰囲気作りやセリフ回しで斬新先進的革新的という空気を作るだけで、ミステリとしてはお粗末だったりパクりだったり。「この程度で読者はありがたがって金を出すだろw」というのがミエミエ。他サイトの書評で「森博嗣はミステリをナメている」というのがあったが、それを象徴する作品。 以下ネタバレと批判。 ①トロイの木馬を仕掛けた 初読時「これって作った本人がやったんじゃないの?天才はそんなミエミエなことしないか……ってそのまんまか!」普通真っ先に疑います。スタッフ無能すぎ。しかも解決編の探偵のセリフによるとログが残っているそうで、調べられたら一発アウトじゃないのか。 ②共犯者が普通にいた 真の天才は共犯者の方で、空気読んで都合よく立ち回ってくれる。すごすぎ。デスノの魅上に見習ってほしい。 ③見つからないような動き あのなぁ。完璧な計画ちゃうんか。 ④実は娘がいて教育に失敗 ご飯半分こだとお腹すかない? ⑤完璧な計画なのに部外者とか計算違いで不都合が生じる 天才wwww ⑥唯一まともなスタッフにバレそうになる 天才… ⑦んでバレないうちに殺す …天才? トリックも手垢がついたものが多く、単に道具を新しくしただけ。中に複数いるのはすぐ察しがつくし、クドいほど天才天才連呼するので誤解しがちだがやってることはかなり見切り発車で失敗もしてる。 とにかく厨二臭漂う作品で、そういう人にはドストライク…なので、冷静に読むべきかと。 |
No.6 | 3点 | 封印再度- 森博嗣 | 2017/10/19 00:53 |
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この作者の本を本格/新本格にカテゴライズするのまずくないですかね?
完全にミステリ風ラノベ(ラノベを貶してるんじゃないです)。キャラ萌えな方以外は読むとストレス。 困ったときの自然現象と目撃者は子供で解けない謎の出来上がりです。この作者の悪癖である『トリックの強引さを誤魔化すため伏線と称して作中延々と言い訳をする』がまたも炸裂します。あと有名古典からパクりすぎです。 最後のクライマックスというかページ稼ぎのためでしょうが、記憶喪失が都合良すぎます。交通事故の真相はすぐに見当がつくのでそれ以外に記憶を無くさせる意味がないです。 あと、この作者の本には必ず「UNIXにtelnetでログインしメールを読む」という描写が入るのですが、それ以外に何にもしない。メールも本筋にほぼ関係ない。つまり単に言いたいだけ。作者はおっさんですから、「ボクねアイホーンにしてアプリいれたの見てみてアプリアプリ」と嬉しそうに言ってウザがられるタイプなんでしょう。 関係ないですが、2、3点つけてる方が結構いるのになんで平均高いんだろ?と思ったら高得点者でレビューがこれ一冊のみって方がちょこちょこいらっしゃるのがちと気になります。 |
No.5 | 3点 | 詩的私的ジャック- 森博嗣 | 2017/10/17 22:13 |
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読むのが苦痛レベル。
名声があればあっちこっちから切り貼りすれば売れるってわけじゃねぇ。 この作者のタイトルはいちいち臭いが、本作は特にそれ言いたかっただけやろって。 |
No.4 | 5点 | 今はもうない- 森博嗣 | 2017/10/15 14:14 |
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ファンブックですね。メインの仕掛けが生む効果とその対象から。
この作者に対する個人的な評価は他作品のレビューに書かせていただいた通り決して高くなかったのですが、それが過小評価であることに今気づきました。 この人は恐ろしく商売上手なんですね。それが分からなかった。 |
No.3 | 6点 | 幻惑の死と使途- 森博嗣 | 2017/09/28 23:00 |
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この作者一番のおすすめ。
魅力的な謎の設定、シンプルかつ効果的なトリック、最後の視点の転換によるカタルシスなど、この人らしくない。他作品だと目立つ登場人物のナルシス臭もありません。 |
No.2 | 3点 | 笑わない数学者- 森博嗣 | 2017/09/28 22:52 |
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ある程度推理小説を読み慣れた人なら、本文の前の見取り図を見た瞬間にトリックが分かる。
だからレベルが低いということではない。この作者は、文章やキャラ設定、台詞回しなどで斬新先進的革新的という雰囲気を出すのは上手いが、肝心の中身は古典推理小説の焼き直しに過ぎないものがほとんど。 探偵役(=作者)の「だって僕天才だもん」のナルシス臭もキツい。最後の一対一とかほんとキツい。「不定だ」「不定だ」布団で顔隠して足ジタバタしたくなるほどキツい。 なんつーか、『この本に込められた本当の狙いに、当然気づきますよね?』『ボクの本を理解できるのは頭のいい人だけです』として信者を作り出そうとしてるようにしか見えない。 登場人物も金持ちやエリートばっかりで、それに一目置かれる探偵=作者という展開がとても多い。なんかコンプレックスでもあるんだろうか。 とにかく思わせぶりなだけで中身がちょっと…。 |
No.1 | 3点 | 有限と微小のパン- 森博嗣 | 2017/09/21 13:06 |
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ネットが未発達な時代に、海外で流行った楽曲や曲ネタをそのまま日本でやって大プロデューサーになった人がいた。本人は売れだしたとき「コイツらこんなんでいいのか…」と思ったそうな。この作者から同じ臭気を感じる。創作活動はバイトみたいなもんらしいし。
さて書評。 『賛否が分かれる』ということですが、これは…古典の焼き直し(つーかパクリ)では?これが許されるのは一番最初に書いた人だけだと思います。 探偵役は作中の天才wと過去に会っているのになんで気づかねぇの?(これ説明が見当たらない)ってのと、ヒロインがいちいち気絶しすぎで周りも止めろよって。 作者は特徴的なタイトル群や作中の雰囲気でなんとなく先鋭的独創的なイメージを持たせていますが、実はトリックなど推理部分は手あかのついたもの(古い=悪い、ということではない)で、解決も『天才である探偵役が思いついたからそれが真実だ』というものばかり。 悪意のある表現をするなら、『過去の名作を焼き直してストーリーテリングや登場人物の雰囲気作りで面白いように勘違いさせるのが上手』ということになるでしょうか。 あと本作に限らないこの作者の悪癖として、『作中で使われるトリック等の不自然さ無理矢理さをフォローするために作中で延々とその言い訳をする』というのがあります。言い換えると、この作者の著作物で世の中や人間心理の曖昧さが繰り返し述べられているのが目についたらトリックのエクスキューズ(と言うかネタバレ)です。そんなことをするということは作者本人も無理矢理さに気づいているわけで、それならこんなもん書くなよと言いたい(編集者が無理やりねじ込んでるのか?)。 もちろんそれで売れる作品を数多く世に出しているのですから素晴らしく力量のある作家ということになりますねぇ。さすがメフィスト賞を象徴する作家。 |