皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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風桜青紫さん |
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平均点: 5.62点 | 書評数: 290件 |
No.8 | 5点 | 徳利長屋の怪- はやみねかおる | 2016/01/26 20:55 |
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「うおー!」と雄叫びが上がるしょうもない格闘シーンに笑う。あとがきで作者がそれを謝っていてさらに爆笑する。手作りの暖かみに関していえば、はやみねかおるは清涼院流水とつながるものがあるな……。とはいえ、内容は流水よりもしっかりしている。城消失に関しては有名なマジックが元ネタだろうが、ここまで大袈裟にできるのもファンシーな江戸時代という設定があってこそ。なかなか盛り上がるラストでした。 |
No.7 | 5点 | ギヤマン壺の謎- はやみねかおる | 2016/01/26 20:42 |
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外伝ということであまり期待していなかったが、読んでるみるとなかなか面白かった。ミステリ短編集としてはむしろ本編より充実していたかも。「大入道事件」みたいな話はこういう舞台設定じゃなきゃできないし。なかでも気に入ったのは「六地蔵事件」。妙に大仕掛けなトリックもいいんだが、清志郎ザエモンと梅太郎の放浪生活がなかなかいいのよ。それにしても新撰組をかませ犬にするのはいただけない。この時代の戦争っていうのは、はやみね的な小学校道徳感で批判していいものじゃないでしょう。平和がいちばん!という考えがここではやや押し付けがましくなっている感じがする。児童も読む本だからこそ、このような点は気をつけて書いてほしかった。 |
No.6 | 5点 | 機巧館のかぞえ唄- はやみねかおる | 2016/01/25 22:34 |
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亜衣たんが死んだwwwwwwwww
なんで児童向け小説で『匣の中の失楽』なのかと思うが、まあ、きっとやってみたかったのだろう。作者が趣味で書いたような色合いが強く、アイデアはそれなりに充実している。パーツを抜き出してみればこれまでのどのはやみね作品よりもブラック。なんだその殺しかた。第Ⅰ部の「怪談」もなかなか不気味でいい。子どものころに読んだらたぶん怖かっただろう。第Ⅲ部の「さよなら天使」はタイトルの元ネタの作品の発表時期をのぞいて、本編とあまり関係がないけども、まあ、教授が普通に熱いハートを見せてくれました。 |
No.5 | 4点 | 踊る夜光怪人- はやみねかおる | 2016/01/25 22:21 |
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『キガチガウガ、シカタガナイ』に笑わせてもらった。レーチの一人称といい、田村正和の口調といい、どうも作者が作品を書くのが楽しくて仕方がないという感じが伝わってくる。しかしまあ、内容はめんどくさい暗号もので、暗号解読も例に漏れず地道なものだからカタルシスは得られず。これまでのキャラクターの総出演がなんだか楽しいので、読み物としてはそこまで悪くなかった。 |
No.4 | 6点 | 魔女の隠れ里- はやみねかおる | 2016/01/25 21:18 |
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充実したアイデアのトリックと犯人の意外性、真相のインパクト、はやみねかおるの作品でも出色だろう。犯人当て自体は難しくないのだが、はやみねかおるがこんな結末を用意してくるのかと肝を冷やした。元ネタであろう某大御所作家のデビュー作よりずっとショッキングであったから、ギャップの大きさとはなんと効果的なのだと思わされた。マネキン人形wwww。 |
No.3 | 4点 | 消える総生島- はやみねかおる | 2016/01/25 21:12 |
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はやみねが好きそうなトリックだが、荒唐無稽さを「不思議な機械」で終わらせてしまうのはよろしくない。『笑わない数学者』などでも思ったことだが、建築物消失ものは、トリックの例が少ないために、検討をつけやすい。『嵯峨家の消失』ぐらい凝った作りでなければ、個人的には評価できかねるのである。教授のキャラクター性でそこそこ読めるので、読み物としては悪くないけど。 |
No.2 | 5点 | 亡霊は夜歩く- はやみねかおる | 2016/01/25 21:08 |
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学園ものの児童小説としてはなかなか良くできている。三姉妹たちの学校生活、なかなか楽しそうである。ミステリクラブの知り合いにこの作品がトラウマだったという人物がいて笑った。突っ込みどころ満載なエピソードだが、児童には結構ショッキングかもしれない。大仕掛けの機械トリックに関心するものの、あまり釈然とはしなかった。やりすぎやねん。 |
No.1 | 6点 | そして五人がいなくなる- はやみねかおる | 2016/01/25 21:03 |
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大仕掛けではあるもののトリックも動機も比較的わかりやすく、ミステリ的なカタルシスを得るためにはやや弱い。しかしまあ、童心に帰って、謎の演出にワクワクするという点ではよくできた作品。このような作品がミステリの入口だった読者は幸運だといえるでしょう(流水とかは不運)。教授、ステキです。 |