皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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初老人さん |
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平均点: 6.80点 | 書評数: 130件 |
No.8 | 7点 | 燔祭の丘- 篠田真由美 | 2016/11/13 14:41 |
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建築探偵シリーズ、堂々の完結である。
最初に「美貌の帳」の表紙に惹かれて手に取り、そこから「未明の家」に遡り順々に読んで来た者にとっては、ある種の感慨を覚えずにはいられない。 主要キャラクターの疑似家族めいた生活の営みが作者の願望を反映したに等しい、現実的に考えてあり得ないと思いつつ読んでしまったのは、ひとえに文章が上手かったからである。 犯人を置き手紙一つで退場させるのも、中々気が利いている。 各々が絵に書いたような、しかし今後に期待を持たせるラストを迎えるのも想定通りで気持ちがいい。 そして最終ページで蒼が自分に纏わる様々なものを脱ぎ捨てて京介のもとに駆け寄るイメージに、不覚にも目頭が熱くなった。 とりあえず篠田先生には、素晴らしい物語の数々を有り難うございます、お疲れ様でしたと伝えたい。 |
No.7 | 5点 | 月蝕の窓- 篠田真由美 | 2016/01/29 10:38 |
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桜井京介にとってのモリアーティの初登場巻。
彼はその後も再三に渡って暗躍し、その都度シリーズに深い爪痕を残していく事となる。 しかしながら分からないのが彼を駆り立てる行動原理だ。どうやらシリーズ最終巻でも登場する事は確実の様なので、そのあたりの説明としっかりとした決着を切に望む次第である。 |
No.6 | 4点 | 黒影の館- 篠田真由美 | 2015/10/26 01:58 |
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うーん…何だろうこのマンガのような現実感の無さは。トリックとかプロット以前の問題。雰囲気だけは楽しめたので一点加点しておく。しかしこの分だと来るべき最終巻の文庫化に過度に期待するのはやめておこう。 |
No.5 | 6点 | 胡蝶の鏡- 篠田真由美 | 2015/02/27 09:34 |
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本書はシリーズ第三部開幕を告げると同時に、海外出張篇でもある。桜井京介がベトナム・ハノイで起きた二つの事件に挑む。
現在の事件で使用されたトリックはちょっと無理筋かなぁ…という印象。それでもレ家の長老、その孫で医師のレ・ホン・ロンなどちゃんとバックボーンのあるキャラクターをそろえており、一篇の小説として楽しめるし、ちょっとした海外旅行気分を味わうことも出来る大変お得な作品と言える。 |
No.4 | 6点 | 美貌の帳- 篠田真由美 | 2014/12/18 23:25 |
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道具立ては揃っている。揃ってはいるのだが、肝心のトリックの中身が余りにも…といった所。
しかしながら建築探偵シリーズの中では比較的出来がいい方だと思われるので、もしこのシリーズを味見したい、と思っている方がいらっしゃれば、この作品から入って見るのもアリかと考えます。 |
No.3 | 7点 | 一角獣の繭- 篠田真由美 | 2014/09/28 00:28 |
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時系列としては、宗教団体による集団自殺事件(聖女の塔)の直後にあたる。前作で心に傷を負った蒼は門野の勧めで長野の鏡平の会員制リゾートに静養に赴くのだが、そこで放火惨殺事件の生き残りの少女と宿命的に出逢い、惹かれてゆく。そんな中閉ざされたリゾートで殺人事件が起きる。被害者は少女の母親で、青銅製のユニコーンの角に眼を貫かれ事切れていた。
二年前に起きた未解決の放火殺人と、現在の殺人事件が複雑に絡み合い、今作は考える事が多いです。そして何よりも蒼の初恋は成就するのか。この辺りも読みどころの一つと言っていいでしょう。 そして全てが終わった後訪れる衝撃的な展開。桜井京介はどこへ向かおうとしているのか…シリーズのラストに向けて全てが動き出したという印象を受けました。 |
No.2 | 4点 | 聖女の塔- 篠田真由美 | 2014/04/22 09:14 |
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これは何と言うか…ミステリとしては明後日の方向に向かっていると言わざるを得ない。過去作からの登場人物が多く再登場し、しかもかなり重要な役割を担っているので、初めての人であれば戸惑いを覚える事は間違いない。そしてラスト近くでの甘ったるい会話の応酬…読んでいて馬鹿らしくなった。さらに最後の黒幕の登場の仕方が金田一少年の高遠のそれとそっくり。 |
No.1 | 5点 | 失楽の街- 篠田真由美 | 2014/04/17 22:13 |
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巨大都市-東京を舞台に起きた連続爆破事件に、建築探偵桜井京介が挑む、といった内容のシリーズ第2部完結巻。 何か初期のシリーズに見られた、特殊な建築物を事件に絡めて展開させていく、といった趣向からどんどんかけ離れたものになっている気が(本作でも一応朋潤会アパートが登場するが)…一連の事件の背後に潜む黒幕の正体も、まぁ想像通りだった。あと相変わらず探偵の腰が重いのが気に入らない。 |