皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
バードさん |
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平均点: 6.14点 | 書評数: 324件 |
No.8 | 8点 | 災厄の町- エラリイ・クイーン | 2022/01/31 21:10 |
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(軽くネタバレあり)
事件の顛末はほぼ予想通りだった。ジムが犯人でないのなら論理的に真犯人はあの人しかありえないので。また、真犯人の見当さえつけば、Why?の部分もある程度推理できる。本作は自分的にはちょうど良い難易度だったが、高難易度な謎を所望する読者には物足りないかもしれない。 ただ犯人当てだけでなく、ライツヴィルの人々のキャラクター性も本作の見所と思う。クイーンの作品にしては登場人物達が全体的に人間臭く、ストーリーを装飾している。 ちなみに悲劇のヒロイン臭が鼻についたためノーラさんはあまり好きでなかった。最後まで読むとその理由も明らかなのだが。一方パットは探偵の助手としては落第だが良いキャラだったね。裁判中にやりたい放題なのは笑った。 |
No.7 | 5点 | ローマ帽子の秘密- エラリイ・クイーン | 2020/08/19 07:22 |
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本作って挑戦状までの記述だけじゃ、犯人を一意に決められないと思うのだが。
劇場内の全員という、非常に多い容疑者の中から犯人を一人に絞る切れ味抜群の論理を期待していただけに、挑戦状以降を読んだときは少しイラっとした。帽子を持ち出したタイミングや方法を特定する論理は上手いのだが、フーダニットの観点でケチがついた一冊。 点数は、「ストーリー(6)」+「帽子に関する論理(1)」+「挑戦状前の情報不足(-2)」です。 (以下ネタバレあり) ・犯人当ての推理で、(読者視点だと)色々と決めつけすぎ。以下ような別解を論理で捌ききれていない。 別解1 (帽子をかぶらずに劇場にきた紳士Aが犯人) そういう紳士が犯人なら堂々とフィールドの帽子をかぶって劇場の外に出られる。作中ではこの説は 「ここまでよく計画を練った男なら、不必要に顔を見覚えられる危険をおかすことはまずないだろう、というのが我々の結論だった。」 というセリフによって棄却されるが、これは根拠の無いただの決めつけな気が。 別解2 (他の役者が犯人) 役者たちの中で正装だったのが”バリーだけ”というのが挑戦状の前に書いてない(私が見逃しているだけならば、指摘していただきたいです。2011年08月出版の東京創元社を読みました。)ので、当然他の役者も疑える。女性陣も例外でない。男の共犯者がいれば女でも殺人犯たりうるということは、作中でも言及されている。 まあ別解1はイチャモンみたいなものだが、2の方は結構問題じゃないか?「帽子を自然に劇場内に残せるのは役者達だけ」と考え付いても、それ以上殺人犯を絞れないじゃないか。 ちなみにジェスが犯人という別解も、一応作れた(イチャモンレベルと思うが)。 |
No.6 | 7点 | Zの悲劇- エラリイ・クイーン | 2019/09/22 14:25 |
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(再読シリーズ7)
ドルリー・レーンシリーズも折り返しの本書、出来や面白さは別に自分にとって思い入れのある一冊です。(そういえば書評を書いていなかったのに気が付いたので、今回読み直し書くことに。) というのも、実は解決編の手前まで読んで少し考えて放置、内容を忘れたのでまた最初から読む、というのを何度かやってしまった。(まるで電車で寝過ごして、戻るもまた寝過ごして目的の駅を通り過ぎるという感じ。) おかげで図らずとも問題編の内容をほとんど覚えることになった。これだけ時間をかけたのだからなんとか犯人当ててやる、と後半は意地にもなり、おかげで犯人当ては無事成功しました。しかし、作中の論理でまずいだろうと思う点があるので、下でつっこませていただく。 ・本書の論理の穴 私が当てられたように読者が「登場人物」の中から犯人を当てるのに必要なヒントは十分提示されていると思う、そこは流石のクイーンというところ。 しかし、クイーン作品だからあえて厳しめに評価するが、私は本書のロジックには穴があると思う。 解決編によると真犯人は監獄の関係者で夜勤担当でない、また水曜日に殺人ができない理由があったという。これについては穴などない。ただし水曜日に殺人ができない理由をスカルチの死刑があったからと決めつけるのは強引じゃなかろうか? もちろん普通に本書を読めば水曜の死刑に立ち会ったのだろうと推測できる。しかし犯人はスカルチの死刑とは無関係な用事で殺人を行えなかった可能性を本書では否定していない(と思う)。 私は登場人物紹介の中以外に犯人がいるはずないというメタ要素から、容疑者をマグナスに絞れた。しかし登場人物紹介を見られない作中のキャラクターは他の監獄関係者も網羅的に調べ、そのうえで水曜日に殺人ができない理由はスカルチの死刑があったためだ、と論理的に導かないといけないと思う。 |
No.5 | 9点 | フランス白粉の秘密- エラリイ・クイーン | 2018/12/16 16:38 |
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非常に秀作だなあと思う。
論理的に犯人を一意に特定できるという点で良くできている。トリックでなくロジックに重きを置く人にぜひ勧めたい一冊だ。 この内容なら犯人当てたかったなぁ。少しつめが甘かった。 話はエラリーが手がかりを集めて最後に犯人を名指しするというオーソドックスなもの。この犯人だが、その正体は賛否両論である。賛については意外性があるという点だ。論理的に犯人を絞る話ではどうしても意外性が無くなりがちだが、それを軽減させている。否については、非常に個人的なものなのであるが、このてのキャラが犯人というのは私の嫌いな共犯ものに似たずるさを感じる点である。 最後に反省点であるが、いつでもどこでも携帯電話で連絡がとれる今の時代の感覚で読んでしまったのは正しい推理をする上で良くなかったわね。 |
No.4 | 10点 | Yの悲劇- エラリイ・クイーン | 2014/03/04 00:45 |
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おそらく自分のなかでこれを超えるものは出てこないかと。これ以上書くことはない。 |
No.3 | 8点 | Xの悲劇- エラリイ・クイーン | 2014/02/17 20:23 |
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素晴らしいの一言、本当は10点つけたいけどYの悲劇をはじめクイーンの作品にはこれより上がまだあるので差別化をはかる意味でもこの点数。
ぶっちゃけクイーンは自分の中ではナンバー1! |
No.2 | 6点 | アメリカ銃の秘密- エラリイ・クイーン | 2013/09/17 21:34 |
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話の展開としては分かりやすく難読な点は少なかったと思う。しかしマラ・ゲイやトミー・ブラックあたりの人物が持て余されてる感じもありやや不要な展開も多いように思える。
国名シリーズ最大の見どころであるクイーンの論理的な推理についてはキレキレで特に銃の角度による犯人の絞り込みと犯人が同時に二兆の拳銃を扱った事実が犯人=バック・ホーンの説を強めているというのが面白かった。 ただ今回の事件の肝である死体がホーンではないということは流石に警察が介入してることを考えれば無理があるトリックにしか思えない、このようにメインの仕掛けに不満があるので個人的に高得点は与えられない。 これは余談だがミラー=ホーンは分からなかったがミラー=犯人と銃の隠し方法は読者への挑戦の前で当てられたので引き分けくらいかな? |
No.1 | 8点 | シャム双子の秘密- エラリイ・クイーン | 2013/09/07 07:58 |
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順番をがん無視して初の国名シリーズとして読んだ、個人的にはX,Y,Zに勝るとも劣らないロジックでクイーン凄いと思わせられた。特に死後硬直からダイイングメッセージの真偽を暴く理論は素晴らしく伏線とロジックは今の作家達が手本にしたがるのもうなずける。
火事のおかげで物語りに緊張感があったのも良かった。個人的に残念な点は中盤までは結構退屈な展開だったのと犯人の決め手となる指輪の盗難癖は唐突なうえに事件と独立してしまっていた2点、その2点分をマイナスさせてもらった。 |