皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
take5さん |
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平均点: 6.55点 | 書評数: 309件 |
No.8 | 7点 | 死者が飲む水- 島田荘司 | 2024/01/08 21:09 |
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この作品で江戸川乱歩賞三度目のノミネート
しかし無冠の帝王、受賞ならず、、、 南雲堂文庫353ページにある 「適度の怠惰と、そして保身のための計算とで、 日常の正義は、そして平和は、守られている。」 牛越刑事のこの台詞は、 自嘲や犯人へのリスペクトを感じるもので わざと言わせる島荘らしさ。 私にはここがクライマックスです。 時刻表トリックの第二弾の方は、 、、、ちょっとやり過ぎでした。 しかし事件の背景は 島荘らしい社会派で 私には好ましかったです。 飢餓海峡じゃないですが 青函連絡船の転覆事件が 伏線となっているのも感慨深いです。 |
No.7 | 5点 | 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 | 2015/01/25 08:57 |
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走っている列車にもう一度追いつく→→→初級
追いつけるけれども追いつかないで別の真相で追いついたように見せる→→→中級 追いついたように見せる事の裏でもっと大きな事が起きている→→→上級 中級以上、上級未満、後の社会派の香りははっきりいってちらっとしか感じず、しかもトリックの理由付けのために入れたような感想です。 タイトルも作者のしばりでしょうか?必然性が私には全く感じられませんでした。 |
No.6 | 6点 | 異邦の騎士- 島田荘司 | 2015/01/24 04:59 |
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「スラムダンクの1.2巻を読んでいるようだった。」
分かります?分かりませんよね…ここで漫画をもって喩えるのは間違っているのかもしれませんが、まあお許しください。 ミステリーとして不完全で、青春小説としても不完全で、でも作者の人物や小道具に対する愛情にあふれていて、後の大作良作はこういうものを経ているのだと思い、評価が甘くなる作品という事です。 |
No.5 | 7点 | 涙流れるままに- 島田荘司 | 2015/01/10 12:42 |
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吉敷竹史シリーズ集大成、上下巻全1000ページ、
読破はし易いと思います。きっと登場人物や出来事が前作の復習だったり伏線の回収だったりするので。 社会派としては冤罪がテーマです。失礼な表現ですがまあまあよく書けていると思います。 推理小説としてはページの割に密度が薄い(千頁じゃあしょうがない!)です。 最後、吉敷にも警察機構にも救いを書いたのは、島田荘司さんからのエールなのだ、そして読者へのエールでもあるのだと思いました。 シリーズには思い入れの点数が入るものです。 |
No.4 | 7点 | 飛鳥のガラスの靴- 島田荘司 | 2015/01/06 12:53 |
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一連のシリーズを連続的に読んでこその作品です。
社会派な感じが私には好ましいです。 作中の天恵のきっかけなど突っ込みを入れたくなる所はありますが、そこは目をつぶってしまおうと思えるのが、ひとえに好みというものなのでしょう。 |
No.3 | 7点 | 羽衣伝説の記憶- 島田荘司 | 2015/01/05 11:33 |
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ハードカバーの方で読みました。文庫は巻末に「加納通子という女」は収録されているのでしょうか?それによって評価がかなりかわるので。
本編だけで評価すると、かなり軽いミステリーですが、やはり筆者本人による「加納通子という女」の解説があると大変わかりやすい、そして深みも出るという感じがします。 北の夕鶴では読みとれなかった通子の事が、ようやくわかって来て嬉しい反面、ちょっと後付け感も残るのが残念。しかし本人の解説はこの作品に関しては必須という考えは変わりません。 |
No.2 | 5点 | 北の夕鶴2/3の殺人- 島田荘司 | 2015/01/04 18:20 |
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五点は「まあ楽しめた」ですが、本当にまあ楽しめたぐらいでちょっと残念。
トリックが凄すぎてバカミスっていうのが嫌なのではありません。激しすぎて潔くて文句も出ないです。 只、通子さんの心情や生い立ちがあまりにも弱い、書けていないと思ってしまいました。もっと辛い過去を想像してしまいました。これでは男の人が書いた都合のいい女性像の域を出ません… 因みに、時間に追われる系の作品は、ドラマも小説も残り時間やページから、ドキドキするか強引さを感じてしまうかで良し悪しが分かれる所ですが、本作品は強引さの方を感じてしまいました。 |
No.1 | 9点 | 奇想、天を動かす- 島田荘司 | 2013/10/27 07:50 |
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久しぶりに自分の内省や血肉になる作品でした。
*文庫めくってすぐ北海道路線図、鉄道ミステリー?やや不安…↓ *城東の京成沿線描写に親近感、↑ *前半で社会派の正統派、気概を感じ↑ *地道な捜査は鮎川氏作品がよぎりました *最後は清張氏に並ぶ名作と感じました 日本人的気質インシュラリズムは、例えば戦争の問題に対して、議論の余地があるとか歴史的見解に相違があるとか言って逃げる人たちがまず見つめなくてはいけない視点ではないでしょうか。 自分事とするために冒頭に内省と書きました。 |