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虫暮部さん
平均点: 6.22点 書評数: 1823件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.23 7点 死ねばいいのに- 京極夏彦 2011/03/07 09:39
 なんかとても気持ち悪くてよかった。

No.22 6点 月と蟹- 道尾秀介 2011/03/07 09:37
 ミステリを、少なくともミステリ的な仕掛けのあるものを期待していたので、肩透かしを食らってしまった。
 初期作品には感じられたのにだんだん薄まってきていた悪意のようなものが、今作では割と復活している点は良かった。
 しかし、直木賞のせいで今後こっち方向に進んでしまうなら、私にとって重要な作家ではなくなると思う。

No.21 6点 閉ざされて- 篠田真由美 2011/02/09 05:59
 叙述トリックは前半で見当が付いてしまった。それが最後まで引っ張られていたので少々イライラしてしまった。今となってはかなりありきたりな手法だし、このネタは早めに明かした方が寧ろ良かったのではないか。文章の巧みさと登場人物たちの錯綜した思惑、そして澪についての謎、で充分に作品として成立したと思うのだが。
 ただ、DNA鑑定をしたわけでもないのにラストで緑がああいう行動に出るのは腑に落ちない。
 あと、パソコンは「都合の悪いファイルを消し」ても機械そのものを物理的に壊さない限り復元できてしまうのでは。

No.20 9点 折れた竜骨- 米澤穂信 2011/02/03 10:29
「無自覚な×××=犯人」というのは岡嶋二人にもあったが(あと『喰いタン』にもあったような……)、それとは別のルートでこの大技をアリにしていて面白い。
 身分制度の(やや)上位者を一人称の語り手にして、しかも特権意識やいわゆる上から目線を嫌味に感じさせず描写しているところは、北村薫の「ベッキーさんシリーズ」を思わせた。
 しかしなにより、ライト系作品では隠れがちな米澤穂信の名文家としての資質が全開になっているところが良かった。

No.19 6点 真夜中のタランテラ- 麻見和史 2011/01/29 11:19
 誠実な筆致が上手くリーダビリティに結び付いていると思う。義肢というネタによるふくらみも感じる。しかしミステリとしては手堅く、驚きには欠ける。好感は持てたが、そこからもう一歩抜きん出るとまでは行かなかった。

No.18 9点 見えない精霊- 林泰広 2011/01/22 10:08
 御見事。
 難を言えば、殺人四件をまとめて説明しているから止むを得ないが、ラストの謎解きがくどい。ポイントはひとつだけなのに。
 リーダビリティがあるゆえに重厚感には欠ける。
 あと、大シャーマンの死についてウィザードはなんとも思っていなかったのか?

No.17 10点 隻眼の少女- 麻耶雄嵩 2011/01/19 15:26
 ミステリはその性格上、型を持ちつつその型から逸脱していくことを求められるので、後発の者は(つまり現代の作家は皆)どんどん大変になってゆくのだろうが、この作品は天晴れである。
 しかしいくらなんでも「種田静馬」というネーミングはないだろう、まさか何かの伏線なのか、と思っていたら、本当にラスト付近のワン・センテンスのための(笑)伏線でやんの。
 あっ、今気が付いたけど、カヴァーのアートワークも伏線!?

No.16 9点 Rommy- 歌野晶午 2010/12/24 10:25
 本作を発表当時ではなく今、読んだのは私にとって幸なのか不幸なのか。衝撃度はおそらく低下している。しかしそれゆえにこそ、感慨深い気もする。時代は変わるのだ。
 惜しむらくは、ROMMYの「歌詞」が物足りない。あれでは'70年代後半のヤマハポプコンである。でもまあ、小説や漫画の作中楽曲の歌詞で出来の良いものには殆どお目にかかったことがない。仕方がないかなぁ。

No.15 5点 夢は枯れ野をかけめぐる- 西澤保彦 2010/12/18 14:33
 西澤保彦の、思いがけないほうへ飛躍するロジックとか、本作でもそうだが「日常の謎」かと思うとえらくシビアなネタがいきなり出てくるところとか、非常に好き。なんだけど、自分の方が読者としてそういう作風に慣れすぎてしまって「あ~またこれか」と感じたのも否定できない。例えばチョーモンインは再読するけど本作はしないだろうな、という気がする。あと、ネーミングが普通で物足りなかった。

No.14 6点 夏の魔法- 北國浩二 2010/12/11 01:18
 面白かったが、これはミステリの面白さではないと思う。その点で、ミステリ・フロンティアというパッケージが仇になってしまった観があり、つまりなにか大ネタのラストを期待してしまったので肩透かしを食らったことも否めない。別のレーベルからの刊行であったらもっと素直に読めたかと思う。でもミステリ・フロンティアだからこそ手に取ったというところも大きいしなあ……。

No.13 5点 武家屋敷の殺人- 小島正樹 2010/12/06 09:34
 終盤がくどい。それとも私の読み方が下手なのか。
 邦彦の「わけあり」は、いらなかったような。
 あと、この作品に限らず、「一族の者が同じ漢字を含む名前を付けるならわし」という設定は良く出て来るが、結果似たような名前が並んで紛らわしいよね?

No.12 7点 クドリャフカの順番- 米澤穂信 2010/11/25 10:04
  お料理の場面が楽しいっっ!

No.11 7点 六つの手掛り- 乾くるみ 2010/11/17 14:17
 この作者の妙に嘘っぽい作風がプラスに働いて、楽しいパズル小説集に仕上がっていると思う。
 「五つのプレゼント」の“正しいルートじゃない解答”の論理展開が面白かった。「四枚のカード」で“ナオミは発音によっては『波』に聞こえる”というのはどうなんだろう。それなら奈美とか波岡とかにしとけばいいじゃないか。
 あと、これってやはり泡坂妻夫へのオマージュ的なものですよね。ファンとしては“おお同志よ”てな感じで嬉しかったなあ。

No.10 6点 この国。- 石持浅海 2010/11/17 14:14
 (ネタバレ気味)大体は面白かったが、第×話はちょっといただけない。全てが○○であったという結末は事実上ユメオチに準ずるものだと思う。それをアリにするだけのプラスアルファも見受けられない。
 あと、名詞に句点をつけてタイトルにするのは何かの物真似であって褒められたセンスではない。

No.9 7点 眼球綺譚- 綾辻行人 2010/11/17 14:12
 「特別料理」がとても面白かった。それゆえにこそ、突っ込まねばならない。切り取るなら指ではなくて太腿か尻だろ!

No.8 6点 闇ツキチルドレン- 天祢涼 2010/11/01 10:10
 若干なかだるみしている感もあったが、それがかえってラストの衝撃を際立たせていたような気もする。え、わざと?

No.7 5点 少女- 湊かなえ 2010/10/27 14:22
色々と巧みだとは思うが、小技が組み合わさったという印象で結末の衝撃度はさほど大きくもなかった。ただ、作者の悪意というかすっきりしない嫌な感じは結構良い。
 読み終えたあと、学校でいじめを受ける悪夢を見てしまった……。

No.6 8点 ふたりの距離の概算- 米澤穂信 2010/10/23 08:16
 手がかりを限定して小出しにする設定が巧み。途中に出てくる小さな謎も面白い。そしてこの作者の作品は、きっちり大団円に着地しないで幾分かの後味の悪さが残るところが良い。
 あと、装画のキャラクターにあまり顔は描かないで欲しい。イメージが崩れる(または限定される)。

No.5 9点 インシテミル- 米澤穂信 2010/10/20 14:23
 読みながら、犯人を推理、ではなく、どうすれば効率的に殺せるか、を考えてしまった。
 ところで、「犯人」の報酬計算が間違っていないか。「助手ボーナスは累積しない」のだから、倍率は「2×2×3×3+0.5」になるのでは。文庫版でも直っていなかったけど。

No.4 7点 闇の喇叭- 有栖川有栖 2010/10/15 10:36
 戦争云々の書き方はやや紋切り型な気もするが、「こういうことを言っておきたいんや」という作者の思いは伝わって来たと思う。
 殺人事件の背景が、ラストで説明されるまでほとんど表に出てきていない点がイマイチ。

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虫暮部さん
ひとこと
好きな作家
泡坂妻夫、山田正紀、西尾維新
採点傾向
平均点: 6.22点   採点数: 1823件
採点の多い作家(TOP10)
山田正紀(97)
西尾維新(71)
アガサ・クリスティー(68)
有栖川有栖(50)
森博嗣(49)
エラリイ・クイーン(47)
泡坂妻夫(39)
歌野晶午(29)
小林泰三(29)
島田荘司(24)