皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
monyaさん |
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平均点: 7.61点 | 書評数: 28件 |
No.8 | 10点 | オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン | 2010/10/11 23:09 |
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これぞパズル推理小説の完成形!
犯人が意外じゃないとかストーリーに起伏が無いとかいうコメントはこの作品に関しては的外れというべきだろう! 読者への挑戦の手前で立ち止まり、犯人は誰かを考える。 ヒントをつなぎあわせていけば、必ずや犯人に辿り着く ただ、そこに辿り着く論理の橋は中々作れない。 言葉にすれば簡単だが、そう簡単にはいかないのはこの後に生まれた推理小説達を読めば分かるだろう。 クイーンはそれをやってのけた! 今の時代になっても全く古びてない論理の美しさ! これを読まないで推理小説好きは語ってはいけない! |
No.7 | 8点 | シャム双子の秘密- エラリイ・クイーン | 2010/10/11 23:02 |
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私的には国名シリーズの中でベスト3を争うぐらい好きな作品。
なにせ、面白い。 クイーンの国名シリーズはストーリーとしては退屈なことが多い。それは「読者への挑戦」や「数学的な推理」の比喩に現れているように、クイーンの真摯な姿勢の表れだから悪いとは言わない。だがとっつきにくいのは事実だと思う。 それに対し、このシャムは違う 発端からラストまでハラハラドキドキさせてくれる。おどろおどろしい雰囲気、クローズドサークルのスリル(まあクイーン親子は生き残るに決まってんじゃんと冷めた目で見る人もいるだろうが)! それだけじゃなく、クイーンの論理もきっちり決まっている。 必読の一冊だろう |
No.6 | 5点 | 最後の一撃- エラリイ・クイーン | 2010/10/11 22:57 |
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途中まではかなり期待を抱かせてくれる作品。
鮮烈なイメージを残す発端の事故、幾つも散りばめられた謎、若きクイーンの姿、ちょくちょく登場するクイーン警視とヴェリー部長刑事! しかし、最後の解決編がどうにも物足りない 専門的な知識が必要な為フェアじゃないだけではなく、論理のアクロバットもあまり無い 題名にもなっている最後の一撃も物足りない それでも最後まで夢中に読ませてくれるのはクイーン一流のプロットか |
No.5 | 7点 | 古本屋探偵の事件簿- 紀田順一郎 | 2010/10/11 22:51 |
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紀田氏の経歴があってこそ書ける作品
主人公の古本屋探偵が遭遇する事件は(ある程度の古本への愛を必要としなければ面白く読めないかもしれないが)どれもミステリ的な謎ばかり 誰が本をすり替えたのか?消えてしまったあの人は何処に? 神田の神保町に行った後に必ず読み返したくなる一品 |
No.4 | 7点 | 犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題- 法月綸太郎 | 2010/09/11 19:42 |
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意外と採点きつめのご様子
確かに一つ一つの事件の論理は冒険、新冒険、功績の三冊から見れば少し落ちるかもしれませんが、短編集としてのまとまりとしては一貫性があって(多少結びつけが無理やりな点もありますが)良いと思います。 そして中身はただの本格ミステリ、パズルとしてもかなり上質かと サラっと推理しながら読めてとりあえず手元に置いておきたい短編集じゃないでしょうか |
No.3 | 10点 | 貴族探偵- 麻耶雄嵩 | 2010/07/25 00:26 |
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麻耶雄嵩はよくふざけているとか言われがちだ。
メルカトル、木更津、そしてこの貴族探偵などの探偵役の滅茶苦茶な設定、長編ならラストに全てを粉々にする叙述やらなんやら しかし、そうやって本格ミステリを弄ぶだけならどっかのメフィスト賞魚蘊蓄作家でもできる 麻耶がここまで評価されているのはやはり、芯にあるロジックがしっかりしているからだろう (その魚蘊蓄作家がなんかの例えで言っていたが)ピカソのデッサン力は物凄い、ということだ この貴族探偵はその麻耶の芯の部分がしっかりと成されている短編集だと私は思う この書評でロジックを中心にしすぎて地味だとか何とか言っている人をよく見かけるが、私はそのロジックを中心にしているのはマイナスだとは決して思わない ここまで徹底的なロジック・トリックを一冊の中で魅せてくれる作家が麻耶以外にいるだろうか? 新本格の歴史においてベスト3に入るくらいの短編集だと私は思う |
No.2 | 7点 | 闇の喇叭- 有栖川有栖 | 2010/07/19 19:03 |
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有栖のノンシリーズ物
太平洋戦争の終わりが「もし、こうなったら……」という架空の日本が舞台で、SFチックなミステリ。 トリック・事件自体にはあまりその設定は関係が無いが、上手い具合にストーリーには生かされていると思う ラストは不覚にもうるっと来てしまった 有栖いわく「始まりの物語」 有栖川有栖にしか書けないミステリだ |
No.1 | 8点 | グラスホッパー- 伊坂幸太郎 | 2010/07/19 18:59 |
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ラストのシーンの意味が分かってから冒頭をすぐ読み返した作品。
伊坂らしい濃いキャラクターやストーリーとかはもちろんこの作品の魅力だが、やはり最も凄いのは”仕掛け”だと思う 分かっていない人はネタばれサイトとかを見てみれば分かってくれると思う ただの作品ではない |