皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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まさむねさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 1282件 |
| No.422 | 6点 | 完全犯罪に猫は何匹必要か?- 東川篤哉 | 2013/10/18 22:38 |
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| そういえば,この作品だけ未読だったなぁ…と手にした次第です。烏賊川市シリーズの長編です。
厚さの割にはスラスラと読了。とあるトリックは結構分かりやすかったのですが,味噌汁の謎をはじめ,ニヤリとさせられるモノも多く用意されていて,それなりに楽しめました。 最近,作者は新たなシリーズキャラを模索中(と個人的には感じているの)ですが,やはり,烏賊川市シリーズがベストだと思いますね。(初期作品にこのシリーズが多い=初期作品に良作が多いという,単にその理由によるものだとの説もありますが…)作者には,是非,初心(?)に帰っていただきたい。烏賊川市シリーズの新作はいつになることやら…。 |
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| No.421 | 4点 | 教場- 長岡弘樹 | 2013/10/18 20:46 |
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| 個人的には,「短編の新名手」と評価している作家の連作短編集。舞台は警察学校です。
個々の話には確かに巧さも見えるのですが,全体としては,現実感が希薄すぎるからなのか,何ともぼやけた印象。特に心にも響かず。警察学校内でこんな問題ばかり起きるってどうよ?あり得ないよね…と思いつつ,心の片隅で不安を感じながら読了した次第です。 ちょっとハードルを上げすぎて読んじゃったのかなぁ?私としては,この作者の純粋な短編の方が好みですね。結構辛目かもしれませんが,この点数で。 |
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| No.420 | 4点 | あるキング- 伊坂幸太郎 | 2013/10/13 20:03 |
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| 超要約すれば「天才野球少年の生涯」。このサイトに書き込んでおいてアレですが,ミステリではないです。
では,単なる野球小説なの?と問われれば,それも違う。いつもの「伊坂ワールド」とはまた違った世界観で描かれています。 しかし何とも評価しにくいのですよねぇ。「入り込んじゃってる」感じがなぁ…。深読みせずに,サラサラ読むべきなのかもしれませんね。 ちなみに,東北楽天イーグルスがリーグ制覇した今が読みドキかもしれません。読後の責任は取れませんけれども(笑)。 |
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| No.419 | 5点 | 死亡フラグが立ちました! - 七尾与史 | 2013/10/13 19:44 |
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| 中盤まで(複数のストーリが集約されていくまで)は,B級感が何とも心地よく,一定楽しく読めていたのですが,終盤&ラストはかなり残念。
ちなみに,ピタゴラ装置的なトラップは,ちょっと無理過ぎかなぁ…と。登場人物たちの,あり得ないほどの無防備さも,何だかなぁ…。犯人の手口は分かっているのだろうに…。 その手口とか犯人が誰かを含めて,「志村!後ろ!」って感覚を楽しめってことなのかなぁ? まぁ,読みやすいし,それなりには楽しめたので,この点数としましょうか。 |
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| No.418 | 4点 | 月は幽咽のデバイス- 森博嗣 | 2013/10/09 23:54 |
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| 謎自体はなかなかに魅力的です。スムーズな進行で,読中ストレスを感じることもありませんでした。
しかしながら,真相の評価は相当に微妙。すべてを台無しにしているという印象すら受けます。 ミステリ読みに対する鋭い問題提起なのだという解釈も成り立ちえると思いますが,読後の素直な印象から,この位の点数にしておきましょう。 |
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| No.417 | 5点 | カラット探偵事務所の事件簿2- 乾くるみ | 2013/10/05 21:26 |
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| シリーズ第2弾も連作短編形式です。
いきなりの脱力系ネタ2連発の時点で,このまま読み進めるべきなのか,ちょっと迷ってしまいました(笑)。 でも,その後,小粒ながら「なるほどねぇ」的な短編もありましたので,多少は救われたかな。 いかにもこの作者らしい,最終話のラスト2行も好みですねぇ。シリーズ前作を読んでから,この短編集を手にすることをオススメします。 |
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| No.416 | 6点 | 長い廊下がある家- 有栖川有栖 | 2013/09/29 22:01 |
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| ロジカル・デスゲームが面白かった(火村准教授が10秒間で採った行動は想像しやすかったけどね)のですが,その他の短編もまずまず楽しめましたね。表題作も,あまり評価は高くないようですが,私は好きなタイプ。
火村シリーズらしい,安心して読める短編集と言えるのではないでしょうか。 |
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| No.415 | 6点 | 凍った太陽- 高城高 | 2013/09/24 23:24 |
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| 国内ハードボイルド作品の黎明期を支えた作家の短編集。
個人的には,作者が弱冠20歳の時(昭和30年)に新人懸賞で一席を獲得したデビュー作「X橋付近」を目当てに手に本書を手にしたのですが,その他の作品も十分に楽しめました。 特に,氏が東北大学を卒業し,北海道の地方紙記者となってから江戸川乱歩の奨めで書いたという,「賭ける」「淋しい草原に」「ラ・クカラチャ」「黒いエース」には,氏の力量を再確認させられる思いでした。(ミステリ的な側面は弱いかもしれませんが・・・) また,「賭ける」から始まる一連の由利シリーズ(表題作もこのシリーズ)や付属されているエッセイも興味深かったですね。 ちなみに,舞台は一貫して仙台か北海道。この舞台がまたしっくりくるんですよねぇ。 |
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| No.414 | 6点 | 退職刑事2- 都筑道夫 | 2013/09/22 23:28 |
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| シリーズ第2弾も魅力的な謎に囲まれた安楽椅子モノ。
ロジックというよりも想像に頼った部分が多いような…との印象もあって,正直第1集の方が好印象ではありますが,それはそれとして,やっぱり楽しめましたよ。 |
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| No.413 | 5点 | 人形式モナリザ- 森博嗣 | 2013/09/18 23:32 |
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| WHOを中心とするメイン(と言ってよいのか判断は迷うが)のトリックについては,標準レベルに達するのか微妙なところ。でも,終盤の“裏真相”やモナリザの謎,ラスト1行を加味すれば,一定楽しめたと言えるのかな。特に,“裏真相”については,前作の件もあっただけに,巧いことしてやられた感じです。
しかし,色々と詰め込まれていて実際に驚きもあった割りに,読後にそれほど満足感を得られなかったのはなぜなのだろう。動機が,分かったようでイマイチ腑に落ちないからなのかなぁ。 |
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| No.412 | 6点 | 終末のフール- 伊坂幸太郎 | 2013/09/12 23:12 |
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| 3年後に小惑星が地球に衝突し、人類は息絶えるだろう…という設定での連作短編。
この事実が判明したのが5年前で,パニックによる殺人や強奪,はたまた自殺者続出という騒乱期を経たうえでの,小康状態とも言える時期を舞台としたところに,作者のセンスを感じました。確かに,一旦は自棄になりそうだけど,5年経ってしまえば,残りの3年間は逆に落ち着いて淡々とした生活を送るような気もしますね。妙なリアル感があって,実際に自分がこの状況に置かれたらどうなのだろうと考えさせられます。 そもそも表題作が「ミステリーじゃないものを」との編集者の依頼に基づいて書かれたものだそうで,他の短編も含めてミステリーとは言いがたいのですが,伊坂さんらしい軽妙なタッチに中で,何気に自分の生と死を見つめ直せるような作品です。 |
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| No.411 | 6点 | 黒猫の三角- 森博嗣 | 2013/09/02 22:47 |
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| 見事に,作者の罠にかかりました。出版順に手を出して正解でした。なんて素直な読者なのだろう(笑)。
確かに,犯人はあの方しかあり得ないだろうと,頭の片隅では思っていたのですがねぇ…。見事にやられました。そういう驚きはウェルカムなのです。 でもなぁ,どうしてもアンフェア感が払拭できないなぁ…。最初の密室もちょっと強引,というか無理筋じゃないかなぁ…。 とはいえ,総合的には,S&Mシリーズとはまた違った雰囲気で,嫌いではないタイプ。シリーズ続編も早速読んでみます。 |
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| No.410 | 6点 | よもつひらさか- 今邑彩 | 2013/09/01 00:06 |
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| 12編からなる短編集。今邑さんの短編集の中でも,ホラー色がより強く出ている短編集かもしれませんね。
結末が想像しやすい作品も正直あるのですが,総じて展開が巧く,終盤の捻りが効いています。読みやすい文章も良です。 |
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| No.409 | 5点 | 有限と微小のパン- 森博嗣 | 2013/08/25 22:35 |
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| 長い作品だっただけに,真相には相当に微妙な印象を抱きましたねぇ。「あっ,そう」としか言いようがないような…。会話シーンなどは楽しかったのですがねぇ。
ちなみに,真賀田四季に対する評価が(物語中でもこのサイトでも)異様に高いような気がするなぁ。個人的にはちょっとよく分からない。自分が凡才だからかなぁ。それほど興味を抱けないんだよなぁ…。 |
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| No.408 | 4点 | ふたりの距離の概算- 米澤穂信 | 2013/08/17 21:32 |
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| うーん,正直私には合わなかったなぁ。
そもそも,マラソンしながら推理していくという設定って,必要だったのかなぁ?それほど必然性を感じなかったなぁ…と。情報小出し方式は,別にマラソン大会中でなくても設定可能だろうし,特段緊迫感が増しているわけでもないし…。 サッサと走り終えて,その後にゆっくりと考えればよかろうに…とか,マラソンのタイムも相当悪かったろうに…とか,つまらないことを考えちゃうのは,私のオジサン度が増しているせいなのかなぁ。 |
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| No.407 | 6点 | 奇面館の殺人- 綾辻行人 | 2013/08/12 22:09 |
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| 首なし・指なし死体,仮面を被せられた招待客,10年に1度の大雪で閉ざされた“山荘”,その建物の設計は中村青司…という,何とも贅沢な(?)大盛りの設定です。
読後の感想としては,ある意味この設定があってこその真相ですし,突っ込みたくなる点についても作者から一通りの説明(フォロー?)がなされているので,不満を抱くことは無かったですね。様々練られていますし,流石にそつが無い。 ただ,ファンとしての我が侭を許していただけるのであれば,「驚き」という面では,シリーズ平均に届かなかったような…。まぁ,それだけ皆の期待度が高まるシリーズだということで,それはそれで凄いことですけどね。 |
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| No.406 | 5点 | 虚空の逆マトリクス- 森博嗣 | 2013/08/10 12:14 |
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| バラエティーに富んだ短編集と言えなくはないのですが,出来栄えは相当にマチマチだなぁ…という印象。不発っぽい作品も正直ありましたね。
とはいえ,「ゲームの国」の回文ネタはなかなか楽しかった。それとファン限定でしょうが,S&Mシリーズの短編が挿入されていることにも,多少のお得感が。(どちらもミステリ的には軽いのですがね…) |
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| No.405 | 7点 | カマラとアマラの丘- 初野晴 | 2013/08/05 20:42 |
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| 廃墟となった遊園地にある動物達の秘密の墓園。愛する動物をここに埋葬するには,墓守の青年・森野と月の深夜に交渉し,自分の最も大切なものを差し出す必要がある…という,何とも幻想的な設定のお話です。
でもご安心(?)ください。幻想小説的側面とミステリ的側面が,非常に効果的に融合しております。 個人的には,幻想小説は好まない,というか苦手なのですが,この作品に限ってはむしろ「幻想的な側面があってこそ」という気にさせられました。 メッセージ性もあって,考えさせられる内容でもあります。 作者といえば,ハルチカシリーズなど「日常の謎系学園モノ」という印象が強かったのですが,こっちの分野もなかなかイケています。 |
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| No.404 | 5点 | わたしたちが少女と呼ばれていた頃- 石持浅海 | 2013/08/02 23:23 |
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| 碓氷優佳シリーズ第4弾。
長編の前三作とは異なり連作短編形式。しかも,彼女の女子高時代を扱っているので前三作とは趣が違うなぁ~と思っていたら,最終的にはやっぱり碓氷優佳は碓氷優佳。どうしても彼女は好きになれない…。 日常の謎系学園ミステリとしては,可もなく不可もなくといったところかな。 |
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| No.403 | 7点 | 日曜の夜は出たくない- 倉知淳 | 2013/07/28 12:53 |
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| 猫丸先輩のデビュー連作短編集。
いやぁ,最後の最後まで楽しめましたね。 さらに特筆すべきは,決して「最後」に頼ることなく,バラエティに富んだ7短編それぞれが単独で十分に面白いこと。(特に「海に棲む河童」と「163人の目撃者」が良かったかな。) お買い得…というか「お読み得」な作品と言えましょう。 |
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