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まさむねさん
平均点: 5.87点 書評数: 1226件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.366 5点 味なしクッキー- 岸田るり子 2013/02/18 23:05
 6編から成る短編集。濃淡ありますが,ブラックな読後感を味わえます。
 読み応えという点では,プロットの妙が光る「味なしクッキー」と,連続反転の「パリの壁」がトップ2でしょうか。「愚かな決断」の一捻りと「生命の電話」の着目点もなかなか面白いです。
 一方,「決して忘れられない夜」と「父親はだれ?」の両作品は,ブラック度は別にして,ネタとしては分かりやす過ぎるかな?「ああ,やっぱり」っていう感想に集約されましたね。特に後者は,冒頭シーン(マウスの実験)がなかなかだっただけに,ちょっとだけ残念。

No.365 6点 覆面作家の夢の家- 北村薫 2013/02/16 21:20
 覆面作家シリーズ完結編。
 岡部兄の結婚という展開の早さに,冒頭から驚かされました(笑)。前作同様,会話シーンが実に楽しく,ラストも美しい。
 読み心地の良いシリーズだったし,3冊で完結してしまうのは惜しいなぁ。もうちょっと二人を見ていたかったのだけれど…。

No.364 6点 覆面作家の愛の歌- 北村薫 2013/02/16 21:09
 覆面作家シリーズ第2弾。
 登場人物の会話シーンが実に楽しい。全体的にサクサク読み進められるのも良いですね。ちなみに,表題作はこのシリーズ随一の本格色を醸し出しています。

No.363 5点 おれは非情勤- 東野圭吾 2013/02/10 23:41
 小学校を舞台にした,物凄くシンプルな短編集。それもそのはず。学研の「5年の学習」「6年の学習」(懐かしい!)に掲載された作品に加筆修正したものだそうです。
 ジュブナイルの評価というのはいつも迷うのですよねぇ。何を求めてこの作品を手にしたかで評価は大きく分かれますでしょうねぇ。私は頭の一部で楽しみながら,一部で肩透かし感を…って意味不明ですか?
 ちなみに,作者の作品の幅広さには感服いたします。裾野が広すぎます。

No.362 6点 陰の季節- 横山秀夫 2013/02/09 21:29
 D県警シリーズ第一作品…というよりも,作者にとっての第一作品集ですね。「警察小説」には違いないですが,刑事は登場せず,人事や監察,議会担当などの管理部門の人間が各短編の主役を務めます。
 「組織」を描かせるとホントに強いですよねぇ。各短編とも,謎の提示や終盤の転換が秀逸ですし,心理サスペンスという面でも楽しめます。その後の作者の活躍を十二分に予感させる作品集と言えましょう。
 ちなみに,登場人物の行動の中には「いくらなんでもそこまではしないだろう!」と突っ込みたくなるものもありますね。

No.361 5点 モロッコ水晶の謎- 有栖川有栖 2013/02/04 22:02
 中編と呼んでもよい長さの短編3本+掌編1本で構成。
 表題作の真相は,ある意味で衝撃的。確かに心理としてはあり得るのだけれども…うーん。でもまぁ,個人的に火村シリーズの短編は「色々あって,それで良い」と捉えているので,良しとしておきましょうか。
 ちなみに,この作品集で一番印象に残ったのは「推理合戦」と題する掌編。こういうのは好きなんだなぁ。

No.360 6点 空耳の森- 七河迦南 2013/01/30 23:14
 前作「アルバトロスは羽ばたかない」において,私に極めて鮮烈な印象を与えてくれた作家。さてさて,最新作は?との気持ちで何の事前情報もなく読み進めた訳ですが…実に書評が難しい!何を書いても(私が思うところの)面白味を削ぐような気がしまして…。

(以下の記述は,重大なネタバレは避けてますが,真にこの作品を楽しみたい方にはオススメしません。)
 中盤くらいまでは,ノンシリーズの短編集といった趣です(特に「アイランド」などは単独でも一定の評価をしたくなる出来栄えだけに)。しかし,中盤以降はやや趣が変化し,終盤に至って連作短編としての姿が見えてきます。この「繋がってる!」という発見感が爽快で,幾度か読み戻りました。各短編を時系列に並べ直したりする楽しみも。
 また,この作品のみでも一応は楽しめると思うのですが,七海学園シリーズ,少なくとも前作「アルバトロスは~」は既読であることが望ましいです。(ちなみに,私は前作は既読でしたが,デビュー作「七つの海を~」は未読。そのため一部分かりにくい点も…)つまり,「繋がってる!」のはこの短編集内のみならず,前作を含めたシリーズ全体というわけです。感慨深いラストなのですが,これも前作あってのもの。連作短編が巧みな作者だなぁ。

No.359 7点 珈琲店タレーランの事件簿- 岡崎琢磨 2013/01/27 21:59
 『このミステリーがすごい! 』大賞最終選考作品の中から推薦された「隠し玉」作品。個人的には大賞を与えてもよい位の出来栄えと感じたのですが,出版に当たって全面的に改稿され,ミステリ要素の改善が図られたとのコト…なるほど。
 舞台は京都。女性バリスタを始めとする登場人物も魅力的ですし,会話も軽妙で楽しめます。しかし,一筋縄ではいかない作品。なかなかに巧妙です。「過ぎたるは及ばざるが如し」的なご批判もありましょうが,私としては好みのタイプの作品。デビュー作でこれだけ売れたわけですし,経歴からも,個人的な今後の期待は高いです。

No.358 7点 密室蒐集家- 大山誠一郎 2013/01/24 22:49
 直球の密室短編5本。
 余分な要素を極力削ぎ落としており,本格の純度は相当に高いです。一方で,その副作用といって差し支えないと思いますが,各短編とも偶然性に頼りすぎている印象は拭えません。ご都合主義と感じる方もいらっしゃるでしょう。また,記号的ともいえる人物描写(「密室蒐集家」たる探偵役も例外ではない)が合わない方もいらっしゃると思います。
 でも,私は,むしろこのストイックさに好感を持ちました。“本格好き”の欲求を十二分に満たす作品であることは間違いないですし,割り切りも重要です(笑)。
 ちなみに,マイベストは「少年と少女の密室」かな?

No.357 7点 葬式組曲- 天祢涼 2013/01/19 15:18
 「葬式は無駄」との世論から高額の葬式税が導入され,事実上葬式が禁止されている日本。今日では,何ら儀式もせず速やかに火葬する「直葬」が一般的となっている。しかし,S県だけは,葬式助成条例の施行により,唯一葬式が行われる地域に。そのS県での葬儀社,その社員,葬儀に係わる人々を取り巻く連作短編です。
 この設定自体が興味深いのですが,私は第一話「父の葬式」で完全に引き込まれました。年を経るにつれ,自分の身内を含めて葬式というものがある意味身近になってきますからねぇ。
 各短編とも,ミステリとしても良いのですが,死と遺族というものを考えさせられる内容,しかし決して重くはない軽快な語り口に好感。その流れで最終話に突入するわけですが…。なかなか凝ったプロットでしたね。私はかなり楽しめました。

No.356 5点 母性- 湊かなえ 2013/01/15 23:05
 タイトルどおりの内容なのですが,うーん,作者の意図は分かるようで,やっぱりイマイチ分からない。感情移入できる人物も少ないしなぁ。ちなみに,書き込んでおきながらアレですが,ミステリの範疇には入らないような気がします。

(以下,未読の方は注意)
 ラスト直前まで,いかにもこの作者らしい展開(嫌ミス的展開)なのですが,ラストの多方面ハッピーエンド感はどうなのだろう。個人的には,何ら救いようのない話よりは良いような気もしますが,だからといって爽快な読後感も受けなかったし,何か釈然としなかったのですよねぇ。むしろ,ソコに何か作者が述べたかった真実があるのかなぁ…などと考えてみたのですが,私の読み方が浅いのか,よく分かりません。

No.355 5点 ココロ・ファインダ- 相沢沙呼 2013/01/12 23:33
 写真部の女子高生4人をそれぞれの主人公に据えた連作短編。各短編にミステリが織り込まれているものの(第3話のモノは結構好みですが…),「青春小説」としての側面の方が強く出ていた感じですね。
 この作者は,デビュー作「午前零時のサンドリヨン」以降,高校生の心理,特にコンプレックスをテーマにしています。本作も同様であり,「またか?」という思いが無かったといえば嘘になるのですが,多視点でもあり,これまでとは多少違ったテイストも感じたので,まぁ,悪い印象は残らなかったですかね。でも,そろそろこのテーマとは違った作品も読んでみたいなぁ。

No.354 7点 キングを探せ- 法月綸太郎 2013/01/11 22:17
 4人による交換殺人。序盤は犯人側視点での倒叙形式です。次第に法月親子の視点の比重が増していって…という流れ。捻りも効いており,さすがと思わせる精緻なプロットです。(おそらく)敢えて重厚感を抱かせず,端正なタッチ&分量にした点も,私はプラスに評価します。
 法月親子の長編は「生首に~」以来だと思うのですが,私はこちらの作品の方が好み。

No.353 6点 夜の蝉- 北村薫 2013/01/07 21:14
 前作に比して,「私」とその周辺人物にスポットライトを強く当てています。(その分,円紫師匠の出番は少なかったかな?)「私」の成長譚としても楽しめました。
 「ミステリ」というよりも,純粋な「小説」として読ませてくれます。特に,人間の悪意の描き方が深くて秀逸。勿論,ミステリとしての味付けがあるからこそ,際立つのでしょうが。
 私としては,前作「空飛ぶ馬」よりもこちらの方が好みかな。

No.352 4点 高原のフーダニット- 有栖川有栖 2013/01/06 16:01
①オノコロ島ラプソディ
 思いっきり羽目を外した作品。非常にバカらしいトリックなのですが,最終的にはその伏線(?)にニヤリとさせられたので,まぁ良しとしましょう。
②ミステリ夢十夜
 掌編10連発。メタ的掌編と言えるのもありますが,結局は何をしたかったのか疑問。
③高原のフーダニット
 最も「らしい」作品なのでしょうが,犯人特定のロジックには,個人的に異議アリ。いくら何でもアレでは見えないと思うなぁ…。

No.351 5点 玩具店の英雄 座間味くんの推理- 石持浅海 2013/01/03 21:59
 座間味くんシリーズの短編集。
 過去の「事件」について食事をしながら雑談⇒不自然な点について座間味くんが推理⇒事件の様相がガラッと変わってくる… という一連のスタイルは前作同様です。雑談者としては,前作の座間味くん,大迫警視正に加え,科警研所属の女性エリート津久井さんが新たに登場。彼女が事件の「語り部」となります。
 座間味くんの語るロジックはなかなか楽しめたのですが,同じパターンが続きますと先が読めますし,正直ちょっと食傷気味に…。ちなみに,作者お得意の食事&酒のシーンは好きです。

No.350 6点 体育館の殺人- 青崎有吾 2012/12/31 17:12
 「エラリー・クイーンを彷彿とさせる論理展開+抜群のリーダビリティ」という触れ込みの,鮎川哲也賞受賞作。
 選評にもあるとおり,突っ込みたくなる穴はありますねぇ。ハウ(密室)についても分かり易すぎるかなぁ…と。
 しかし,一本の傘からのロジック展開に拘り,真っ向勝負に挑んだ心意気は買います。鮎川哲也賞史上初の平成生まれだそうで,今後の更なる飛翔に期待します。
 ちなみに,タイトルについては,様々なご意見がありましょうが,内容とは確かにリンクしているし,まぁスルーしておきましょう。次作は「図書館」あたりでどうでしょうか(笑)。
 来年も良い読書ができますように。皆様良いお年を。

No.349 6点 ドS刑事 風が吹けば桶屋が儲かる殺人事件- 七尾与史 2012/12/24 22:33
 サクサクっと進行させつつの,終盤の捻りはなかなか良かったですね。単なるキャラ小説かと勝手に思い込んでいたことが功を奏した(?)のか,個人的には,結構ベタなネタながらも想定以上に楽しめましたよ。
 ちなみに,主人公の性癖と「ドS」とは全く異質のものであります。さらに,そもそも彼女がドS気質であるのかも怪しい。確かに,タイトルには相当の違和感があります。

No.348 4点 沈没ホテルとカオスすぎる仲間たち- 七尾与史 2012/12/21 23:18
 「日本社会から脱落したバックパッカーの皆様の生態」という側面を除けば,かなり平凡な作品という印象は拭えません。「新しさがあり,感動がある。」とカバーの裏に書いてあったのだけれども…そうかなぁ?
 ちなみに「はい!コレ伏線(orミスディレクション)です!」って声高に叫びすぎかなぁ…と。一応フーダニットってコトなのでしょうが…。

No.347 6点 ビブリア古書堂の事件手帖3- 三上延 2012/12/19 21:54
 どんどん安定感が増している印象です。安心感をもって読書できるシリーズがあるということは,何とも幸せなことだなぁ…と感じ入っています。
 「栞子さんの家族の秘密」については,結構引っ張るなぁ…というもどかしさと,簡単に秘密の開示がなされシリーズ終了ってのも困る…という,相反した心情を持っています。それも,このシリーズにハマっている証拠か。早く次作を読みたいですね。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.87点   採点数: 1226件
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