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まさむねさん
平均点: 5.86点 書評数: 1156件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.23 6点 46番目の密室- 有栖川有栖 2013/11/02 20:26
 火村シリーズの第一作品。
 地味という印象もあり得ましょうが,伏線を含めてきっちりとした構成で,個人的には好きなタイプの作品。非常に纏まっています。

No.22 6点 長い廊下がある家- 有栖川有栖 2013/09/29 22:01
 ロジカル・デスゲームが面白かった(火村准教授が10秒間で採った行動は想像しやすかったけどね)のですが,その他の短編もまずまず楽しめましたね。表題作も,あまり評価は高くないようですが,私は好きなタイプ。
 火村シリーズらしい,安心して読める短編集と言えるのではないでしょうか。

No.21 5点 山伏地蔵坊の放浪- 有栖川有栖 2013/04/24 22:25
 作者にとって比較的初期の短編集。ワン・トリックものの端正な短編が揃っており,個人的には好きなタイプですね。
 しかし,山伏のキャラが,その存在意義も含めて何とも中途半端。ちょっともったいない気がしましたね…ってことで1点減点かな。

No.20 5点 モロッコ水晶の謎- 有栖川有栖 2013/02/04 22:02
 中編と呼んでもよい長さの短編3本+掌編1本で構成。
 表題作の真相は,ある意味で衝撃的。確かに心理としてはあり得るのだけれども…うーん。でもまぁ,個人的に火村シリーズの短編は「色々あって,それで良い」と捉えているので,良しとしておきましょうか。
 ちなみに,この作品集で一番印象に残ったのは「推理合戦」と題する掌編。こういうのは好きなんだなぁ。

No.19 4点 高原のフーダニット- 有栖川有栖 2013/01/06 16:01
①オノコロ島ラプソディ
 思いっきり羽目を外した作品。非常にバカらしいトリックなのですが,最終的にはその伏線(?)にニヤリとさせられたので,まぁ良しとしましょう。
②ミステリ夢十夜
 掌編10連発。メタ的掌編と言えるのもありますが,結局は何をしたかったのか疑問。
③高原のフーダニット
 最も「らしい」作品なのでしょうが,犯人特定のロジックには,個人的に異議アリ。いくら何でもアレでは見えないと思うなぁ…。

No.18 6点 虹果て村の秘密- 有栖川有栖 2012/10/18 22:41
 正統派ド真ん中の「ミステリーランド作品」と言えましょう。子ども達に対する愛情を感じますね。
 なお,有栖川氏とジュブナイルって,よくよく考えてみると,とても相性が良いような気がします。また同じ感じで書いてくれないかなぁ…

No.17 5点 暗い宿- 有栖川有栖 2012/10/13 22:45
 廃業した民宿,高級リゾートホテル,温泉旅館,都心の高級ホテルといった「宿泊施設」を舞台にした短編集。作品によって出来栄えはマチマチです。
 結構すぐに忘れてしまいそうな作品もあった中で,最も記憶に残りそうなのは「ホテル・ラフレシア」でしょうか。謎がぼやけている印象もありますが,「ホテル・カルフォルニア」のメロディや歌詞とともに,その美しくも怪しいムードが心に残ります。

No.16 6点 ジュリエットの悲鳴- 有栖川有栖 2012/09/11 22:41
 ノンシリーズものの短編集(一部掌編を含む)。
 作者の十八番たるロジックを期待された方にとっては,おそらく肩透かし感を抱くものと思われます。しかし,個人的には,バラエティ豊富で,むしろ好ましく感じました。
 「夜汽車は走る」が個人的なベストで,雰囲気と全体構成に味わいがあります。一転して,「登竜門が多すぎる」はパロディもの。これも良かった。ショートショートの中では,「世紀のアリバイ」が秀逸。イマイチと思った作品も正直ありましたが,全体的には楽しめましたよ。

No.15 7点 スイス時計の謎- 有栖川有栖 2012/06/16 18:47
 国名シリーズの前作「ペルシャ猫の謎」が(平凡な)変化球であったのに対し,この短編集はど真ん中の剛速球といった感じです。
 特に,表題作はロジック全開。フーダニットとしても良質。読者を楽しませるのに,必ずしも派手な演出はいらないという好例。短編というよりも中編といった分量ですが,内容からすればベストの長さ。
 他の3短編も,水準級以上にはあります。個人的には,「あるYの悲劇」も推したいんですけどねぇ。でも,これは評価が分かれるかぁ(笑)。
 ともかく,「本格短編読みたいな」って方にはオススメでしょう。

No.14 4点 ペルシャ猫の謎- 有栖川有栖 2012/01/17 19:12
 大変失礼ながら,表題作「ペルシャ猫の謎」に関する,作者自身のあとがきを引用させていただきます。
「こんな結末を読まされた読者がどんな気分になるのか、私には判らない。恐ろしいことだ。」
 ええ,本当に恐ろしいことです。問題作であると事前に認識して読むべき作品でしょうなぁ。
 
 一方,森下刑事にスポットを当てた短編「赤い帽子」は,嫌いではなかったです。火村・アリスが登場せず,純粋な「刑事モノ」だったことに新鮮味を感じたのかも。ちなみに,この作品の初出誌は大阪府警の機関誌とのこと。なるほど,だからか…と納得しつつ,依頼した大阪府警,さらには受諾した作者ともに,懐の深さを感じましたよ。こんなこともあるのですねぇ。

No.13 5点 火村英生に捧げる犯罪- 有栖川有栖 2011/12/19 21:31
4つの短編+4つの掌編で構成。
良くも悪くも「無難だなぁ…」という作品が多かったです。その中でも最も印象に残った作品はと問われれば,メタ的要素もあった「あるいは四風荘殺人事件」でしょうか。

No.12 4点 壁抜け男の謎- 有栖川有栖 2011/12/17 18:40
 10年間で溜まった掌編・短編を集めたノンシリーズの作品集。良く言えば「バラエティに富んだ作品集」であり,悪く言えば「寄せ集め感溢れる作品集」。
 読者挑戦モノや名作のオマージュの中には「悪くはない」作品もありましたが,全体からすればごくごく一部。その他の作品は,統一感がないというか,中途半端というか・・・。まぁ,各誌からの依頼(制限)に基づいて各々書かれたのでしょうから,致し方ない面もあるのでしょうけれども。

No.11 5点 真夜中の探偵- 有栖川有栖 2011/10/27 22:05
 北海道が分離独立し,私的探偵行為が厳禁とされている「日本」を舞台としたシリーズの続編。前作「闇の喇叭」を読んでからの方が,世界観に入りやすいと思います。
 で,この世界観,私にはそれほど魅力を感じないのです。特に「北海道」の設定はどう関係するのか?・・・と疑問に思っていたら,終末でその意図が判明。情報チョイ出し方式ですか。シリーズ全体の評価については,次回作以降を待つしかなさそうですねぇ。個人的には,現時点でのシリーズ評価は決して高くないので,今後の爆発に期待します。
 で,この作品自体の,ミステリとしての評価は,有栖川氏に期待するレベルからすれば,中の下といった印象です。

No.10 4点 赤い月、廃駅の上に- 有栖川有栖 2011/10/15 16:57
 鉄道にまつわる怪談集。
 と言っても,あまり怖くはなく,幻想的な話が多かったですね。もう少しインパクトが欲しかったかなぁ…。
 多少テツっ気のある身としては,決して嫌いではない短編集なのですが,ミステリーとは言い難かったので,このくらいの採点になっちゃいますかねぇ。

No.9 6点 闇の喇叭- 有栖川有栖 2011/10/10 20:11
 太平洋戦争末期,アメリカの原子爆弾の完成が遅れたために,ソ連が北海道までを占拠して…という設定。歴史SFかと思えるような始まり方で,ちょっと驚かされました。
 しかし,読み進めていくと,氏らしいミステリが展開されていきます。トリックも,個人的には好みの範囲内。青春ミステリとしての色も濃く,総合的にどう分類していいものやら。
 シリーズとして今後どのように展開していくのか,続編に期待します。

No.8 6点 妃は船を沈める- 有栖川有栖 2011/10/03 21:15
 作者の意図はどうであれ,構成としては「中編2本を幕間でつないだ作品」という評価を超えることは難しいでしょうね。
 中編自体は,どちらもロジカルでなかなかの出来栄えです。ミステリアス(?)なヒール役が相当に貢献していますね。(取り巻きの青年達の精神構造は理解不能でしたけど。)1作目における「猿の手」の解釈も面白い。
 個人的には,これまでに読んだ国名シリーズ短編集(ロシア紅茶・ブラジル蝶・英国庭園)よりも楽しめましたよ。

No.7 5点 英国庭園の謎- 有栖川有栖 2011/09/24 19:15
 暗号モノにそれほど興味を持てないワタクシとしては,正直,盛り上がりに欠けた短編集っていう印象でしたね。(決して暗号モノに特化した短編集ではないのですけどね。)
 印象に残ったのは,「完璧な遺書」くらいでしょうか。まぁ,その理由は「珍しく倒叙形式だったから」なのですけどね…。

No.6 5点 ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 2011/08/16 22:19
 何とも芸のない書評で恐縮ですが,「可もなく不可もなく」というのが率直な印象。後々まで記憶に残りそうな話は無かったですね。
 その中でも,時期的には,どうしても最終話の「蝶々がはばたく」のトリックに目が行きます。確かに成り立つし,ほどよい余韻も具備している,ますまずの作品ですが,今年の3月11日以降に読むと,複雑な気持ちになりますね。

No.5 5点 ロシア紅茶の謎- 有栖川有栖 2011/07/30 21:33
 表題にもなっている「ロシア紅茶の謎」と「赤い稲妻」は,まぁ楽しめたかなぁ。
 で,残りの作品は,小粒でピリリと辛くもない印象。「八角形の罠」は,舞台だったらそれなりに面白いのかもしれないし,「動物園の暗号」の着目点も個人的には好きですけどね・・・。

No.4 9点 マジックミラー- 有栖川有栖 2011/05/15 11:09
アリバイと正面から向き合った力作。そして,何とも「美しい」作品。(別に文学的だとかいう意味ではないですよ。)
作品の中でなされる「アリバイ講義」も良かった。
この作品を,単なる「時刻表トリック」モノと捉えてはいけないでしょうね。入念なトリックの組み合わせ,繊細な伏線配置など,堪能させていただきました。
ラスト(最初?)にも唸りましたねぇ。私の好みのど真ん中なので,プラス1点です。

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.86点   採点数: 1156件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(55)
有栖川有栖(43)
東川篤哉(41)
森博嗣(37)
道尾秀介(26)
伊坂幸太郎(26)
米澤穂信(22)
島田荘司(22)
歌野晶午(21)
西村京太郎(19)