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メルカトルさん
平均点: 6.02点 書評数: 1773件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.13 6点 記憶の果て- 浦賀和宏 2019/01/20 22:10
父が自殺した。突然の死を受け入れられない安藤直樹は、父の部屋にある真っ黒で不気味なパソコンを立ち上げる。ディスプレイに現れた「裕子」と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。裕子の意識はプログラムなのか実体なのか。彼女の記憶が紐解かれ、謎が謎を呼ぶ。ミステリの枠組みを超越した傑作。
『BOOK』データベースより。

「ああ、彼女の歌は日本人の琴線に触れるね」。作中人物の台詞です。確かに彼女のファーストアルバムは素晴らしい出来栄えでした。しかも数多くのヒットナンバーを世に送り出しています。まあそういう訳で、ジャンルミックスな本作ですが、これは『安藤直樹シリーズ』のほんの第一歩に過ぎないことを思い知らされました。そして、『萩原重化学工業連続殺人事件』はまさしく本シリーズのシーズン2に間違いないと認識を新たにしました。今までの私は大きな間違いを冒していたようです。『萩原・・・』こそ浦賀の一つの到達点に違いないと今私は確信しています。

本作、全体的に思うのは、輪郭がぼやけているような気がするということです。確かに本筋はわきまえていますが、あまりにも様々な要素が入り混じっていて、どこに焦点を置いてよいのか分からず仕舞いな感じで。
安藤の内面を当時まだ十代の若さで描き切ったことには、十分に作者の才気が感じ取れますし、ここが原点なのはその後のシリーズを読み進めば理解できてくると思います。ただ、いくつもの謎を残したまま、つまり未完のまま完結してしまっているのは、デビュー作としてどうなのかなという気はします。最初からシリーズ化を狙っているのは明白ではあっても、初読の読者にとってそれはやはり不親切なのではないかと思います。
安藤直樹に対して感情移入できないとする向きもありますが、彼は金田と同じくらい身勝手な性格なので、仕方ないんじゃないでしょうかねえ。

No.12 7点 頭蓋骨の中の楽園- 浦賀和宏 2019/01/07 22:16
首なし死体として発見された美人女子大生、菅野香織。彼女の死と殺害方法は、ミステリ小説の中で何故か予告されていた。首は見つからぬまま、再び発見される首なし死体。異常な連続殺人の背後には、密室の中で自ら首を切断して自殺した作家の存在があるという。被害者の同級生、安藤直樹が事件の真相を追う。『記憶の果て』『時の鳥篭』に続く安藤シリーズ第3弾。
『BOOK』データベースより。

後編途中まではユーモアを適度に含んだ青春ミステリの様相を呈しています。凄惨な事件が起こる割には文体は意外にも軽く、大変読みやすかったのですが。180ページに及ぶ解決編からガラリと雰囲気が変わります。果たしてここまで大風呂敷を広げて大丈夫なのか、と心配になったりもしましたが、一つ一つの事件が繋がりを持ち、複雑に絡み合って収束します。しかし、私は苦しみました。それなりに集中していたはずなのですが、面白かっただけにその分苦痛も感じました。それはAmazonでの下巻のレビューにネタバレに近いものを発見してしまったからです。肝心の首を切断した理由・・・これに関わる部分を。それにより、読後しばらくすっきりしない気分を味わわされました。やはり断りのないネタバレはいけませんね。読むと決めた作品のレビューをわざわざ見た私にも罪はありますが、それにしても。

しかしまあ、冷静になって考えてみれば安藤直樹という男がどんな人物なのかが知りえたことは大きいですし、『萩原重化学工業連続殺人事件』との関連もある程度掴めたので、そこは納得できて良かったのではないかと考えています。
最初は8点つけようかと思っていましたが、それでは『萩原・・・』を超えてしまうので、やはり同等にすべきと考え、7点です。

No.11 5点 ふたりの果て ハーフウェイ・ハウスの殺人- 浦賀和宏 2018/12/28 22:05
引き裂かれたふたりの世界。転落事故に遭い姿を消した妹を探す健一。隔離された学園に囲われる少女、アヤコ。選ばれし、美しき子供が暮らす洋館での殺人事件。この結末は、予測不能―!!著者渾身の「実験的」長編ミステリー誕生。
『BOOK』データベースより。

良くも悪くもらしいと言えばらしいですが、一般読者にとっては意味が分からないとか、これじゃあ何でもアリじゃんという感想になってしまうと思います。しかし、それが浦賀ワールドなので仕方ありませんね。
タイトル通り、「ふたりの果て」パートと「ハーフウェイ・ハウス」パートが並行して進み、中盤まで何も起こる気配がなく、やっと丁度折り返し地点で殺人が起こります。しかし、それも謎めいたものではなく、ここまでは正直タルいと感じました。
謎と言えば、アヤコと綾子は同一人物なのか、同時に現れる二人の健一はどうなのかというもので、興味はもっぱらその辺りに偏ってしまいます。あれこれ考えを巡らしても到底真相は掴めません。そこここに伏線は張り巡らされていますが、そりゃ解らんはずだわ。

結局最後は浦賀らしく、死んでいるのに死んでいない的な有耶無耶感満載で、それにプラスして悪く言えばメタに逃げたと罵られても仕方ない状況に。実験的なのかもしれませんが、それはこの人にとっては当たり前のことなので、今更堂々と帯に謳うほどのこともなかったのではないでしょうかね。有体に言えば、単行本で刊行するような大した作品ではないと思いました。いきなり文庫でよかった気がしますが。

No.10 7点 女王暗殺- 浦賀和宏 2018/12/17 22:07
美しい母と二人、何不自由なく暮らしていた武田。その母が殺害された。謎の数字と、自らが本当の親ではないことを言い遺して―。自分が見てきた世界は何だったのか?自分は何者なのか?記憶喪失の女、自分を付け狙う怪しい影、実の母を殺した友人…無関係に見えた複数の謎の向こうに、武田はついに巨大な陰謀があることを知る!
『BOOK』データベースより。

本作は『安藤直樹シリーズ』のシーズン2の第二作にして、『萩原重化学工業シリーズ』の第二弾だそうです。とは言え、私自身『安藤シリーズ』を全く読んでいないわけで、そこに関しては何も語ることができません。ただ、安藤直樹なる人物は本シリーズには登場しないことだけは確かです。つまり、作者本人がそう銘打っているだけで深い意味はないのだと思います。

上に紹介した概略だけ読んでも、多くの人が何が何だかわからないでしょう。要するにそういう事ですよ。簡潔にストーリーなりあらすじを纏められるような代物ではないんです。
ですから感想だけ述べると『萩原重化学工業連続殺人事件』に比較して、幾分毒気が抜けている感じはしますが、相変わらず捻くれた物語を紡いでいるなと思います。恋愛小説的な要素も含んでいますが、最後には木っ端微塵に砕かれます。SF、サスペンスなども引っくるめて本格ミステリの形はかろうじて維持していると思います。おまけの密室なんかもサービスで無理矢理入れ込んでいたりしますし。
やや心残りなのは、最後真相が明らかになる過程が足早過ぎて頭の中に浸透するのに時間が掛かる点、前作も感じましたが肝心の萩原重化学工業が背景にあるはずなのに、ほとんど触れられていない点、でしょうかね。ですが、好きですよ私は、こういう訳の分からない世界観というのか、おそらく浦賀にしか書けない独特の作風が。
最後に、本作を読まれる方は(おそらく誰もいないでしょうが)、前作から読んだ方が理解しやすいと思います、余計なお節介ですが。

No.9 9点 萩原重化学工業連続殺人事件- 浦賀和宏 2018/05/19 23:29
「脳」を失った死体が語る、密室の不可能犯罪!双子の兄弟、零と一の前に現れた、不死身の少女・祥子と、何もかもを見通す謎の家政婦。彼らが信じていた世界は、事件に巻き込まれる内に音を立てて崩壊していき…。脳のない死体の意味とは!?世界を俯瞰する謎の男女と、すべての事件の鍵を握る“萩原重化学工業”の正体とは!?浦賀和宏の最高傑作ミステリが世界の常識を打ち破る。

以上、私の下手な説明より簡潔にまとめられた「BOOK」データベースのほうがすっきり分かりやすいので引用しました。尚これは講談社ノベルズ版のものであり、今回私が読んだのは幻冬舎文庫より刊行された『HEAVEN』で、かなり縮尺されていますので、若干内容的に変化があるのかもしれません。
最高傑作かどうか全作読んでいるわけではないので何とも言えませんが、とにかく謎だらけで、頭の中が?でいっぱいになります。そして読んでいる途中から、これは超本格ミステリ(多分)なので、一般で言うところの解決はとても望めないと不安になりました。しかしながら、SF的趣向を交えながらも何とかギリギリ納得のいく真相が得られます。ただし、いくつかの謎を残していて、それは続編の『女王暗殺』に委ねられているようです。

「世界の常識を打ち破る」というより、常識など通用しない作品が正解じゃないでしょうかね。良く言えば破格の超絶ミステリ、悪く言えば何でもアリの複雑系、いずれにしても浦賀氏自身が「この小説を書くために生まれてきました」と言っているように、稀有な怪作、力作なのは間違いないと思います。
途中、警察の捜査の杜撰さ(○○に隠れていたのを発見できず)や、あまりにも発想が突飛すぎるなど、気になる点もありましたが、凝りに凝った規格外の本格ミステリだと個人的には感じました。
余談ですが、ノベルズ版の装丁が物々しくいかがわしい雰囲気で好きだったのですが、読後あまり作品の意にそぐわないように思いました。その意味では残念ながら期待を裏切られた気分です。

No.8 5点 Mの女- 浦賀和宏 2017/10/17 22:29
それぞれ一人が生き残った鈴木家殺人事件と白石家の放火事件。作家の西野冴子はある人物からの手紙により、両殺人事件は交換殺人ではないかと疑いを持つ。一方友人の篠亜美が付き合い始めたタケルが、鈴木家殺人事件の生き残りではないかという疑惑を抱く。手紙の送り主である白石唯は一向に正体を現さず、謎はますます混迷を深める。
かなり複雑な人間関係なのに、あまりに急ぎ足で進むため、頭の中を整理するのに一苦労でした。しかもそっけない文章でストーリーがすんなり頭に入ってこない印象で、短い作品なのに話に付いてくのがやっとのありさま。もちろん私の集中力が足らないのも一つの要因ではありますが。
しかし、終盤世界が反転します。その辺りの手際は見事だと思います。突然のことで驚きますが、そのいきなりな感じがそれまでのそっけなさと相まって、余計に衝撃を受けることになります。ただ、取材用のレコーダーによる証言は、実名はともかくどのように事件と関わり合いがある人物なのかをはっきりさせて欲しかったと思いますね。文脈から想像しなさいってことでしょうが、やや不親切ではないですかね。
結末はやや不透明感があり、いったい本当の真実はどこにあるのだろうと首を傾げたくなるもので、何とも言えないモヤモヤとした余韻を残します。

No.7 5点 緋い猫- 浦賀和宏 2016/11/10 22:03
昭和二十四年の東京。プロレタリア文学好きの女子高生洋子は、学生や工員たちの集う喫茶店で、共産主義寄りのリーダー的存在である青年佐久間に惹かれていく。ところが、周りに恋人同士と認められた頃、彼は突如失踪する。洋子は青森にある彼の実家を訪ねるが、それが彼女の運命を狂わせることになるのだった。
というわけで、本格として登録されているが、サスペンスなので読もうと思っている方は(多分いない)、注意されたい。
まあ何となく既視感を覚えるストーリーだし、実際よくあるパターンの物語だが、それなりに新味があるのかと問われれば否と答えるしかない。帯には「息を呑む、衝撃的な結末!」と謳っているが、読者が期待している種類のものとは違い・・・おっとこれ以上はネタバレになるから書けない。
浦賀らしいと言えばそれまでだが、中身が希薄なのはお約束のようなものだ。主人公の洋子と共に過酷な運命を追体験すればそれで十分な作品だと思う。

No.6 5点 彼女が灰になる日まで- 浦賀和宏 2016/01/11 21:49
序盤から中盤までは謎めいていてそれなりに楽しめたが、以降トーンダウンするというありがちなパターン。そしてラストはなんだかスッキリしないままフェイドアウトする感じが、らしいと言えばらしい。
しかしなあ、浦賀和宏という名前に特別ネームバリューがあるわけでもないのに、なんとなく買ってしまうのはなぜだろう。どこか惹かれるものがあるのは確かだろうが、過剰に期待させる何かを持っているのであろうか。
府中脳神経外科病院では、昏睡状態から目覚めてリハビリを終えた患者が、次々と自殺するという事件が起こる。これは単なる連鎖反応なのか、それともある霊能者の魂が乗り移るために起きるオカルト現象なのか。
この謎を追って、当事者の一人である主人公、フリーライターの桑原銀次郎は取材を始めるが・・・。
謎そのものは申し分ないと思うが、その処理の仕方がどうもうまくない感が否めない。どうにも消化不良気味な後味の悪さが残るのもいただけない。

No.5 6点 こわれもの- 浦賀和宏 2015/08/26 22:02
これは本格なのかサスペンスなのか。どちらとも取れる不思議な作品である。
これほど登場人物がうまく配置され、バランス感覚が優れているミステリはあまりお目にかかれない。必要最低限に抑えて、最大限の効果を狙う作者の姿勢は見事としか言いようがない。
また先の見えない展開に振り回されて、無心で読める優れものである。それだけにとどまらず、ツボを押さえた逆転劇やひねりの効いたオチも読み応えがある。小ネタだがトリックもよく考えられていると思う。

No.4 4点 究極の純愛小説を、君に- 浦賀和宏 2015/07/24 21:47
なるほど、これが浦賀流メタミステリなのか、このように書くとどれだけ凄い作品かしらと思われるかもしれないが、実際大したことはない。
作品の性質上、ストーリー展開などは紹介すべきではないと思うので、ここでは書かない。まあ興味があるなら読んでみても悪くはないが、無論私にはその出来に対して責任はとれないのであしからず。
二点だけ、気になる個所があったので、少しだけ触れて終えようと思う。
一点目。アメリカン・ニューシネマとして『俺たちに明日はない』『イージーライダー』『タクシードライバー』が挙げられているが、『タクシードライバー』は除外されるべきであろう。確かに内容的にはそれに近いものがあるが、年代が違うし同じ俎上で語られるのは間違いである。
二点目。『スターウォーズ』と『エヴァンゲリオン』を比較検証されているのは、なかなか面白い試みだと感じた。ただ、本作自体がこれらの論点を踏襲していたならもっといい作品に仕上がったのではないかと思うと、少々残念である。

No.3 5点 彼女は存在しない- 浦賀和宏 2015/06/10 21:52
面白いか、面白くないかと聞かれれば、どちらとも言えない。やりたいことは分かるが、ストレートに伝わってこない。せいぜい「そうだったのか」程度にしか思えず、あっと驚くような、なるほどと膝を打つような、そんな感じがなかったのは残念な限り。
私も内容の割に長かった気がする。冗長とは言えないかも知れないが、緊迫感に欠け、なんとなくだらだらとした感触が否めない。なんだろう、プロットの問題なのか、文体の問題なのか分からないが、上等な材料を上手く料理できなかったような、というのが本音かな。
中身については触れないのが大人の対応だろう。未読の方には多分わけわからないと思うが、許されたい。

No.2 5点 地球平面委員会- 浦賀和宏 2014/08/27 22:07
アイディア自体はまあ悪くはないとは思うが、「平面世界」の正体には正直唖然とするばかりで、どうも真実味に欠けるというのが率直な意見。確かに世の中様々な人間が生きて生活しているわけで、こうした一種異様な思想というか、観念を信奉している人も中にはいると思うので、あり得ないとは言わないが。だが、個人的にはやはり共感しかねるのである。ここまで書いて未読の方には理解できないだろうが、これはそうした抽象的な側面を持った作品なので、ある意味やむを得ないと考える。
冒頭は、大学のキャンパスの雰囲気も良く伝わってくるし、地球平面委員会という得体の知れない同好会?にも興味を惹かれるようにうまく誘導しているため、それなりにストーリーに入り込めるのだが、途中ダレるのがよろしくない。
なぜ主人公の大三郎にここまでしつこく入会を勧めるのか、最大の謎の正体には正直拍子抜けした。何だそんな事だったのかって感じ。まあ、このジャンルに強い人にはピンとくるのかもしれないけれど。
全体像がなんとなくぼんやりして、強烈なシーンも見当たらないし、どこと言って見るべき点もないため、素材は面白いだけに損をしている気がする。やはりこの作家は自分には合わないのかもしれないし、客観的にみて文章がこなれているとは言い難い。

No.1 6点 眠りの牢獄- 浦賀和宏 2014/07/13 22:23
二つのまったく関連性のないごときストーリーが並走する構成は、好きな部類だし、面白いと思う。それらが一体どうつながっていくのか、興味深く最後まで読める。そして、いくつも驚愕ポイントが用意されているが、いちいちテンションが上がらない理由が、淡々とした文章にあるのではないかと思う。それが残念でならない。この作品は料理の仕方によっては、大傑作になった可能性が高いはずである。もっとこう、ねちっこい文体で書かれていたなら、或いはもっと上手い作家の手になったとしたら、それこそミステリマニアも大絶賛のヒット作となっていたかもしれないのだ。
だがまあ、そんなことを言っても詮無いことなので、諦めるしかあるまい。どこか既視感のあるメインストーリーではあるし、そして正直またかと思わざるを得ないトリックが用いられているが、全体として実に緻密に練られたプロットであり、隅々まで整合性が取れている点は評価されるべきであろう。
個人的には繰り返しになるが、もう少しこってりと描き込んでほしかったし、もっとボリュームがあってもよかったと思う。氏にしては小さくまとまり過ぎていたのではないだろうか。

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メルカトルさん
ひとこと
「ミステリの祭典」の異端児、メルカトルです。変人でもあります。色んな意味で嫌われ者です(笑)。
最近では、自分好みの本格ミステリが見当たらず、過去の名作も読み尽した感があり、誰も読まないような作品ばか...
好きな作家
島田荘司 京極夏彦 綾辻行人 麻耶雄嵩 浦賀和宏 他多数
採点傾向
平均点: 6.02点   採点数: 1773件
採点の多い作家(TOP10)
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