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江守森江さん
平均点: 5.00点 書評数: 1256件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1136 6点 CSI:マイアミ カルトの狂気- ドン・コルテス 2010/12/27 09:40
AXNでのシーズン1〜6の連続放送を録画視聴中。
最新シーズンは某chを未契約なので地上波(テレ東)待ちになるのだろう。
オリジナル・ノベライズがあると知り図書館をあたったが蔵書が無く諦めていたら先日、古本屋の100円コーナーにあったので即時購入した。
基本的にキャラや雰囲気はそのままで翻訳者も含め手慣れた感じがする。
ミステリとしてもドラマの一話をジックリ視聴するのと変わりない。
ホレイショの熱さと格好良さは特筆モノでドラマ共々魅了されてしまう。
※補記、CSI:マイアミを含む海外ミステリー・ドラマを堪能する為のオマケ(小説以外でも面白いミステリは沢山ある!)
大倉崇裕ブログのドラマレビューをエピソード視聴後に検索して読むと楽しさが増す(但しレビューの欠番多し)

No.1135 5点 殺人課刑事- アーサー・ヘイリー 2010/12/27 08:11
本作のドラマ版が前・後編の2週に渡りAXNミステリーで放送された。
前もって図書館で借りていた上下巻(文庫で各400ページ強)をドラマ一気視聴後におさらいした。
「ホテル」(←以前読んだ)や「大空港」(←未読)で有名で、緻密かつ濃密な業界描写に定評がある作者が警察を舞台にしたミステリーに挑んだ意欲作らしい。
私の一番苦手な宗教が絡むミステリーで、元神父の刑事が主人公な為か「聖書」の引用や蘊蓄が多用され鬱陶しい。
それでも分量を感じさせずに読ませる技量は評判通り。
原作はドラマよりも警察の内幕描写は濃密で面白いだけに私的な苦手設定が残念でならない。
ミステリとしては早めに犯人を悟らせ、主人公がどう気付くかを描く手法な為に微妙ではある。
宗教絡みのミステリーに接すると病んだ事件の原因は宗教への狂信が殆どだと思える。

No.1134 5点 準急ながら- 鮎川哲也 2010/12/26 18:48
この作品の書かれた時代にはフィルム式のカメラも高級品で一般家庭にさほど普及していない珍しい品だったのだろう、新し物好きな当時の推理作家達?(清張や土屋隆夫)がアリバイトリックに使用していた。
同時期に似たようなトリックが連発され更に藤原宰太郎の推理クイズネタにもピッタリな為にネタバレされまくった。
本作にはその程度の印象しか無かったので書評をアップしなかったのだが、以下を書きたいのでアップする。
※ほとんど余談
デジカメ全盛でフィルム式は廃れているが、小細工が科学的に見破り易い(要するに本作レベルのトリック)ので証拠の改竄がしにくい→日本では証拠資料写真には今でも、改竄が見破り難いデジカメではなくフィルム式が使われているらしい(←クイズ雑学王で出題された)
※ついでの余談
デジカメ登場以前、フィルム式で撮った○○写真は現像してもらえず、マニア向け雑誌に投稿して現像返却してもらった事がある(要するに目線入りで雑誌掲載された)

No.1133 4点 シャーロック・ホームズ最後の挨拶- アーサー・コナン・ドイル 2010/12/26 17:41
ホームズはグラナダ版ドラマでジェレミー(露口吹替)を観るのが一番だ!の主張は揺るがない。
なので今更、原作をどうこう論じる気はない《否!》そこまで深く読み込んだわけでなく論じられない。
本作品集の中で一番印象深いのは兄マイクロフトが「これが、弟のシャーロックだ」と他人に紹介する場面。
子供の頃「自分にもシャーロック並な弟がいればな〜」と両親に迫った、なんとも無神経な苦い経験が思い出される。
※正直に告白します。
殆どのホームズ短編に接したのがグラナダ版ドラマをVHSビデオで視聴したのが最初で、かつ視聴順がバラバラだった為か、全編内容は知っているが大半はタイトルと結び付かず何度も同じ作品を観てしまう。

No.1132 5点 シャーロック・ホームズの回想- アーサー・コナン・ドイル 2010/12/26 17:25
先月AXNミステリーではホームズ特集月間でグラナダ版ドラマの全短編をキャッチ・アップ放送した。
殆ど観ていたのでドラマすらおさらい視聴になったが、原作も図書館の棚の前で眺め直した(古い本しかなく読み難くかった)
やっぱりジェレミーをドラマ版で観る方が楽しい(特に露口の吹替版)
有馬記念当日だし、これには昔の英国競馬が舞台な作品も登場するのでアップした。
今でもチャンピオン・ステークスは伝統ある重要レースだが、賞金自体は日本のヘボ重賞レベルで、到底借金一掃なんか出来ない。
その点、有馬記念は堂々と世界に誇れるレースだ!
白鳳が当日ゲストで白帽・NHK(相撲放送1ch)な1枠1番が勝った(しかも調教師が角居勝彦)のはホームズなら当然のごとく推理するだろう。
※上記のヨタ話が書きたくて本作書評の場を借りましたm(_ _)m

No.1131 5点 小説 競馬必勝法- 井崎脩五郎 2010/12/25 21:43
明日は有馬記念。
フジテレビを見れば当然のごとく、インチキ予想を喋り倒す作者が出演している。
JRAの馬券売上促進オペレーションの一環で高本公夫とセットで売り出したが、体制側の存在として未だに君臨している。
笑いで誤魔化し君臨している事さえ気づかせないテクニックはミステリの手口その物。
本作自体は馬券絡みなコンゲーム小説で馬券マニアの仲間内では結構読まれていたがたいした作品ではない。
時事問題に絡めた馬券指南は時に大ヒットを飛ばすが、凡人は笑いで誤魔化され正解だと気づけない。
9・11テロの年の有馬記念でマンハッタン→アメリカンボスを笑いながら呟いた事は忘れられない(作者が的中して儲けたか?は定かでない)
※インフルエンザ大流行の年の有馬記念でマツリダゴッホが勝ち調教師がインタビューで「ゴホゴホが云々」とオペレーション馬券を匂わせたが、それくらい世間に浸透しているのだろうか?

No.1130 6点 サラブレッドと話のできる男- 高本公夫 2010/12/25 21:27
明日は有馬記念。
毎年、ダービー前とこの時期の二度は馬券術の師(勝手に思っている)である作者を懐かしむ。
本作は作者が世に出た作品だが全く見向きもされず、この後に馬券指南本を出すまでは無名な存在だった。
年末の寒い中、神保町のとある古本屋の棚にひっそりとあった「この本」を手に入れた事で、後の馬券でどれだけ美味しい思いができた事だろう。
「馬券的中その物が暗号解読ミステリーなのだ」との主張は今でも必勝法だと思っている。
「名優たちの有馬記念」のキャッチコピーの年に、その年に没した松田優作を絡めダイユウサク→メジロマックイーンで決した有馬記念で儲けた事は忘れられない。
作者の作品展開がJRAの馬券売上促進オペレーションの一環だったとの説もあり、存在自体もミステリーな作家だった。
※余談
実際に一度でも中山競馬場で観戦すれば有馬記念が国民的イベントであると実感できる。
遥か昔、帰りのオケラ街道にあったストリップの看板に密かに欲情し線路を跨いで寄り道してしまった。

No.1129 4点 謀られた騎手- 安部譲二 2010/12/25 18:00
明日は有馬記念&ボクシング亀田兄弟のW世界戦。
2つ共通で思い浮かんだのがヤクザ作家の安部譲二。
本作はスポーツ新聞連載作品らしくスラスラ読める以外褒めようがないサスペンス小説。
しかし、今年没した名馬オグリキャップの引退レースだった「有馬記念」(←フジテレビの実況に混じる大川慶次郎のライアンの濁声でお馴染みのレース)はデキレースだったとの説を小説にし物議を醸した事は非常に印象深い。
オグリキャップは有馬記念前の同距離の条件戦より勝ち時計が遅く、上がりも冴えないレースで勝利し引退の花道を飾ったが、レース自体は断じて社会現象になる程の内容ではない。

No.1128 6点 幻の森- レジナルド・ヒル 2010/12/25 06:22
AXNミステリー今週放送の「ダルジール警視」新エピソードは本作。
パスコーが暴走気味に追う第一次世界大戦下の曾祖父失踪の謎(ドラマでは祖父に改変)とダルジールが追う製薬会社の敷地の森で発見された古い人骨の謎が最後は一体になる御都合主義がかえってミステリーらしいし、英国の田舎町の狭さを感じる。
適度に端折って制作されたドラマ版(正味90分)程度の分量が程良いと感じるくらい原作は分厚く、ここまで来るとミステリーに名を借りたダルジール達の大河ロマンになっている。
話変わって、今年のベストセラー本マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(←ハーバード白熱教室)の書評で、議題そのものがミステリーに転用されていると書いたが、本作の動機はそのものだった。
(法的には当然のごとく裁かれるのだろうが)本作の犯人も己の正義を貫いただけなのではないか?と深く考えてしまった。
哲学的思索は読書以上に疲れる。

No.1127 7点 メルトン先生の犯罪学演習- ヘンリー・セシル 2010/12/25 00:30
※但し書き
未翻訳?短編「ひき逃げを見た!」(何かの短編集に翻訳収録されていないか検索したがヒット無し)の評を書きたい為に例外的に作者の翻訳作品欄を借ります。
古い法廷ミステリの書き手である事くらいしか作者についても知りません。
では、本題の「ひき逃げを見た」ですが脚本ヘンリー・スレッサー、監督アルフレッド・ヒッチコックでテレビ映画化されたのをAXNミステリー放送の「ヒッチコック劇場」(モノクロ作品)で視聴しました。
ヒッチコック劇場第四集のDVDにもボーナス・トラックとして収録されているそうです。
※要注意
察する方にはネタバレになります!
評を読む前に是非とも視聴してほしい作品です!!!
ピリ辛な短編ミステリのお手本と賞賛します。
ひき逃げをしたと訴えられ、法廷では自分で自分を弁護しながら多数の目撃者達の不確かさを検証し、最後まで惹きつけながら、見えない一撃(フィニッシング・ストローク)でノックアウトする作品。
ダレずに展開する法廷シーンだけでも充分面白いが、やっぱりオチあってのモノかもしれない。
モノクロの映像作品で叙述トリック?をカマされるとは思いもしなかった。
※採点に関して
ドラマ版は当然満点(8点)ですが、他作品の場所を借りているので保留のつもりで7点。
※翻訳情報を集める目的も兼ねてアップしたので、情報がありましたら、このサイトの掲示板に書き込んでいただければ嬉しいです。
宜しくお願いしますm(_ _)m

No.1126 6点 クリスマスのフロスト- R・D・ウィングフィールド 2010/12/24 22:33
皆様「メリークリスマス」
クリスマス・イヴにミステリーの書評をアップする時点で本作のフロスト同様パッとしない・・・・「違うんだよ俺は!妻子ある身だし、一緒に家族パーティーして責任は果たしたんだから!浄土真宗だし、息子もサンタクロースは存在しないと、とっくに悟ってるしね!」
AXNミステリーでドラマ最終話放送(済)に先駆け8月に初回から再放送してた(ドラマ版でも本作が最初のエピソード)が視聴契約の関係で後半のエピしか観ていない(また再放送するのを首を長くして待つ)
本作は、9月に古本屋の50円文庫棚で見つけクリスマス・イヴまで待機していた。
そんな状態で原作を読んだのでストーリー自体は完全な初読になった。
いや〜驚いた!ドラマ版以上に原作のフロスト警部が冴えない為に脳内変換に戸惑った。
行き当たりばったりで何となく事件を解決するフロスト警部は運を以て才能を制する凄い名探偵だ!(←「名探偵コナン」の毛利小五郎に並びうる)
そんな風に思わないとクリスマスにツラレて読んだ私はミジメだ。
それでも、結構厚い文庫なのに面白くスラスラ読めたからヨシとしよう。
※余談
クリスマス・イヴの為に一年越しで霧舎学園シリーズの12月も予定していたが時間が無く11月も未読な為に断念した。

No.1125 5点 古代天皇の秘密- 高木彬光 2010/12/23 11:58
東京タワーも誕生日、真っ先に思いつく乱歩「黒蜥蜴」は以前書評している。
ならば、今日は天皇誕生日。
「日本人ならクリスマスより先ずは天皇陛下でしょ!」って、昭和天皇みたいに誕生日当日に競馬の天皇賞(春)があったワケでなし、平成天皇は年末の傍迷惑な時期に生まれたせいか、国民は祝日の有り難みすら感じずクリスマス〜有馬記念〜正月に流され忘れ去る。
さて本作だが安楽椅子歴史推理の第三弾でネタ切れなのか古代天皇の謎なんてイマイチ興味の薄い題材になってしまっている。
日本史のお勉強じゃないんだし小説なのだから魅力的なお題と面白さも追求してほしかった。
推理する側の人物も神津恭介でない方が良かったかもしれない。
※余談
本日、競艇の賞金王決定戦が開催されるが、公営ギャンブルで天皇賞があるのが競馬だけで、年に春秋二回もあるのは依怙贔屓過ぎる。

No.1124 4点 小説新潮 2011年1月号- 雑誌、年間ベスト、定期刊行物 2010/12/22 23:34
雑誌の基準点を一律の3点にしているが、特集の面白さで微妙に増減している(今号は面白いので1点加点)
特集を評するのが目的なので掲載小説などはスルー(連載中の今野敏・隠蔽捜査4を毎月読んでいるし欠かさずチェックしている)
取り上げる対象は八百号記念特集で「八百字の宇宙」と題した関係作家87名(何度数えても87だが広告では88名とうたっている)によるショート・ショートみたいな雑文。
結構好き放題やっていて笑える(法月綸太郎は特に好み、有栖川は上手い手抜き、海堂尊のオチも・・・)
ミステリー的にはもう一つ目玉があり、高橋克彦・島田荘司による「東州斎写楽はどこにいる」と題した特別対談。
歴史認識に対する研究者と作家の立ち位置の違いや写楽蘊蓄は島荘の話題作も相まって楽しく読める。
島荘がこれからするロートル新人育成プロジェクトに関して「自己管理していれば何歳でもミステリーが書ける」発言は自分への叱咤激励なのだろうか?!
一般社会より進行は遅いが、ミステリーの書き手は高齢化社会へまっしぐら、読者も高齢化してミステリーは先細りの運命なのだろうか!!

No.1123 5点 なぎなた- 倉知淳 2010/12/22 19:19
落ち穂拾いな二分冊でも此方の方がレベルが高いとは思うのだが、アンソロジーやら小説誌やらで読んだような気がする作品ばかりで、皮肉にもファンである弊害は拭えない。
思い出し読書は時間を要さないので助かるが、ヤッパリ新作を読みたい欲求が強くなるのでファンには罪作りだと思う。
たいした事ない過去の遺産で食いつなげる作者を別の意味で尊敬している。
まがりなりにも初代の本格ミステリ大賞作家なのだから忘れ去られる心配は無いとタカを括っているのか?!
「仕事しろ!!!倉知淳」とロクに仕事もせず隠居爺みたいな生活をしている私が檄を飛ばそう。

No.1122 6点 こめぐら- 倉知淳 2010/12/22 19:02
新作を書いて単行本が出版されるのが理想だが、作者の仕事しなさ加減は半端でなく期待するのに疲れた。
長期間に渡る落ち穂拾い的作品をタイプ別に二分冊したモノの片割れ。
一時期執拗に追い続けた作者なのでアンソロジーやら小説誌やらで以前に読んだような気がする作品ばかりなのはファンである弊害なのかもしれない。
新鮮味が無く非常に残念な思いと思い出すだけの読書で時間を要さない事(ドラマ視聴に追われる現状の私には優しい)を相殺するだけの採点しか出来ない。
作品のデキは兎も角シリーズ短編集に収録されていない猫丸先輩作品が読めるのはファンには嬉しい(単なるファンの依怙贔屓で1点加点)

No.1121 4点 SPEC Ⅱ- 西荻弓絵 2010/12/22 04:42
意外にもドラマが好評だったのかノベライズの図書館予約も「相棒」ノベライズを上回っているのに驚いた。
ドラマの雰囲気はそのままにドラマではカットされたようなシーンも書き込まれそれなりに読み所はある。
しかし、ドラマ自体がこのエピソード(4話)辺りからミステリ的な捻りがあっても超能力を操る巨悪とのバトルに移行してしまい嗜好からどんどんズレてしまった。
私は購入してないので関係ないが、薄い文庫本での三分冊なので割高感がある。
3ヶ月連続刊行もラストがドラマの最終回後なのもタイアップ効果は薄い。
どうしても同じスタッフ制作の「ケイゾク」と比較してしまうし、越えるべきハードルは高い。

No.1120 4点 新トリック・ゲーム- アンソロジー(国内編集者) 2010/12/19 23:05
前作「トリック・ゲーム」の好評に味をしめたが、さすがに内外有名作のネタバレを連発するのに気が引け、オリジナル推理クイズ・アンソロジーに方向転換した本。
森村誠一やら風見潤やら西村御大やら結構豪華な執筆陣なのだが、ショート・ミステリーな分量の制約には打ち勝てなかった感がある。
それでも、推理する楽しみの普及には大きく貢献しているし、執筆陣を考えれば推理クイズによるミステリーの普及を作家側も容認していたのだろう。

No.1119 6点 トリック・ゲーム- 事典・ガイド 2010/12/19 22:54
藤原宰太郎のネタバレ推理クイズ本の系譜に位置する作品。
しかし、さすが大物推理作家?!の山村正夫だけあり協力者の顔ぶれが凄い(中島河太郎・大横溝・高木彬光など)
そんな事は関係無く、古典的内外有名作をダイジェストにしたネタバレ推理クイズ本(作者名のみネタバレ)としてのデキは酷い。
その反面、乱歩の「類別トリック集成」以外にトリック評論が無かった時代に、分かりやすさに重点を置きクイズ形式で章毎に傾向分類した素晴らしい分析本との評価もある。
ミステリー=二時間サスペンス程度な接し方の世の大多数の方々にとっては原典を読まないのだからネタバレなんて関係無く、ミステリー(推理する事)って楽しいと提起した功績の方が遥かに大きいと思っている。
パクリ作品や推理クイズのネタバレの影響で「原作で驚けなかった」なんて苦情は、〈パクリ作品や推理クイズを先に読んだ時の驚き〉と相殺される話だと思っている(←暴論と認識はしてるのでツッコミは勘弁)
※冒頭の挨拶文で「作者名のみのネタバレにし、作者の作品をあたる楽しみも残した」(←同様な表現で正確ではない)なんて書かれているのはご愛嬌。

No.1118 6点 相棒シーズン7上- 碇卯人 2010/12/18 21:32
裏事情は兎も角「亀山薫退場」の情報に衝撃を隠せなかったシーズン7のノベライズは上・中・下の3分冊になるらしい。
本書はその上巻で亀山薫退場となるエピソードの「レベル4」までを収録。
本日昼間の劇場版2宣伝再放送がドンピシャで「レベル4」だった。
刑事ドラマ特有な殉職による退場ではなく、僅かでも特番エピでの一時復活の可能性が残り良かったと思う。
もっとも読み所はシーズンを通じて1・2を争うエピソードと評価の高い「最後の砦」だろう。
そんな事に関係無く「亀山クン楽しい思い出をありがとう!」と感慨深い作品達である。
冒頭エピソードでの準レギュラー瀬戸内米蔵元法務大臣(津川雅彦)退場も相棒ファンには感慨深い。
※追記
シーズン9最終話で瀬戸内元大臣が再登場するとは思わなかった。
今度は亀山もカメオ出演させないものか!

No.1117 3点 目線- 天野節子 2010/12/18 02:39
※ネタバレ要注意!!!
他の有名作品にも触れ危険です。
例外的な同一作品二度目の作品評を完全ネタバレでする事で安易なドラマ化(メディアミックス)に警鐘を鳴らします。
鳴り物入りな特別枠作品として仲間由紀恵主演(犯人)で二時間ドラマ化され、昨日フジテレビ系で放送されたのを観た。
〈開いた口が塞がらない〉とはこの事か!と実感するくらい酷い。
原作自体が前例ある叙述トリックを軸にした作品で褒められた作品ではないのだが、それでも原作で作者が苦心し隠蔽した事を早い段階で平然と曝してしまう映像化はドラマ制作スタッフ一同のクリエーターとしての認識を疑う(ミステリー作品に関わるのは厳禁なレベル)
ある事柄の隠蔽を軸にした叙述トリック作品は多々あるが、映像化するなら結末まで隠蔽するべきで、不可能なら映像化すべきではない!
綾辻「十角館」・我孫子「殺戮」・歌野「葉桜」辺りの作品でネタを曝して映像化される事態を想像すれば、如何に暴挙であったかがわかるだろう!(先に挙げた作者達は許可すまい)
こんなレベルの映像化を許可した作者の認識を疑うし「ミステリに関わってほしくない!」
自費出版な一作だけベストセラーになった程度のロートル新人では映像化利権には太刀打ち出来ないのだろうか?

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江守森江さん
ひとこと

※「読書(ミステリ)は趣味で娯楽」「相容れない主張(嗜好)は、どこまでも平行線」を標榜している。
※多くの作品に接する努力として、映像化作品で済ます等々、ファジーな方法を常に模索している(本質的...
好きな作家
高木彬光、天藤真、平石貴樹、古野まほろ (ミステリーに限定しなければ一番は梶山季之...
採点傾向
平均点: 5.00点   採点数: 1256件
採点の多い作家(TOP10)
雑誌、年間ベスト、定期刊行物(52)
高木彬光(32)
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