皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
江守森江さん |
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平均点: 5.00点 | 書評数: 1256件 |
No.10 | 5点 | ポケットにライ麦を- アガサ・クリスティー | 2010/01/25 07:34 |
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先日ドラマを観たので図書館でおさらいして来た。
見立て連続殺人の処理と犯人指摘後のもう一つの真相は上手いが、動機と真犯人の意外性はありきたりだった。 ファジーに楽しむ姿勢なため、マープル物はポアロ物に比べれば技巧的でないので映像だけでも良いと思えた。 更に言えば私的にマープルよりポアロの方が好きでもある。 |
No.9 | 5点 | クリスマス・プディングの冒険- アガサ・クリスティー | 2010/01/17 14:30 |
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表題作を含めてポアロが登場する短編はドラマを先に観るファジーな読書を実践してみた。
ポアロ(スーシェ)のイメージが浮かび、なんとスラスラ読める事だろう! 表題作はドラマ版では「盗まれたロイヤル・ルビー」とタイトル変更されているが楽しい作品の一つだろう。 クリスマス・プディングが日本人のイメージするプリンとは別物で幸運の当たりクジ付きな事をこの作品で知った。 「スペイン櫃~」「負け犬」等、粒ぞろいな作品集。 |
No.8 | 6点 | 七つの時計- アガサ・クリスティー | 2010/01/03 20:38 |
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ポアロもマープルも登場しない青春冒険活劇だが、スパイ擬きな犯人だけでなく、正体不明な組織セブン・ダイヤルズ・クラブの七時(首領)当てと楽しみが2つある。
特にクラブと七時の正体はクリスティーらしい意外さで楽しい。 青春ドタバタ風味なドラマも楽しく観れる作品に仕上がっているので、其方から先に入っても良い。 |
No.7 | 4点 | なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?- アガサ・クリスティー | 2010/01/03 20:17 |
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どこかの書評で名だたる翻訳者達が当時の英国に精通していない為にクリスティー作品には誤訳が多々あると指摘されていた。
そして、この作品が例に挙げられていたので野次馬根性で、その書評と首っ引きで読んでみた。 更に、やや間延びした長編ドラマも観た。 ミステリー要素のある冒険活劇で、ポアロもマープルも登場しないので上記以外はイマイチだった。 特にタイトルからも鍵になるエヴァンズが何者か?が結末近くまで提示されず読者には推理出来ずに残念と思える。 |
No.6 | 4点 | パディントン発4時50分- アガサ・クリスティー | 2010/01/01 04:54 |
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先の方も書いているがタイトルからは列車物のアリバイ崩し作品を連想する。
列車で事件を目撃し、時刻表から列車の通過場所を特定するのでタイトル通りな作品ではある。 しかし、後半の屋敷物に変化してからは、ミス・マープルと少年探偵団的な趣以外は読み所がない凡作だった。 小説はポアロ物に比べマープル物は今一つな印象だが、映像でのヒクソンはスーシェに勝るとも劣らないので(AXNミステリーで)ドラマを観る事を勧める。 |
No.5 | 5点 | そして誰もいなくなった- アガサ・クリスティー | 2009/10/19 10:16 |
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最高峰ミステリーと世間の評価は揺るぎない。
しかし、約三十年前の初読時その評価に納得しかねた(発表時に初読した綾辻「十角館〜」も同様だった) それ以降再読していなかったが、今なら・・・の思いで再読した。 C・C&見立てによるサバイバル・サスペンスで夢中で読了は出来る。 一方で、登場人物達の(特に後半まで残る男2人の描かれたサバイバル能力と行動の矛盾に)生き残り本気度が感じられないのが不満の原因だったと気付いた。 ※以下ネタバレ御免! サバイバルを扱うなら〔C・C内の人物全員(初対面な極限状態では職業や身分は考慮すべきでない)を疑い続け警戒を怠らない〕〔事件の度に生存者全員での死亡確認、出来るなら死体に‘トドメの一撃’を加え完全抹殺〕->〔死んだフリは許さない〕な行動は必須。 最低でも、後半には死体を並べての確認行動は必要だと思う。 この手の作品(映像含)では、登場人物達になったつもりで生き残りを模索しながら読む(接する)ため、本気度が感じられなと高評価できない(ドラマの話だが、24やプリズン・ブレイクなんかも、その点では酷い) 本格ミステリ的な結末の捻りをなくすか、リドルにして描かなければ本気度の問題は生じなかったが、それで世界的高評価を得られたか?疑問で悩ましい。 この作品が世界的高評価な為か?未だに〔芝居オチの亜流である「死んだフリ」〕を用いた作品が書かれる弊害と、好きな舞台設定であるC・C物を世に知らしめた功績を加味&相殺して採点した。 ※余談 究極の生き残りは、自分で自分以外の全員を殺してしまう事だろう。 「死人に口なし」なので、最後は幾らでも言い逃れ出来る。 |
No.4 | 7点 | アクロイド殺し- アガサ・クリスティー | 2009/09/20 13:00 |
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この作品の発表より数年早く谷崎潤一郎が「この犯人隠蔽技法」を使用(世界的には更に旧作があるらしい)していた事を知り再読&書評をしたくなった。
それでも、一般的にクリスティーが原点の認識で良いと思うし、その発想と実行は賞賛に値する。 細かな気付きから嘘を見破り、ロジカルに組み立てるポアロの推理は読み応え充分で客観的に満点(8点)でも良いが、大技以外のアリバイトリックがチープなため減点(-1点)した。 ※この技法を用いた後続作品について。 現在では余りに有名で、書き出しから犯人直結で、構え(察し)ながら読む為に驚きが薄い。 この作品が原点にして完成度が高い為に二番煎じにしかなり得ない。 以上2点から自ずと辛い評価にする意向。 |
No.3 | 5点 | 牧師館の殺人- アガサ・クリスティー | 2009/09/16 04:56 |
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翻訳アレルギーな私に、ホームズ、ポアロ、マープルの有名作品は、先に吹き替え版のドラマか映画を見てから小説をオサライすれば抵抗感なく手軽に楽しめると教えてくれた記念すべき作品(私と同様な方は、この方法で翻訳アレルギー克服を試みては如何だろう)
マープルの吹き替えをした山岡久乃に日本版を演じてもらいたかった(原作のイメージを壊さないと思う) |
No.2 | 6点 | オリエント急行の殺人- アガサ・クリスティー | 2009/05/29 05:58 |
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翻訳物アレルギーな私でも、普通に読めた記憶がある。
作者より訳者に左右されるとの思いが翻訳物にはついて回る。 原書で読む努力をしないばかりにかなり損しているのだろう。 さて、この作品は初回限定で許される反則作品だろう。 それを考えつくあたりがクリスティーの女王たる所以だが。 |
No.1 | 4点 | ABC殺人事件- アガサ・クリスティー | 2009/05/28 02:23 |
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この作品の狙いは素晴らしい。
クリスティー作品は映画やドラマ(吹き替え済)で充分に楽しめるので一般的に高評価は納得。 しかし、初読の翻訳物(子供向け以外)がこの作品で、それ以降翻訳物アレルギーに見舞われた事を考えると辛い点にせざるを得ない。 私の原書で読めない語学力不足に触れるのは勘弁。 |