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空さん
平均点: 6.12点 書評数: 1505件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.5 9点 オリエント急行の殺人- アガサ・クリスティー 2008/12/16 22:27
オールスター・キャストで原作に忠実に映画化するには、確かにもってこいの作品でしょう。同一製作者によるクリスティー・シリーズ最初の映画になったのも納得できます。
冷静に考えれば、バカミスもいいところのアイディアです。がちがちの謎解きを期待して読み、その期待にたがわずポアロが論理的に解き明かしてくれるからこそ、とてつもない意外性があるのだとさえ言えるでしょう。
ただ、このアイディアを実現するためには、ある程度仕方がないのかもしれませんが、若干ストーリーに起伏がとぼしい気がしました。

No.4 8点 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー 2008/12/14 18:28
読み始めてまもなく(殺人が起こる前)、あれっと思いました。このシチュエーションの元になった短編を以前に読んでいたからです。
しかしさすがはクリスティー。元の短編も傑作だったのですが、それに新たなアイディアをたっぷり盛り込み、見事に長編化してくれていました。最後にポアロが関係者たちのアリバイをかたっぱしから崩していくところも驚きで、犯人が最初からわかっていても充分楽しめました。

No.3 8点 ABC殺人事件- アガサ・クリスティー 2008/12/12 23:34
初めて読んだ時は、クリスティーとしては特にすぐれているとも思わなかったのですが、再読して評価を改めました。
本作のメイン・トリックに似た発想は、すでにチェスタートンにあり、ブラウン神父とポアロが同じことわざを引用しています。そしてこの後いろいろな形で応用されて行くわけですが、本書で注目すべき点は、なんと言ってもカスト氏の設定だと思います。彼の性格づけも、ヘイスティングズの手記への挿入の仕方もさすが匠の技で、このあたりが単に謎を複雑化して読者をだませばいいと思っている作家とは違うところでしょう。

No.2 7点 殺人は容易だ- アガサ・クリスティー 2008/12/08 22:26
作者がどういう方向に読者の疑いを持って行こうとしているかは簡単にわかってしまったのですが(似たパターンをクリスティーは後の作品でさらに巧妙に使っていて、そっちを先に読んでいましたので)、それでもやはりおもしろく読めるのは、さすがに小説技巧のうまさですね。わかっていながら、誘導に乗りそうになってしまいます。
バトル警視(『ひらいたトランプ』等)が、ほんのちょい役でゲスト出演。

No.1 8点 ひらいたトランプ- アガサ・クリスティー 2008/12/07 14:06
前年に書かれた『ABC殺人事件』の中で、ポアロがこのような事件を扱ってみたいと言っていたプロットまさにそのままの作品です。
ヘイスティングズも不満をもらしていたとおり地味な事件で、オリヴァー夫人(他の作品にもたまに登場するクリスティーの分身ともいうべき作家)が犯人だったなどというような大技も全くありません。それでもミスディレクションを張り巡らせておいて、終盤にはスリリングな展開まで見せ、鮮やかな解決で納得させてくれるのですから、さすがにミステリの女王、センスの良さは抜群です。
ブリッジのルールは知らないのですが、ほとんど気になりませんでした。

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空さん
ひとこと
ハンドルネームの読みはとりあえず「くう」です。
好きな作家
E・クイーン、G・シムノン
採点傾向
平均点: 6.12点   採点数: 1505件
採点の多い作家(TOP10)
ジョルジュ・シムノン(110)
アガサ・クリスティー(65)
エラリイ・クイーン(53)
松本清張(32)
ジョン・ディクスン・カー(31)
E・S・ガードナー(29)
横溝正史(28)
ロス・マクドナルド(25)
高木彬光(22)
ミッキー・スピレイン(19)