皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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miniさん |
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| 平均点: 5.97点 | 書評数: 728件 |
| No.6 | 8点 | 運命- ロス・マクドナルド | 2015/12/28 09:58 |
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| 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、第1弾ロス・マクドナルドの6冊目、今年の生誕100周年作家も年の締めくくりはやはりロスマクにしよう
今年の後半はちょっと多忙だったので思ってた半分も読めなかった、ロスマクとM・ミラーはそれぞれあと1~2冊は読みたかったのだけどまたの機会に ロスマクは初期作は主に創元文庫で中後期は主に早川文庫と、文庫版で読めるものが多いが、「死体置き場で会おう」「犠牲者は誰だ」「運命」「ギャルトン事件」の4作はポケミスのまま文庫化から取り残されている 特に「運命」「ギャルトン事件」の2作は言わば作者のターニングポイントとして重要な作品だけに、文庫版しか絶対に読まない読者だと読まないままになってしまうのが惜しい 個人的には文庫版以外の版型には絶対に手を出さないという頑なな姿勢もどうかとは思う、ポケミスって海外では文庫版に相当するペイパーバックを模した版型なわけだから、ハードカバーなら敬遠する気持ちも分からなくはないが、文庫版の延長でもあるポケミス版だったら手を出してもいいのではと思うのだが ただ早川もさ、後期作は殆ど文庫化しているのだから上記の2作位は文庫化すべきなんじゃないかなぁ 現在は普通にロスマク名義の「死体置き場で会おう」「犠牲者は誰だ」までは最初はジョン・ロス・マクドナルド名義とジョンが付いていた ジョンを取った理由はジョン・D・マクドナルドという作家から紛らわしいとイチャモンをつけられたからだが、その辺の経緯は再三述べているのでここは簡潔に 原著では最初から今と同じロスマク名義で発行した最初の作が中期では珍しく創元文庫で翻訳された「凶悪の浜」で、名義変更後の2番目の作が「運命」なのである ただし次の「ギャルトン事件」までは英版だけは当初はジョンが付いていた、ロスマクって名義の話をし出すと結構ややこしいんですよ 「運命」は次作「ギャルトン事件」と並んでターニングポイントと言っていい 初期と中期を分けるのがアーチャーが初登場する「動く標的」だとすれば、中期から後期への転換点に位置するのが上記2作辺りなのは間違いないと思う この時期はロスマクとミラー夫妻の非行少女だった娘の問題で私生活が大変な時期だったのは有名な話で、この辺も語ると長くなるからここは簡潔に この時期は作者自身も神経症に悩まされていたらしく影響が濃厚に表れている、「運命」は一歩間違うとハードボイルドと言うより精神分析小説である 正直言ってロスマクにしてはシンプルなのだが、その割にはプロット的に良く出来ているとは言い難い、はっきり言って欠点も多い、意外性とかだって無いに等しいしね 前半はまるで館ものみたいな雰囲気が退屈で退屈で読み進めるのにメチャ時間かかった、得意の地道な調査場面なんて大して無いんだもん、過去の事件の経緯を多少聞き込みする程度 後半になると物語は動き出すのだが、それでも他のロスマク長編に比べたらあまり面白くない、そうです全体的に面白くないんだ(苦笑) この点数を付けたのはもう終盤の真犯人の告白部分である、これだけで高評価してしまった、真相判明(敢えて解明とは言わない)までの部分が1点、犯人の告白部分が7点という極端な配分としたい 犯人の告白で真相が判明するのは駄目で探偵役が推理して真相解明しているかどうかにこだわる読者がよく居るが、私はそう思ったことがない読者なんだよね 別に犯人の告白で真相が判明したって構わない、要は全体の話の流れと真相がマッチしているかどうかと真相の内容次第であると私は思う 「運命」はこの告白部分が感銘を受けるんですよ、プロットの拙さには目を瞑ってこの点数としたい だがしかしこの点は言っておかないと、当サイトで空さんも端的に指摘されておられますが全く同感です、はっきり翻訳が良くない、一人称を”俺”と訳したり場面によって文章のトーンが違ったりと違和感ある 早川さん、この作こそは新訳で文庫化すべきでしょう |
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| No.5 | 5点 | 象牙色の嘲笑- ロス・マクドナルド | 2015/10/14 09:58 |
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| * 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、第1弾ロス・マクドナルドの5冊目
ロスマクを初期・中期・後期で分けると、本名のケネス・ミラー名義の頃が初期、名義をジョン・マクドナルドに変えリュウ・アーチャーが初登場する「動く標的」からが中期かな ちなみにその後、ジョン・D・マクドナルドという作家から名前が紛らわしいとイチャモンを付けられミドルネームにロスを加えている 再びイチャモンを付けられ、今度は名前からジョンを削除してロス・マクドナルド名義とした「凶悪の浜」からターニングポイントと言われる「運命」「ギャルトン事件」あたりまでが中期か、まぁその2冊は中期と後期との過渡期の作という意見も有るようだ その後アーチャーの登場しない単発作「ファーガスン事件」を挟んで次の「ウィチャリー家」から完全に後期に突入する 「象牙色の嘲笑」はまさに中期の真っ只中の頃の作で、初期の旧式なハードボイルドの亜流から脱却したが、後期のいかにもこの作家らしさも全開とは言えず、悪く言えば中途半端と言えなくもない ただ私はハードボイルドでさえも本格派としてどうかという視点が嫌いで、いかにもハードボイルドらしいハードボイルドの方がが好きな読者なので、正直言って後期のロスマクはあまり好きではなくて、むしろ中期の方がバランスの良さを感じる面も有る とまぁ概略的な話はこれ位にして 「象牙色の嘲笑」ってさ、あまり突っ込んだ書評を見た事無いのだけれど、いや私が勘違いして読み間違えているだけかも知れないのだけれど 「象牙色の嘲笑」ってさ、結構バカミス級のトンデモな作だと思うんだけど |
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| No.4 | 4点 | ウィチャリー家の女- ロス・マクドナルド | 2015/09/09 10:17 |
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| * 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、第1弾ロス・マクドナルドの4冊目
後期3大傑作と言われる「ウィチャリー家」「縞模様の霊柩車」「さむけ」の中で、私にはこれが一番劣るように思った 上記の3作の中でやや毛色の異なる「縞模様の霊柩車」は別にすると、「ウィチャリー家」と「さむけ」はちょっと似ている面も有る どちらも失踪人探しから始まり、複雑なプロットと真相、無理矢理なトリック等々 まず問題はこのトリックの部分 「さむけ」のトリックもまぁ無理と言えば無理なんだろうけど、う~ん、でも私にはそれ程無理とは思わなかった、ネタバレになるから詳しくは書けないが、一応年月も経ってるしねえ 「さむけ」のトリックはまぁ何とか許容範囲なんじゃないかなぁ、本格派みはもっと無理なのいくらでも有るからね しかし「ウィチャリー家」の方は流石にちょっと無理を感じる また複雑なプロットだったら、「さむけ」位極端にやっちゃった方がロスマクらしくて良い、逆にシンプルな良さを狙うなら「縞模様の霊柩車」位で丁度良い 「ウィチャリー家」ってそういう面が中途半端なんだよなぁ 後期を代表する3作、私の評価は「縞模様の霊柩車」≧「さむけ」>>>「ウィチャリー家」ですね |
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| No.3 | 5点 | 動く標的- ロス・マクドナルド | 2015/05/20 09:53 |
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| * 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、第1弾ロス・マクドナルドの3冊目
初期のロスマクは筆名を安定させるのに苦労した ロスマクの本名はケネス・ミラーである、妻は言うまでもなくマーガレット・ミラーだがこちらは本名である そう結婚して姓が変わった奥さんが本名で書いて旦那の方が筆名なのである ただし再販以降は全てロスマク名義で出版されているが当初の4作はケネス・ミラー名義だった、既に作家として知名度の有った妻と混同されない為に5作目からジョン・マクドナルド名義になるのだが、ここでイチャモンを付けられる イチャモン付けた作家はジョン・D・マクドナルド、要するに名前が紛らわしいと言うわけだ、せっかく妻とは筆名が紛らわしくないようにした矢先だったのに 不思議なのはジョン・Dの長編第1作が1950年、ロスマクが名義変更したのが1949年の第5作だからロスマクの方に優先権が有りそうなものだが、ジョン・Dは短編の名手でもあり既にパルプマガジンなどで短編を書いていた その後2度の名義変更をするが面倒だから経緯は省略、最初の名義変更した第5作が「動く標的」で、この作でリュウ・アーチャーが初登場するのである そもそもアーチャーという名前の由来がハメット「マルタの鷹」に登場するサム・スペードの相棒から採っており、色々な点で初期のロスマクには先達の影響が色濃い 今の読者の多くはロスマクというとまず定評ある後期作から読む、いや後期作だけ読むという風潮があるが、私はこの「動く標的」を1番初めに読んだ珍しい読者なのである、多分アーチャーものの1作目というのが理由だったのだろう その後は順番通りには読まず風潮に則って(苦笑)後期作やちょっと遡って中期作と単発的に読んだ そうなるとだ、「動く標的」のファーストインプレッションは鮮明に覚えていなければならないのだがこれが殆ど忘れているのである(再苦笑) やはりねえ原因は先達の影響が強過ぎだからでしょう、初期はチャンドラーの亜流という世間一般的な評価も仕方ないところだろう もっとも通俗ハードボイルドも読む私としてはこういうのも決して嫌いじゃないんだけどね(再々苦笑) |
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| No.2 | 7点 | 縞模様の霊柩車- ロス・マクドナルド | 2015/03/16 09:55 |
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| * 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”
今年の生誕100周年作家は不作だった昨年とは一変、大物揃いだ 第1弾ロス・マクドナルドの2冊目 ロスマク後期の代表作と言われる「ウィチャリー家の女」と「さむけ」の間に書かれたのが「縞模様の霊柩車」である、その為か上記の2トップに挟まれて損をしているという評価をよく聞く つまり2トップに比べて遜色ないのに、書かれた順番が悪くて2トップほど読まれていないのが残念といった意味合いの世間的評価のようである そういった世のネット上の評価には一理は有ると私も思う、たしかに書かれた順番の前後に「ウィチャリー家」と「さむけ」が有るのは些か不運ではある ただしかし読んでみると私は別の感想も持った、「縞模様の霊柩車」は2トップとは肌触りがちょっと違うのである 「ウィチャリー家」と「さむけ」はまぁ基本路線としては似ている所が有って、いかにもロスマク後期のハードボイルド小説である しかし「縞模様の霊柩車」は地道な調査に終始する警察小説の味わいに近いのである、暴力シーンなども殆ど登場しない 2トップに挟まれて損をしているというよりは、そもそも「ウィチャリー家」と「さむけ」に比べて明らかに地味なのである 真相も2トップのような無理矢理なトリックを弄さず無難なところに着地している、それでいて悲劇性を演出しており、ファンの間でマニアックな評価が高いのも肯ける 地味な捜査小説という分野は私の嗜好に合っているので、本来なら高評価したいのだが、問題は”地道な捜査”場面に不満が無くも無い 地道な捜査というものは、探偵役がいくつか調査の選択肢がある中でどれを選ぶのかという面も話の流れの1つだが、「縞模様の霊柩車」に選択肢は無いのだ(苦笑) 例えば、”その事なら誰々が知っていると思う”と捜査先で聞かされると次の章では誰々に会う為にそこへ赴く、そのパターンがシリーズになって話が進められる つまりさぁ、話の展開がワンパターンなんだよなぁ 全体としては話に深みは有るんだけど、この物語の単調さが2トップに比較した時に豊潤さで劣る印象になっている面も否定出来ないんだよなぁ |
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| No.1 | 6点 | さむけ- ロス・マクドナルド | 2015/01/15 09:55 |
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| 私的読書テーマ”生誕100周年作家を漁る”、今年もやりますよ~
昨年の”生誕100周年作家”ははっきり言って外れ年というか、とにかくシーリア・フレムリン以外に大物作家と呼べる存在が居らず、マニアックな作家ばかりが目立った年回りだった 未(ひつじ)年は株価的に投資家には未辛抱と言われ、気象関係者には羊の温和なイメージとは逆に異常気象が多い年回りなのだそうだ、今年は如何だろう さて未年の今年は昨年とは一変、大物作家の多い当たり年である ”今年の生誕100周年作家を漁る”、第1弾はやはり大物からスタート、ロス・マクドナルドだ 昨年12月2日に翻訳家の小笠原豊樹(本名=岩田宏)氏が亡くなった、謹んで御冥福をお祈りいたします 小笠原氏の翻訳はSF小説にまで及び、ミステリー翻訳における貢献度は多大なものが有るが、小笠原氏の翻訳で直ぐに名前が浮かぶのが、ロスマク後期の名作と言われる「ウィチャリー家の女」「縞模様の霊柩車」「さむけ」の3作である 上記3作以前と以降のロスマクの翻訳はまた別の翻訳者も多いので、小笠原豊樹訳=ロスマク絶頂期のイメージが定着している ところで私は、ロスマクだけを読んで、チャンドラーもハメットも読まないという昨今の風潮が嫌いである その手の読者のロスマクを読む理由が、ハードボイルド派に興味を持ったからが理由ではなくて、ロスマクだけは本格派としても読めるからという理由で手に取るというものだからだ こんな悪しき風潮を生み出したのがあいつだ、瀬戸川だ やはりロスマクはハードボイルド派の1人という気持ちで読んで欲しいと私は思う ロスマクを読むならチャンドラーもハメットも読むべき、ロスマク”だけ”を読むくらいなら最初からロスマク自体に手を出さなきゃいいのにと思ってしまう ちなみに私はロスマクよりもチャンドラーの方が好きです(苦笑)、ついでに言えば通俗タイプなんかも好き(再度苦笑) えっ、「さむけ」について語れって、う~ん、あまりグッっと来るものが無かったかな(さらに苦笑) |
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