皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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  | makomakoさん | |
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| 平均点: 6.17点 | 書評数: 898件 | 
| No.158 | 6点 | 配達あかずきん- 大崎梢 | 2010/09/26 08:15 | 
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| 読んで不快な内容ではないが非常に面白いというほどでもない。表題の配達あかずきんが一番よかったかな。まあ軽い内容でひとつずつの長さが適当なので電車の中などで読む分にはちょうどよいかも。 | |||
| No.157 | 6点 | クリスマス黙示録- 多島斗志之 | 2010/08/29 07:35 | 
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| アメリカを単にツアー旅行しただけでは決して分からないアメリカ人の日本人に対する考え方やアメリカ人気質がよく描かれている丹念な小説ではある。しかし主人公のタミはやたら相手を不愉快にする発言を繰り返す嫌なキャラクター。敵の女警察官はモンスターのような女。こんな女が今まで普通の警察官でいられたの? それを受け入れればまずまずなのだが。登場人物が好きでないのでどうしても印象は悪くなる。ひいきの多島氏の作品なのでちょっと甘めの評価。 | |||
| No.156 | 7点 | 離愁- 多島斗志之 | 2010/08/21 21:20 | 
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| これはミステリーというより恋愛小説のほうがふさわしいかもしれない。でも推理の要素はかなりあってそれなりに楽しめるし、結果もちょっと意外なものとなっている。 主人公はほとんど無表情の女性。死後30年してからその女性の過去を探っていくという地味な話ではあるが多島氏らしい丁寧なストーリー展開にひきつけられる。 | |||
| No.155 | 4点 | 雪のマズルカ- 芦原すなお | 2010/08/21 21:07 | 
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| これは私にはあわない。芦原すなおは好きな作家であのふんわかした気分がなんともいえないと思っていたのだがこれは全く違ったテイストの作品。ぼんやりした小説を書いていたらたまにはスカッとしたものを書きたくなるのは分かるのだが、この小説はハードボイルドとしては間抜けなところがある(ハードボイルドの間抜けはぜんぜんふさわしくないと思うのだが)。推理小説として読むと穴だらけでこんな殺人を平気でやってしまう女探偵がいること自体が腑に落ちない。ふうちゃんが登場するのが唯一の救いとの意見に同感です。 | |||
| No.154 | 6点 | 虫とりのうた- 赤星香一郎 | 2010/07/24 16:45 | 
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| 私はミステリーよりホラーの要素を強く感じました。読んでいるとそれなりに面白いのですが、ちょっと気味が悪いところがあり好みとはいえない。 作者から解明されていない秘密が隠されているとコメントされているが、残念ながら私は見つけられなかった。その秘密をみつけないとこの話は解決されないというから難儀なことです。したがってみつけられなかった私はもうひとつ割り切れないままとなりました。 | |||
| No.153 | 7点 | 福家警部補の挨拶- 大倉崇裕 | 2010/07/18 07:39 | 
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| 4つの中篇すべてが倒叙小説。作者らしく犯人はその道に執着を持つために殺人まで犯してしまうという設定。どろどろとしたところは全く無くさらりと読めて後味もよい。福家警部補がかわいい小柄な女性であることにまずびっくりさせられるが読んでいくうちにこの警部補が好きになってきた。ちょっと作品ごとに出来不出来はあるがこのシリーズの続きも出ているので読んでみよう。 | |||
| No.152 | 8点 | 青春デンデケデケデケ- 芦原すなお | 2010/07/18 07:26 | 
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| 作者が直木賞をとった作品。片田舎で何も知らない若者がバンドを組んでといった話でミステリーとはいえないが、同年代の私にはきわめて共感が深い。出てくる音楽もほとんどがかってなじみだったものばかり。われわれの青春時代を髣髴させてくれる。友人に勧めたら「三丁目の夕日」といわれた。そうかもしれない。 | |||
| No.151 | 4点 | 共犯マジック- 北森鴻 | 2010/07/11 17:47 | 
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| 北森鴻は好きな作家であるがこれは私にはあわなかった。悪いことのみが当たる占いのお話なんてだいたいがいやな感じがする上に結末ももうひとつすっきりしない。 | |||
| No.150 | 7点 | 白戸修の事件簿- 大倉崇裕 | 2010/07/11 17:41 | 
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| こんな軽い感じの話は好きです。それぞれの話の中になかなかマニアックな薀蓄様の内容が盛り込まれているのも面白い。ツール&ストールが一番好き。 | |||
| No.149 | 5点 | 無法地帯 幻の?を捜せ!- 大倉崇裕 | 2010/07/11 17:36 | 
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| おたくの書いたおたく向けミステリー。登場人物のやることがめちゃくちゃでとてもこの世界についていけないと思ったらおしまいでしょう。よくこんな話を書いたもんだ。 作者の三人目の幽霊や白戸修の事件簿を読んでこの作者を好きになったのでインターネットで買ったが、本屋で見たらきっと買っていないね。 それでも5点としたのは私もゴジラの映画はすべて見ているし仮面ライダーはクウガ以後は楽しみにしているし(おたくじゃないよ、少年の心を忘れないだけ)。多少のシンパシーがあるので。 | |||
| No.148 | 6点 | 冥府神の産声- 北森鴻 | 2010/07/04 13:23 | 
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| 北森鴻らしくよく出来た小説と思うが、このお話はどうもすっきりしないところがある。物語があちこちの部分ですこしずつあいまいになっており本格推理といった感じは薄い。それでも十分に楽しめることは楽しめる。ただ医学系の話は自分がかかわりがあるせいかどうしても穴が見えてしまい楽しみが半減する。そういった穴を気にせずに読めば結構面白いと思うのだが。それにしても解剖学者が先端の移植医に突然なるのは無理なんじゃないかなあ。 | |||
| No.147 | 7点 | 三人目の幽霊- 大倉崇裕 | 2010/06/26 13:23 | 
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| 落語がもとだなんてと思っていたが、なかなかに面白い。特に表題の三年目の幽霊が好み。ミステリーとしては小ぶりで事件も殺人などの殺伐したものは無く日常の謎のようなものが主体なのだが、十分に楽しめた。 | |||
| No.146 | 5点 | カンナ 鎌倉の血陣- 高田崇史 | 2010/06/21 06:17 | 
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| カンナシリーズは本格ミステリーとするにはあまりにも軽い内容であるが、歴史と薀蓄が好きな私には読めばそれなりには楽しめる。登場人物にもなれQEDの奈々ちゃんがチラッと登場しているのはファンにとってはちょっとしたプレゼント。推理小説としてだけ見れば残念ながらあまりぱっとしないが源氏三代の謎という点では面白い推理が楽しめた。 | |||
| No.145 | 5点 | 私が殺した少女- 原尞 | 2010/06/20 17:17 | 
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| ハードボイルドが好きなら結構面白いのかも。沢崎という探偵はよほど馬鹿なのか余計なことを言っては失敗していると思って読むのならぜんぜんダメでしょう。こんな頭の悪い男が正鵠を獲るような最後の展開も説得力はないしね。外国の小説ならまだ外人にはこんな人間がいるのかと多少の納得があるが日本人が主人公だとどうもいけない。結局私がハードボイルドをあまり好まないせいなのでしょう。 | |||
| No.144 | 8点 | 七度狐- 大倉崇裕 | 2010/06/13 08:18 | 
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| 古典落語の話がメインということでちょっとどうかなと思ったのですが、落語のお話も芸に対する執念も興味深く書き込んである。さらに孤立した村と名探偵とパートナー、意外な展開と本格推理の面白さをしっかり楽しませてくれる。惜しいのは登場人物がうまく描き分けてあるのに探偵の手先となる緑さんがもうひとつのところ。もうちょっとでなかなかかわいくて素敵なヒロインとなれそうなのだが。 久しぶりに夜がふけるのも忘れて読んだ。この作品好きです。 | |||
| No.143 | 7点 | 白楼夢 海峡植民地にて- 多島斗志之 | 2010/06/06 18:12 | 
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| 冒険小説、歴史小説そして推理小説の要素が加わった魅力的な内容。ことに白蘭という女性が強烈なインパクトがあり興味しんしんで読み進めると複雑なストーリーが絡み合ってきてと、このあたりは非常にすばらしい。幕切れも後味が悪いわけではないが、多くの謎が未解決のまま突然終わってしまうのは推理小説としてはどうかなと思うところがある。続編は多分望めそうもないし。ちょっと残念。 | |||
| No.142 | 7点 | トーキョー・プリズン- 柳広司 | 2010/05/28 18:20 | 
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| 戦争直後の混乱と密室殺人をうまく組み合わせた力作だと思う。いろいろな歴史世界を舞台とする話が得意な作者だけあってこの時代の矛盾やそこに潜む悲しみなどは上手に描かれているが、推理小説としてみるとトリックがちょっと無理かな。そんなにうまくいくとはとても思えない。 | |||
| No.141 | 4点 | 十二人の手紙- 井上ひさし | 2010/05/24 22:08 | 
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| この作品の書評がよいので読んでみたのだがこれは私にはあいませんでした。最初の手紙でまずがっかり。なんだこれだけ?あまりに安易ではないかと次を読む気がしなかったのだが、きっと面白くなるのだと我慢して読んだ。ひとつの話が短すぎる。しかも「なあんだ」という話ばかり。最後の話も途中まで読んだら結論は読めてしまった。推理小説のほとんどで犯人が分からず読者への挑戦などで勝ったためしがないというのに、これはまたどうしたことだろう。 | |||
| No.140 | 5点 | 新・オリエント急行殺人事件- 森村誠一 | 2010/05/24 21:55 | 
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| 題名を見てアガサクリスティーの「オリエント急行」を思い浮かべわくわくして読むとなんとオリエント急行の旅は殺人事件など無く終わってしまいがっかり。帰ってからのお話なのだ。いろいろな絡みもあるがいったい森村氏の作品では捜査陣の個性がない。いっぱい意見が出てくるし警察内での対立も描かれているが一人ひとりの個性がない。多分本当の警察ではひねくれて上司に絡むような警察官はほとんどいないだろうからこの方が正しいのだろうが何だか物足りない気もする。作者が「新オリエント」をつけた意味は最後まで読まないとすっきり分からないが犯人は途中で何となく分かってしまう。読後感はよいのだが出来はいまひとつ。 | |||
| No.139 | 5点 | 丹波家の殺人- 折原一 | 2010/05/19 10:58 | 
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| 折原一の凝った作品はマニア以外はなかなか読み難いと思うが、黒星警部シリーズは軽い内容で誰でも比較的読みやすい。しかしこの作品は残念ながらあまり軽くもなく本格としてそれほど凝った内容でもなく中途半端な感じがした。悪くも無いがよくもない。 作者はしばしば作品名を改題するため、私などは新しい作品として買って読むと実が昔読んだ内容であったことが何度かある。この各品もそのひとつでどうも読んだことがあると思っていたらやっぱり改題したものであった。買う前にちょっと見ればすぐ分かるのではあるが。これもトリックの一種? | |||