皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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makomakoさん |
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平均点: 6.18点 | 書評数: 862件 |
No.10 | 6点 | 絶叫城殺人事件- 有栖川有栖 | 2011/04/11 20:26 |
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有栖川は好みの作家なのだが、トリックのみが目立ったものとなるとがっかりするものもある。氏の短編集はトリックが主体作品となるものが多く私にとってはそのトリックの出来不出来によって作品の評価が決まってしまう。黒鳥亭なんかはかなり好きだが雪華楼のようにあまりに偶然を頼りにしたものはしらけるなあ。全体として読んで悪い印象があるものはないがすばらしいと感じるほどのものもない。ちょっとたったらすぐに内容を忘れそう。 |
No.9 | 7点 | 暗い宿- 有栖川有栖 | 2011/03/20 09:12 |
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宿をテーマのちょっと長めの短編が4つ。作品のでき不出来(好き嫌いではないと思う)がちょっと大きい気がする。表題の暗い宿やホテル・ラフレシアは推理の要素も有栖川氏特有のムードもあってとても楽しめたが、異形の客はちょっとおちる。201号室の災厄はぜんぜんだめ。こんなの無理でしょ。まあ作品のできに波があるのが氏の特徴かもしれないので我慢しましょう。よいものはとてもよいのだから。 |
No.8 | 7点 | 闇の喇叭- 有栖川有栖 | 2010/11/28 18:40 |
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これって北海道の人が読んだらどうかなと思う内容であるけれど、まずまず上手に出来ていると思う。ちょっとびっくりするようなトリックも盛り込まれているが本格物としてのインパクトとしては多少物足りないかな。
この小説は完結しておらず当然続きがあるものと思われ、作中の人物に愛着が深まってくればもっと楽しめるはず。次の作品を期待しよう。 |
No.7 | 7点 | 妃は船を沈める- 有栖川有栖 | 2010/10/17 19:30 |
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中篇をふたつくっつけたというのは本サイトの書評にもあるとうりでした。長さとしてはちょっと短い長編小説なのですがアリスと火村の掛け合いはやや少ないのは残念なのですが、その分推理小説としてコンパクトにそぎ落とされた魅力もあります。読みやすいしこういったこともときにはありなのではと思うけど、私としては作者のがっちりした長編のほうが好みです。 |
No.6 | 8点 | 朱色の研究- 有栖川有栖 | 2009/03/31 20:30 |
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なんともロマンチックな作品。2重に絡んだトリックはぎりぎりの線で成り立っていて犯人もある意味ではすごく純粋であり、結果はそこはかとなく悲しい。火村先生の中では好きな作品。 |
No.5 | 7点 | スウェーデン館の謎- 有栖川有栖 | 2009/03/29 12:26 |
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美しい雰囲気の中で美しい人が登場して、となかなかムードが良い。トリックは小粒だがまあそこそこでしょう。国名シリーズのなかでは好きなほうの作品です。 |
No.4 | 9点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2009/03/20 18:00 |
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学生アリスシリーズは大好きなのでこの本が出るまで本当に長く待たされた。ほとんどあきらめかかっていたときに出版されたので大変な期待のもとに読んだ。余り待たされると期待はずれとなることが多いのだが、この作品は期待にこたえ長さといい内容の濃さといいすばらしいと思う。久しぶりに長編本格推理小説を読んだなという感じ。読者への挑戦は双頭の悪魔では3回もあったが、本作品ではえらく控えめなのが一回あるのみだが、私にはぜんぜん犯人が分からなかった。本格推理小説としてよく出来ていると思うが、月光ゲームや孤島パズルでの学生らしいみずみずしさが少なくなっているのが残念。 |
No.3 | 9点 | 双頭の悪魔- 有栖川有栖 | 2009/03/11 19:57 |
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学生アリスシリーズは大好きな推理小説。月光ゲーム、孤島パズル、と進んでこの作品は断然完成度が高い。本格物としても非常に優れていると思います。細部にいたるまで緻密に構成され隙がない。初めて読んだときは推理小説化としての有栖川の進歩と実力を思い知らされ感嘆したものです。再読してもやっぱりすばらしい。ただ本格物として完成してくると若き青臭さが減少してくる。青春小説として物足りなくなってしまうのだ。孤島パズルにあるみずみずしさが少なくなったのは残念である。こんなことを感じるのは年かなあ。
さすがの有栖川もこれほどの作品を書くと次はなかなかかけない様で学生アリスは女王国の城まで10年以上待たされることとなったのはファンとしてはずいぶんつらかった。 |
No.2 | 8点 | 孤島パズル- 有栖川有栖 | 2009/03/04 20:38 |
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月光ゲームより文章もお話もさらに良くなっていると思う。宝探し、不可能と思える密室、アリバイが全員ない殺人どれも実に面白い。人物も良く描けているし新たなヒロインのマリアも素敵だ。なのに月光ゲームと同じ点数をつけたのは密室の謎が結局すっきりしないのと(これでは密室の謎を解いたことにならないと思うのだが)魚楽荘の事件はかなりのアスリートでなければ無理そうに思うがその伏線が張っていないのが気になるからです。最初に読んだときは満点あげても良いぐらいだったのだがいろんな小説を読んでいてだんだん気難しくなったのかもしれない。学生アリスが好きで本格推理小説が好きな私にとってとても大切な作品です。 |
No.1 | 8点 | 月光ゲーム- 有栖川有栖 | 2009/03/02 21:05 |
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アリスの記念すべき最初の長編。人物が多すぎる。一人ひとりがあまり描けていない。ダイイングメッセジもはきりいって無理がある。あきらかに青臭い。でもこの作品は大好きです。何度読んでも好きなものは好き。学生アリスはどれもロマンチックで本格派で私の好みにぴったりなのです。孤島パズル、双頭の悪魔とさらに文章も内容も良くなっていくところが実にすばらしい。探偵の江神さんは数ある名探偵のうちでも最も好きな探偵さんです。火村先生も良いのだが、私は江神さんのほうが好きです。学生アリスもっと書いてくれないかなあ。 |