皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
makomakoさん |
|
---|---|
平均点: 6.18点 | 書評数: 861件 |
No.4 | 9点 | 花の下にて春死なむ- 北森鴻 | 2010/01/13 21:49 |
---|---|---|---|
短編連作推理ものは謎解きにかけるスペースが少ないのでどうしても問題と回答といった小説となりがちであまり好みではなかったが、この小説はとても切れ味がよくしかもかくし味も効いていて作者の力量が並々ならぬものであることを知らされた。 |
No.3 | 8点 | 深淵のガランス- 北森鴻 | 2009/12/31 09:28 |
---|---|---|---|
このシリーズの探偵佐月恭壱は作者の薀蓄がたっぷりと入っているにもかかわらずいやみでなく、何となく暖かくしかも覚めて孤独な興味深いキャラクター。文庫本では表題作と血色夢の二つの中篇と凍月という短編が入っているが、深淵のガランスがことに好きだ。ストーリーもよいが雰囲気も楽しめる素敵な小説だと思う。 |
No.2 | 7点 | メイン・ディッシュ- 北森鴻 | 2009/12/06 08:15 |
---|---|---|---|
連作小説なのでひとつずつがそれなりの決着がある上に全体としてのストーリが展開するのは当然ではあるが、途中の話で結論と全く違う話がでてくる。あとでそれなりに訂正されるような展開とはなっているが、ちょっとうそをつかれたような感じがした。ユーモアもあり食のこだわりもありなかなかよいのだが、同じようにユーモアと食の話を交えた芦原すなおの「ミミズクとオリーブ」を読んだ後だったのであまりの個性の違いにちょっとびっくりした。ミステリーとしてはこちらのほうが断然上。私が読んだ北森の小説はいずれもどこか寂しく孤独な感じが漂っているが、本作品は孤独感はユーモアが交えてあるだけに余計につらいところがある(これが好きな人も当然あるだろう)。 |
No.1 | 5点 | 狂乱廿四孝- 北森鴻 | 2008/10/12 16:25 |
---|---|---|---|
歌舞伎が好きならきっともっと興味がわいたと思いますが、歌舞伎のことが何も分からないものが読むと名前のややこしさ(なんせ出てくる名前が難しい上に山崎屋とか音羽屋とか言う掛け声で出てくる名前で呼び合ったり、本名で呼んだりそのたびに説明がついてはいるがやっぱり分かりにくかった)があり、ようやく何とか理解したと思っていたらなかなか複雑な終局となりやっぱり混乱してしまった。はっきりいってちゃんと理解できたかどうか怪しいものであるが、江戸の雰囲気はなかなかよろしい。歌舞伎が好きだったらもっと良い評価となると思う。 |