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ロビンさん
平均点: 6.56点 書評数: 130件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.4 8点 フロスト気質- R・D・ウィングフィールド 2009/09/23 11:34
フロスト警部シリーズ第4弾。元々文庫で分厚い作品だったが、ついに上下巻に分かれ、約1000ページに及ぶ大作です。

このシリーズは毎回フロスト警部の相棒となる新米エリート警官が登場してくるが、そのうちの一人は女で、もう一人は、かつてデントン署に勤務していたいわくつきの人物。なんでも、かつて愛娘を交通事故で亡くし、その事件の担当だったが犯人を上げられなかったフロスト警部を恨んでいるとか。その真相自体はお決まりなんだけど、ホロリとさせるのは警部のキャラクターーだよなぁ。

パターンや構成は毎度のごとく、同時並行で起こる幾多の事件をフロスト警部が一手に手掛ける多重構造。何よりも己の直感を第一とする警部の杜撰な捜査が炸裂し、いつものように首の皮一枚で解決していきます。
特に、少年誘拐事件では今までにない知能犯との対決。何度も空振りを強いられ、今度ばかりはさすがにダメかも……?
だけど、ラストはやっぱり警部らしいオチ。あの証拠にしたって、ねぇ。

作者のウィングフィールド氏は既に他界して、残されたフロスト警部シリーズも残すところあと2作。はやく次作を読みたいようで、読みたくない、そんな心持です。

No.3 8点 夜のフロスト- R・D・ウィングフィールド 2009/02/23 22:06
いやぁ、相変わらず安定して読者を楽しませてくれる。
デントン署には流感が蔓延し、相次ぐ病欠者の発生に署内は大慌て。人手の足りない中、フロスト警部を中心に多発する事件を同時進行に解決へと導いていく。この物語の構成力はすごいと思います。
下品でドジで論理よりも自分の直感を重んじるフロスト警部ですが、今回も空振りの連続。立てる仮説全てがことごとく覆され、新たな新事実に自分の都合のいいように証拠を当てはめてまた仮設を構築。その繰り返しの末たどり着く全ての事件の真相。本当に、今回も首の皮一枚でつながった感じです。彼のマレット所長への態度は失礼すぎて読んでいるこっちがハラハラします。ですがそこが彼の最大の魅力。他にも、今回の彼はちょっとカッコいい。

No.2 7点 フロスト日和- R・D・ウィングフィールド 2009/01/04 19:32
大小様々な事件を同時に手がけることになり、なんやかんやの挙句それぞれに解決をもたらす、迷警部フロスト。今回は本当に救いがないなぁ。作戦はことごとく失敗するし、仲間の婦人警官はケガさせちゃうし。本当にどんな決着をつけるのかハラハラでした。
しかし、面白さは文句なし。

No.1 7点 クリスマスのフロスト- R・D・ウィングフィールド 2008/12/21 22:12
フロスト警部シリーズの第一弾。大抵こういった「一見ダメ風」な刑事は、実は中身は頭の冴える名刑事だったりするのだけど、彼の場合は本当にダメみたい笑。そんな彼の魅力的なキャラクターで本書は読ませる。
ミステリー的にはさほど目新しいところはないが、複雑的にいくつもの事件が絡み合い、エンタテインメント性に溢れ、非常に面白かった。
次作も読みたいと思います。

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ロビンさん
ひとこと
好きな作家
エラリー・クイーン、有栖川有栖、法月綸太郎、赤川次郎。
採点傾向
平均点: 6.56点   採点数: 130件
採点の多い作家(TOP10)
ロス・マクドナルド(9)
島田荘司(7)
ジョン・ディクスン・カー(7)
倉知淳(4)
エラリイ・クイーン(4)
コリン・デクスター(4)
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R・D・ウィングフィールド(4)