皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
マニアさん |
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平均点: 6.04点 | 書評数: 169件 |
No.12 | 4点 | モロッコ水晶の謎- 有栖川有栖 | 2008/09/26 19:17 |
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うーん、読後もすっきりしない感じ。
「助教授の身代金」は、緊迫的な誘拐の場面から殺人事件の捜査に切り替わり、最後に全ての謎が解けていくという構図が面白い。真相は予想の範囲内で衝撃度には欠けるが、物語の流れが良い。 「ABCキラー」は、プロットも真相も中途半端な感じ。魅力的な謎がどんどん尻すぼみになっていく感じ。 「モロッコ水晶の謎」は、人間の微妙な心理を突いた変化球作品。でも、自分的にはあの解決はいただけない。もっと、鮮やかな論理を期待してたのに・・・。「狂信者」の恐ろしさを味わえた点でおまけ。 超短編の「推理合戦」が一番楽しめたかも! |
No.11 | 6点 | スイス時計の謎- 有栖川有栖 | 2008/09/18 00:12 |
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表題作は傑作の名に値するが、他の3作は小粒な感じ。
「あるYの悲劇」は単なるダイイング・メッセージの謎解きで終わらないところが面白い。でも名前の件は・・・。 「女彫刻家の首」は首切断ミステリとしてはオーソドックス。てか、ありきたりすぎ。 「シャイロックの密室」は犯人視点とアリス視点が入れ替わる構成は好き。ただ、これも密室ものとしてはありきたり。 「スイス時計の謎」は質の高いロジックを味わえる作品。分かりそうで分からない、しかし言われてみれば謎が一気に雲散霧消!あんな鋭いロジックで追い詰められたら、犯人は蛇に睨まれた蛙状態でしょう。 |
No.10 | 8点 | マレー鉄道の謎- 有栖川有栖 | 2008/09/08 03:01 |
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貢数も多いけど、その分内容もとても重厚にできている。ここまでこてこての「本格」長編は気持ちいい。
「時間制限」(こういう設定も好き)のある中で次々に起こる不可解な事件と、それに悪戦苦闘する火村&アリスという全体の構図はスリリングで面白い。決して退屈しなかった。 目張り密室のトリックは派手さ(?)はないが、一つ一つの論理によって組み立てられた種明かしはお見事。それが、第2、第3の殺人につながっていく流れは鮮やか! しかし、物語中にヒントがあまり提示されていないので、不親切といえば不親切。メインの道具も第2の殺人現場から拾ってきちゃうし。 マレーシアに行きたくなった!!(笑) |
No.9 | 5点 | 英国庭園の謎- 有栖川有栖 | 2008/08/27 22:19 |
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暗号ものや言葉遊びは嫌いではないので、それに特化した作品が多いと割り切ればまぁまぁ楽しめた。
「ジャバウオッキー」はこれまでの火村シリーズとテンションが違って楽しめる。 一番好きなのは「完璧な遺書」。犯人の心理描写が面白く、ラストは爽快。ロジックも優れている。 他は普通。 |
No.8 | 3点 | ペルシャ猫の謎- 有栖川有栖 | 2008/07/14 23:08 |
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有栖川氏得意の切れ味鋭いロジックを期待しているなら、この小説にはそれがほとんど無い。感情的なものや精神的なものが多く、それで納得できればいいのだが、どれも憶測の域を出ない解決が多い。
シリーズのサブキャラ、森下刑事が活躍する「赤い帽子」も単なる警察の捜査記録を読んでるようで退屈だった。唯一、「暗号を撒く男」の真相にはニヤリとできたかな。 |
No.7 | 4点 | ブラジル蝶の謎- 有栖川有栖 | 2008/07/08 23:17 |
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ほとんど、事件⇒取り調べ・事情聴取⇒解決のパターンで画一化されてて退屈。スリリングさや魅力的な登場人物がいないため読み物としては楽しめない。火村シリーズが好きならいいんだろうけど。
「人喰いの滝」のトリックは斬新で好き。一歩間違えればバカミスか?でも、そこがいい! |
No.6 | 6点 | スウェーデン館の謎- 有栖川有栖 | 2008/06/09 12:50 |
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全てが平均的な作品。大きな不満も無いかわりに、大きな驚きも無い。足跡消失のトリックは論理的かつ大胆な発想で良かったが、折れた煙突の謎は文字通り煙に巻かれた感じ。
全体的な雰囲気は悪くないかも。 |
No.5 | 6点 | ロシア紅茶の謎- 有栖川有栖 | 2008/05/03 22:17 |
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who done itに特化した作品が多い。無駄を極力省きコンパクトに各話をまとめたのは評価できるが、火村、アリス以外の登場人物のキャラ立ちがいまいちだったのが残念。各話のラストの決めには作者のセンスを感じる。
全体的にはまとまって、よくできてはいると思う。個人的には「屋根裏の散歩者」の『太』に隠された謎、のような遊び心も好きだった。 |
No.4 | 5点 | 月光ゲーム- 有栖川有栖 | 2008/01/02 04:32 |
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デビュー作ということでやや文章に荒い箇所が目立つ。話の長さの割に容疑者も多すぎて、なかなか把握できなかった。
謎解きは伏線が細かすぎるきらいはあったが、瑕疵もなく納得できた。噴火の時のパニックと緊張感も感じられて楽しめた。なにより、作品の出来・不出来以前に学生アリスシリーズの始まりである印象深い作品! 青臭い青春ミステリ。いいですね! |
No.3 | 9点 | 女王国の城- 有栖川有栖 | 2007/12/30 14:22 |
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とても面白かった!!読み応え十分!!
新興宗教の総本部を舞台にした変則クローズド・サークルもの。自分的には痺れる展開の連続にワクワクしながら読めた。 途中のUFO談義は興味がなくて退屈だったけど、アリス一行の協会本部での大暴れシーンなど見どころ満載。クセのある登場人物も物語を盛り上げるのに一役買って魅力十分! そして、何より解決編で江神が見せるロジックの嵐には圧倒されっぱなし!まさに鳥肌もの!! 江神シリーズでは一番好き。 傑作! |
No.2 | 8点 | 双頭の悪魔- 有栖川有栖 | 2007/12/30 14:17 |
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相変わらず探偵江神の論理展開はしびれる!解決編は圧倒されっぱなしだった。
アリス、織田、望月の大立ち回りシーンもあり、前作以上にエンターテイメント性が加わり、長いが決して退屈しない出来。織田&望月コンビが好きなので、彼らの大活躍(?)はやっぱり嬉しい! しかし、ちょっと解決が強引すぎる印象を受けるところもあった。あとマリアにもちょっとイライラ・・・。 でも・・・あぁ・・・「青春」ミステリっていいなぁ(笑) |
No.1 | 6点 | 孤島パズル- 有栖川有栖 | 2007/12/30 14:09 |
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孤島のクローズド・サークルものということで、楽しみにして本を開いたが噂に違わぬ出来でよかった。
解決編の論理展開には正直圧倒された。ほんの些細な手掛かりから、謎を解き明かす面白さを堪能できる。 ただ、登場人物からクローズド・サークル状況での連続殺人の緊張感があまり伝わって来なかったのが残念かな。 |