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[ 警察小説 ] ネメシス 復讐の女神 ハリー・ホーレ刑事 |
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ジョー・ネスボ | 出版月: 2015年07月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 2015年07月 |
No.1 | 7点 | kanamori | 2015/09/12 00:02 |
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オスロ市内で発生した銀行強盗のさなか窓口係の女性が強盗犯に射殺される。ハリー・ホーレ警部は、担当部と合同でその事件を捜査していたが、今度はホーレのかつての愛人アンナがマンションで自殺を装った死体となって発見され、匿名の”目撃者”からホーレ宛に謎めいたメールが届く--------。
日本人が知っておくべき”新・三大ハリー刑事”のひとりw オスロ警察のハリー・ホーレ警部シリーズの第4作。 連続銀行強盗事件と元愛人の変死というホーレ警部が関わるメインの事件が2つあり、その捜査が並行して描かれていくうえに、前作「コマドリの賭け」で部下の女性刑事が殉死した未解決事件も絡んでくるので、プロットはかなり複雑、錯綜しています。この人物はどっちの関係者だったかなと人物関係を整理するだけでも大変です。さらには、アンナ、アウネ、アルネなど(男女の区別さえつかない)ノルウェーの同じような人名が何人も登場するのですから、上巻は読み進めるのにかなりの時間を要しました。 しかし、事件の構図が一変する下巻の途中からは圧巻の面白さ。「スノーマン」を読んだとき感じたジェットコースター級のリーダビリティには及ばないかなと思っていたら、第5部あたりからの、あれもこれも構図をひっくり返す怒涛の展開には心底びっくり。この辺の仕掛けは、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ刑事シリーズを連想させます。2つの事件のキーパーソンともいえるロマ(ジプシー)出身の伝説の銀行強盗ラスコルの存在感が際立っていて、刑務所の面会室でホーレに吐くあるセリフが、真相を知ると非常に暗示的に感じられます。 |