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[ 本格/新本格 ]
幻影館へようこそ 推理バトル・ロワイアル
伽古屋圭市 出版月: 2013年11月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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宝島社
2013年11月

No.1 6点 メルカトル 2014/05/03 22:08
『バトル・ロワイアル』と言っても、中学生が殺し合うわけではない。かの作品よりもずっとまろやかで、緊迫感が薄い。どちらかというと『インシテミル』に近いが、報酬は桁違いに少ないし、危険な香りもしないので、まあ一般読者にも比較的受け入れられやすいのではないだろうか。
ごく普通の女子高生、加奈は友人に、自分の代わりに拡張現実(仮想現実)を利用した新作ゲームのモニターに参加してくれないかと頼まれる。主催するのは「夢こーぼー」が大ヒットしている日本でも有数のゲーム会社で、報酬は参加するだけで3万円、1回勝ち抜けるごとに3万円が加算され、最終的に優勝すると19万円が手に入ることになる。
加奈は参加することを決める。参加者は男女9人で、果たして彼女は優勝できるのか・・・。
途中まで読んで、こりゃ、やっちまったかな?と後悔し始めたが、結局読み終わった時には納得出来る作品に仕上がっていることが認められ、胸をなでおろすのであった。序盤は推理というより思い付きやひらめきで、解決していく感じでちょっとどうかと思ったりもしたが、読み進むにつれ徐々にではあるが引き込まれていく。アッと驚くような展開も胸をすくような快刀乱麻を断つごとき推理もないが、どこかのんびりとした、ほのぼの感がよく伝わってくる。こういったジャンルにありがちな殺伐とした雰囲気がないので、その意味では安心して楽しめるのではないだろうか。


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