皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格 ] ハーバード大学殺人事件 ジュピター・ジョーンズ |
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ティモシー・フラー | 出版月: 1993年09月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
青弓社 1993年09月 |
No.2 | 6点 | nukkam | 2014/09/02 14:43 |
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(ネタバレなしです) 米国のティモシー・フラー(1914-1971)がまだハーバード大学に在籍中の1936年に発表したデビュー作でジュピター・ジョーンズシリーズ第1作の本格派推理小説です。ユーモアを混ぜたテンポのいい文章とすっきりした構成でとても読みやすく、いい意味での「若さ」を感じさせます。ジュピター(ちなみに本名はエドマンド)と警察があまりにも都合よく協力関係を結んでいるのは不自然と言えなくもないけど(でも競争意識もあります)、鮮やかなどんでん返しの謎解きが楽しめます。ただ気軽で軽妙な作品なので青弓社版の巻末解説の「文学的な事件」という大げさな持ち上げ方には少々抵抗を感じますが。 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2014/04/20 10:29 |
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ジュピターは美術学科の指導教官・シンガー教授の部屋で、教授の刺殺死体を発見する。警察の捜査に協力しながら、知人が事件に関係していることもあって自身でも探偵活動に乗り出す-------。
”ジュピター”・ジョーンズ・シリーズの第1作。1936年作、約80年前に書かれた本格ミステリにしては古臭さは全くなく、大学生ジュピターの軽口を交えた軽快なテンポの語りは読み心地がいいです。 カレッジ・ミステリ特有の多数の登場人物の書き分けと、現場の学寮の構図がいまいち分かりにくいのですが、関係者を一同に集めた謎解きパートではどんでん返しも用意するなど完成度も高く、大学在学中の若書き作品という感じはそれほど受けません。 戦前「新青年」のアンケートでベスト1に選んだ人もいたそうですが、それほどのものではないにしても、評価の高い第3作ぐらいは論創社あたりから出してもらいたいものです。 |