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[ 本格 ]
警官の騎士道
ビール主任警部
ルーパート・ペニー 出版月: 2013年10月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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論創社
2013年10月

No.2 6点 nukkam 2016/01/18 01:58
(ネタバレなしです) 英国のルーパート・ペニー(1909-1970)は生前は素性が謎に包まれていて、1936年から1941年の短期間にビール主任警部シリーズを8作発表した後は表立った活動をしなかったため、第二次世界大戦のロンドン空襲で死亡したという説が流れたほどです。このビール主任警部シリーズはエラリー・クイーンの影響を受けて「読者への挑戦状」を全作品で採用したことで知られる本格派推理小説です。本書は1937年発表のシリーズ第3作で、密室にアリバイ崩しの謎解き、現場見取り図にタイムテーブルまで用意されており典型的なパズル・ストーリーになっています。人物描写に個性がなく、感情表出があっても散発的なものに留まっています。またkanamoriさんがご講評の中で指摘されているように、物語としての起伏がないので展開が退屈に感じられる読者も少なくないと思います。しかしトリックはなかなか印象的で、推理説明も丁寧です。本格派好きなら一読して損はないと思います。

No.1 6点 kanamori 2013/12/07 20:19
ロンドン警視庁のビール主任警部を探偵役とするシリーズ第3作。
この前に邦訳出版された「警官の証言」は、密室トリックにあるアイデアを利用した構成上の仕掛けがユニークでしたが、本書は本格ミステリの王道を往くような非常に正攻法のパズラーです。

密室状況の屋敷見取り図や、容疑者のアリバイ確認のためのタイムテーブルを付け、推理のディスカッションを経て、読者への挑戦状を挟み、大団円で容疑者を集めた謎解き披露と、本格ミステリのガシェットを取り揃えたフーダニット&ハウダニットが堪能できます。物語がやや起伏に欠ける点はあるものの、今回は「〜証言」と比べて文章も意外と読みやすい。
ただ、犯行時に予想外の事態が発生して...というキモの部分がもう少し効果的に使われていたらと思わなくもありません。また、動機も機会もある疑わしい人物が、感じがいい女性ということだけで無実を前提に推理を展開するのはロジカルとはいえませんw


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