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[ サスペンス ] 沈黙の森 猟区管理官ジョー・ビケット |
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C・J・ボックス | 出版月: 2004年08月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
講談社 2004年08月 |
No.2 | 6点 | YMY | 2022/07/22 22:22 |
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野生動物を保護、管理する猟区管理官ジョー・ピケットが殺人事件の背後の陰謀挑む話で、基本的にはウエスタン。
ジョーは薄給にあえぎ、窮地に立たされながらも、家族と己が誇りのために断固たる行動をとり、七歳の娘シェリダンは幼いながらも勇気と正義感を精一杯示して父親を助ける。 苦悩するヒーローとそれを助ける家族の物語を、心揺さぶる感動作に仕立てている。 |
No.1 | 6点 | E-BANKER | 2013/03/13 22:18 |
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2001年発表の作者処女長編。
発表当時、アメリカ探偵作家クラブ賞をはじめ数々の賞を受賞した作品(とのこと)。 猟区管理官ジョー・ビケットを探偵役とするシリーズの第一作目でもある。 ~ワイオミング州猟区管理官ジョー・ビケット。気持ちは優しいが、州知事を偶然検挙してしまうというような不器用な男・・・。ある日、裏庭で娘と見つけた死体は、かつて彼の銃を奪おうとした密猟者だった。次いで山中のキャンプ場にも二人のアウトフィッターの死体が・・・。「新ヒーロー誕生」と全米で絶賛され主要新人賞を独占した大型新人登場!~ デビュー作とは思えないクオリティとスピード感ではある。 正直、どこかで読んだことあるような、「よくあるパターン」の作品であるのは間違いないのだが、それでも十分に読者を引き込むプロットだと思う。 ただ、最初から「絶滅種」に関する記述がさも意味深に章前に書かれてあるので、事件の構図が察しやすくなっているのがどうか。 (ところで、コイツは実在するのだろうか?) 本筋の連続殺人事件のからくりそのものはそれ程複雑ではなく、期待以上のサプライズがあるわけでもない。 終盤に差し掛かった辺りで真犯人の正体も判明してしまうので、真犯人VS主人公ジョー・ビケットの対決シーンが終盤のヤマ。 この辺の「盛り上げ方」は、読者の「ツボ」を心得てるな、という気にさせられる。 まぁ、とにかく「平均的に楽しめる」という形容詞がピッタリくるような作品。 ワイオミング州の雄大な自然という舞台背景もアメリカっぽくて、結構旅愁をそそられた。 主人公の造形は、「真面目で普通の人」というのが、一癖ある他のサスペンス系作品の主人公たちと違って好感が持てる。 ジョー・ビケットものは、本作の後、「凍れる森」、「震える山」などシリーズ化されてるので、できれば引き続き読んでみることにしよう。 (原題“Open Season”なのに、この邦題は内容からしてもちょっと合ってない気がするけど) |