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[ 時代・歴史ミステリ ]
修道女フィデルマの探求
修道女フィデルマ
ピーター・トレメイン 出版月: 2012年12月 平均: 6.00点 書評数: 2件

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東京創元社
2012年12月

No.2 6点 nukkam 2015/07/25 04:24
(ネタバレなしです) この短編集は「From Hemlock at Vespers」というタイトルで15の短編を上下巻で2000年に出版していたのが本国オリジナルでした。日本ではその中から5作品を選んで「修道女フィデルマの叡智」というタイトルで最初に出版され(作者の許可は得ていたそうですが)、その時私はたった5作品しか紹介しなかった出版社を恨んだものでした(笑)、その後に日本では「修道女フィデルマの洞察」で更に5作品、そして本書の5作品でついに15作品全部が読めることになりました(だったら最初からまとめて紹介してよとも言いたいところですけど)。本書でまず目を引いたのは「ウルフスタンへの挽歌」で、珍しく密室の謎解きがあることも注目ですがそれに加えて中立地帯での敵対民族同士の静かな対立という背景も非常に魅力的で、長編ネタにしてもおかしくないと思います。オカルト色濃厚な(無論解決は合理的です)「不吉なる僧院」、愛憎のもつれが印象的な「汚れた光輪」もお勧めです。

No.1 6点 kanamori 2013/03/18 13:08
7世紀の古代アイルランドを背景にした歴史ミステリ連作短編集の第3弾。

5編とも犯人当てを主軸とした端正な謎解きモノで、主人公フィデルマが訪れた修道院で愛憎劇がらみの殺人事件に遭遇するといった同じようなプロットが続くのが難点ですが、いくつか印象に残るものがありました。
個人的なベストは、複数の民族が留学して集う修道院の学問所内の密室殺人を扱った「ウルフスタンへの頌歌」で、密室トリック自体は平凡ですが、設定を活かした伏線と犯人特定のロジック展開が巧いと思います。
次点は離島にある僧院を舞台にした「不吉なる僧院」で、真相は分かりやすいものの、序盤の謎が魅力的です。


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